万葉短歌-悠山人編

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2020年05月31日 | 万葉短歌

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万葉短歌0000 開肇献詠

訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人

0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000

□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
 さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

【2020年06月01日】2010年11月01開設から 3***日
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万葉短歌3605 わたつみの3350

2020年05月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌3605 わたつみの3350

わたつみの 海に出でたる 飾磨川
絶えむ日にこそ 我が恋やまめ  ○

3350     万葉短歌3605 ShuH056 2020-0530-man3605

□わたつみの うみにいでたる しかまがは
  たえむひにこそ あがこひやまめ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第28首。「当所誦詠古歌」第4首。男。左注に、「右三首恋歌」。
【訓注】わたつみの(和多都美乃)。飾磨川(しかまがは=思可麻河伯)[「姫路市を流れる船場川」]。我が恋(あがこひ=安我故非)。


万葉短歌3604 妹が袖3349

2020年05月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌3604 妹が袖3349

妹が袖 別れて久に なりぬれど
一日も妹を 忘れて思へや  ○

3349     万葉短歌3604 ShuH056 2020-0529-man3604

□いもがそで わかれてひさに なりぬれど
  ひとひもいもを わすれておもへや
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第27首。「当所誦詠古歌」第3首。男。
【訓注】別れて久に(わかれてひさに=和可礼弖比左尓)。一日(ひとひ=比登比)。


万葉短歌3603 青柳の3348

2020年05月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌3603 青柳の3348

青柳の 枝伐り下ろし ゆ種蒔き
ゆゆしき君に 恋ひわたるかも  ○

3348     万葉短歌3603 ShuH056 2020-0528-man3603

□あをやぎの えだきりおろし ゆだねまき
  ゆゆしききみに こひわたるかも
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第26首。「当所誦詠古歌」第2首。男。

【訓注】ゆ種(ゆだね=湯種)[「<斎種>。斎〔(ものい)〕み浄めた籾種(もみだね)の称。稲作の種を尊んでいう」。次注参照]。ゆゆしき(忌忌)[02-0119(長歌)忌之伎鴨(ゆゆしきかも)、11-2432云忌々(いはばゆゆしみ)、12-2893忌々久毛吾者(ゆゆしくもあれは)、など。なお、〈ゆゆ(斎々、忌々、由々)し〉〈ゆにわ(斎場、斎庭)〉など]。


万葉短歌3602 あをによし3347

2020年05月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌3602 あをによし3347

あをによし 奈良の都に たなびける
天の白雲 見れど飽かぬかも  ○

3347     万葉短歌3602 ShuH056 2020-0527-man3602

□あをによし ならのみやこに たなびける
  あまのしらくも みれどあかぬかも
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第25首。中題「当所誦詠古歌」第1首。男。左注に、「右一首詠雲」。
【原文】15-3602  安乎尓余志 奈良能美夜古尓 多奈妣家流 安麻能之良久毛 見礼杼安可奴加毛  作者未詳


万葉短歌3601 しましくも3346

2020年05月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌3601 しましくも3346

しましくも ひとりありうる ものにあれや
島のむろの木 離れてあるらむ  ○

3346     万葉短歌3601 ShuH047 2020-0526-man3601

□しましくも ひとりありうる ものにあれや
  しまのむろのき はなれてあるらむ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第24首。男。左注に、「右八首乗船入海路上(みちのうへにして)作歌」。
【訓注】しましくも(之麻思久母)[02-0119須臾毛、など12か所]。むろの木(むろのき=牟漏能木)。


万葉短歌3600 離れ磯に3345

2020年05月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌3600 離れ磯に3345

離れ磯に 立てるむろの木 うたがたも
久しき時を 過ぎにけるかも  ○

3345     万葉短歌3600 ShuH047 2020-0525-man3600

□はなれそに たてるむろのき うたがたも
  ひさしきときを すぎにけるかも
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第23首。男。
【訓注】離れ磯(はなれそ=波奈礼蘇)[「広島県福山市鞆町(ともちょう)の海岸〈鞆の浦〉」]。むろの木(むろのき=牟漏能木)[「ヒノキ科の常緑樹、杜松(ねず)」]。うたがたも(宇多我多毛)[「むやみやたらに、いちずに、ひとえに」。12-2896歌方毛、など4か所]。


万葉短歌3599 月読の3344

2020年05月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌3599 月読の3344

月読の 光を清み 神島の
磯みの浦ゆ 船出す我れは  ○

3344     万葉短歌3599 ShuH047 2020-0524-man3599

□つくよみの ひかりをきよみ かみしまの
  いそみのうらゆ ふなですわれは
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第22首。男。
【訓注】月読(つくよみ=月余美)[「月を神に見立てたな」。04-0670月読之 光者清(つくよみの ひかりはきよく)、ほか計8か所]。神島(かみしま)[「広島県福山市の西部、芦田川西岸の小山。奈良時代・・・海で、神島の浜辺は船の避難所であったらしい」。13-3339(題詞)備後国神島浜]。我れ(われ=和礼)。


万葉短歌3598 ぬばたまの3343

2020年05月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌3598 ぬばたまの3343

ぬばたまの 夜は明けぬらし 玉の浦に
あさりする鶴 鳴き渡るなり  ○

3343     万葉短歌3598 ShuH047 2020-0523-man3598

□ぬばたまの よはあけぬらし たまのうらに
  あさりするたづ なきわたるなり
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第21首。男。
【訓注】ぬばたまの(奴波多麻能)。玉の浦(たまのうら=多麻能宇良)[「岡山県倉敷市玉島あたりらしい」]。鶴(たづ=多豆)。


万葉短歌3597 わたつみの3342

2020年05月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌3597 わたつみの3342

わたつみの 沖つ白波 立ち来らし
海人娘子ども 島隠る見ゆ  ○

3342     万葉短歌3597 ShuH047 2020-0522-man3597

□わたつみの おきつしらなみ たちくらし
  あまをとめども しまがくるみゆ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第20首。男。
【訓注】わたつみの(和多都美能)。海人娘子ども(あまをとめども=安麻乎等女等母)[下記注]。
【編者注-をとめども】「をとめども」の用法は、01-0188伊勢処女等(いせをとめども)など集中7か所であるのに対し、「をとめら」は、01-0005(長歌)海処女等之(あまをとめらが)など39か所である。


万葉短歌3596 我妹子が3341

2020年05月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌3596 我妹子が3341

我妹子が 形見に見むを 印南都麻
白波高み 外にかも見む  ○

3341     万葉短歌3595 ShuH047 2020-0521-6man3596

□わぎもこが かたみにみむを いなみつま
  しらなみたかみ よそにかもみむ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第19首。男。
【訓注】形見(かたみ=可多美)[「〈その人の形(魂のこもったもの)〉として偲び見るもの。生死にかかわらずいう」]。印南都麻(いなみつま)[「兵庫県加古川河口の三角州、現在の高砂市付近。景勝の地」。04-0509(長歌)稲日都麻 浦箕乎過而(いなびