万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

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2021年02月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌0000 開肇献詠

訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
  さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

【2021年03月01日】2010年11月01開設から 36**日
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万葉短歌3881 大野道は3610

2021年02月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌3881 大野道は3610

大野道は 茂道茂路 茂くとも
君し通はば 道は広けむ  ○

3610     万葉短歌3881 ShuH589 2021-0220-man3881

□おほのぢは しげちしげみち しげくとも
  きみしかよはば みちはひろけむ
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第27首。託女歌。題詞に、「越中(こしのみちのなかの)国歌四首」。3878~3880は、題詞「能登国歌三首」、各旋頭歌。
【訓注】大野道(おほのぢ)[「荒野の中の小道。・・・地名とも・・・」]。茂道茂路(しげちしげみち)[「草木の生い茂る道を、同類の語を重ねて強めた・・・」]。君(きみ)[「国守・・・」。「本来は女の恋歌であった・・・。ここは、越中国守の到来を迎えた郡司などが、〔女の恋歌を〕利用した・・・」]。越中国[富山県]。


万葉短歌3877 紅に3609

2021年02月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌3877 紅に3609

紅に 染めてし衣 雨降りて
にほひはすとも うつろはめやも  ○

3609     万葉短歌3877 ShuH581 2021-0219-man3877

□くれなゐに そめてしころも あめふりて
  にほひはすとも うつろはめやも
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第22首。女。題詞に、「豊後(とよのみちのしりの)国白水郎(あまの)歌一首」。
【訓注】豊後国[大分県の大半]。にほひ(尓保比)。うつろはめ(移波米)。


万葉短歌3876 豊国の3608

2021年02月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌3876 豊国の3608

豊国の 企救の池なる 菱の末を
摘むとや妹が み袖濡れけむ  ○

3608     万葉短歌3876 ShuH580 2021-0218-man3876

□とよくにの きくのいけなる ひしのうれを
  つむとやいもが みそでぬれけむ
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第21首。男。題詞に、「豊前(とよのみちのくちの)国白水郎(あまの)歌一首」。第3875番歌は長歌(前段は男、後段は女の、一歌問答歌の形式。05-0892の貧窮問答歌に前例)。
【訓注】豊国(とよくに)[福岡県東部と大分県北部]。企救(きく=企玖)[「北九州市の瀬戸内海に面した旧郡名。今、北九州市門司・小倉北・小倉南区」。企救半島に名が残る。07-1393豊国之 聞之浜之(とよくにの きくのはまへの)、12-3130豊洲 聞浜松(とよくにの きくのはままつ)、など。池位置は未詳]。菱の末(ひしのうれ=菱之宇礼)[「<菱>は、・・・夏、白い花が咲き、菱形の堅い皮に覆われた果実を結ぶ。実は食用・・・。<末>は、・・・実を付けた葉間・・・」。07-1249浮沼池 菱採(うきぬのいけの ひしつむと)]。


万葉短歌3874 射ゆ鹿を3607

2021年02月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌3874 射ゆ鹿を3607

射ゆ鹿を 認ぐ川辺の にこ草の
身の若かへに さ寝し子らはも  ○

3607     万葉短歌3874 ShuH573 2021-0217-man3874

□いゆししを つなぐかはへの にこぐさの
  みのわかかへに さねしこらはも
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第20首。男。左注に、「右歌一首」。
【訓注】射ゆ鹿(いゆしか=所射鹿)[「<ゆ>は受身の助動詞。<射ゆる>(連体形)が普通。終止形・・・は古格・・・」]。認ぐ(つなぐ=認)[<綱(つな)>と同根。足跡を辿って追い求める]。にこ草(にこぐさ=和草)[「柔草(にこぐさ)・・・共寝の床をにおわせとぃる・・・」]。身の若かへに(みのわかかへに=身若可倍尓)[「この身の若かった時分に」。<かへ>は<かきうへ>、若き上、つまり若い頃、と依拠本]。さ寝し子ら(さねしこら=佐宿之児等)。


万葉短歌3873 我が門に3606

2021年02月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌3873 我が門に3606

我が門に 千鳥しば鳴く 起きよ起きよ
我が一夜夫 人に知らゆな  ○

3606     万葉短歌3873 ShuH570 2021-0216-man3873

□わがかどに ちとりしばなく おきよおきよ
  わがひとよづま ひとにしらゆな
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第19首。女。左注に、「右歌二首」。
【訓注】我が門(わがかど=吾門)。起きよ起きよ(おきよおきよ=起余々々)。我が一夜夫(わがひとよづま=我一夜妻)[02-0153(長歌)若草乃 嬬之 念鳥立(わかくさの つまの おもふとりたつ)、13-3303(長歌)汝恋 愛妻者(ながこふる うるはしづまは)・・・裏触而 妻者会登 人曽告鶴(うらぶれて つまはあひきと ひとぞつげつる)、など]。知らゆな(しらゆな=所知名)。


万葉短歌3872 我が門の3605

2021年02月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌3872 我が門の3605

我が門の 榎の実もり食む 百千鳥
千鳥は来れど 君ぞ来まさぬ  ○

3605     万葉短歌3872 ShuH570 2021-0215-man3872

□わがかどの えのみもりはむ ももちとり
  ちとりはくれど きみぞきまさぬ
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第18首。女。
【訓注】我が門(わがかど=吾門)。榎の実(えのみ=榎実)[「榎の果実」]。もり(毛利)[もぐの類義語・・・]。食む(はむ=喫)[08-1462茅花乎雖喫(つばなをはめど)、10-1858鳥者雖不喫(とりははまねど)、など]。百千鳥(ももちとり)[「群鳥(むらどり)」。次句の「千鳥」も同じ。「有象無象の男の意を寓している・・・」]。


万葉短歌3871 角島の3604

2021年02月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌3871 角島の3604

角島の 瀬戸のわかめは 人の共
荒かりしかど 我れとは和海藻  ○

3604     万葉短歌3871 ShuH569 2021-0214-man3871

□つのしまの せとのわかめは ひとのむた
  あらかりしかど われとはにきめ
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第17首。男。左注に、「右歌一首」。
【訓注】角島(つのしま)[山口県下関市豊北町大字角島]。瀬戸(せと=迫門)[「角島と本州とのあいだの海峡」]。わかめ(稚海藻)[「ここのわかめは貢上品として著名。・・・若い女の譬え」]。人の共(ひとのむた=人之共)[「人とともには」。02-0131(長歌)浪之共、-0138(長歌)浪之共、-0199(長歌)風之共、など]。和海藻(にきめ)[「柔らかい海藻。その代表がわかめ。・・・<わかめ>に<若女(わかめ)>を、<和海藻(にきめ)>に<和女(にきめ)>を懸けている・・・」]。


万葉短歌3870 紫の3603

2021年02月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌3870 紫の3603

紫の 粉潟の海に 潜く鳥
玉潜き出ば 我が玉にせむ  ○

3603     万葉短歌3870 ShuH566 2021-0213-man3870

□むらさきの こかたのうみに かづくとり
  たまかづきでば わがたまにせむ
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第16首。男。左注に、「右歌一首」。
【訓注】紫(むらさき)[「・・・根を粉末にして染料に用いる・・・」]。粉潟(こかた=粉滷)[「筑前の国またはその近辺の国にあった海の名であろう」。12-3166越懈乃 子難懈(こしのうみの こかたのうみ)とは別]。潜く(かづく=潜。潜き(かづき=潜)。我が玉(わがたま=吾玉)。


万葉短歌3869 大船に3602

2021年02月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌3869 大船に3602

大船に 小舟引き添へ 潜くとも
志賀の荒雄に 潜き逢はめやも  山上憶良

3602     万葉短歌3869 ShuH545 2021-0212-man3869

□おほぶねに をぶねひきそへ かづくとも
  しかのあらをに かづきあはめやも
○山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063参照。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第15首。荒雄遭難歌十首の第10首。託女歌。左注は、第3860番歌参照。
【訓注】大舶(おほぶね)。小舟(をぶね=小船)。潜く(かづく=可豆久)。潜き(かづき=潜)。


万葉短歌3868 沖行くや3601

2021年02月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌3868 沖行くや3601

沖行くや 赤ら小舟に つと遣らば
けだし人見て 開き見むかも  山上憶良

3601     万葉短歌3868 ShuH545 2021-0211-man3868

□おきゆくや あからをぶねに つとやらば
  けだしひとみて ひらきみむかも
○山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063参照。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第14首。荒雄遭難歌十首の第9首。託女歌。
【訓注】赤ら小舟(あからをぶね=赤羅小船)[「・・・魔除けの朱で塗る格別の舟と見た・・・」]。つと(褁)[「品物を包んだたいせつな包み」。03-0267、07-1136、-1196、08-1534、16-3868、20-4471、など]。


万葉短歌3867 沖つ鳥3600

2021年02月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌3867 沖つ鳥3600

沖つ鳥 鴨といふ船は 也良の崎
回みて漕ぎ来と 聞こえ来ぬかも  山上憶良

3600     万葉短歌3867 ShuH544 2021-0210-man3867

□おきつとり かもといふふねは やらのさき
  たみてこぎくと きこえこぬかも
○山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063参照。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第13首。荒雄遭難歌十首の第8首。託女歌。
【訓注】鴨といふ船(かもといふふね=鴨云舟)。也良の崎(やらのさき=也良乃崎)。回みて(たみて=多未弖)[「<回む>は迂回する、めぐる」。01-0058榜多味行之(こぎたみゆきし)]。


万葉短歌3866 沖つ鳥3599

2021年02月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌3866 沖つ鳥3599

沖つ鳥 鴨といふ船の 帰り来ば
也良の崎守 早く告げこそ  山上憶良

3599     万葉短歌3866 ShuH544 2021-0209-man3866

□おきつとり かもといふふねの かへりこば
  やらのさきもり はやくつげこそ
○山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063参照。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第12首。荒雄遭難歌十首の第7首。託女歌。
【訓注】鴨といふ船(かもといふふね=鴨云船)。也良の崎守(やらのさきもり=也良乃崎守)[「志賀島の向かい側、博多湾の入口近い能古(のこ)島の北端の岬という。<崎守>は、ここは岬の番人」]。


万葉短歌3865 荒雄らは3598

2021年02月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌3865 荒雄らは3598

荒雄らは 妻子が業をば 思はずろ
年の八年を 待てど来まさず  ○

3598     万葉短歌3865 ShuH544 2021-0208-man3865


□あらおらは めこがなりをば おもはずろ
  としのやとせを まてどきまさず
○=作者未詳。志賀白水郎荒雄妻。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第11首。荒雄遭難歌十首の第6首。女。
【訓注】妻子(めこ)[集中に8か所]。業(なり=産業)[生業、なりわい]。ろ(呂)[「断定を表わす終助詞か。間投詞とも。・・・九州方言か」]。

 


万葉短歌3864 官こそ3597

2021年02月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌3864 官こそ3597

官こそ さしても遣らめ さかしらに
行きし荒雄ら 波に袖振る  ○

3597     万葉短歌3864 ShuH544 2021-0207-man3864

□つかさこそ さしてもやらめ さかしらに
  ゆきしあらをら なみにそでふる
○=作者未詳。志賀白水郎荒雄妻。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第10首。荒雄遭難歌十首の第5首。女。
【訓注】官(つかさ)。さして(指弖)[名指しして]。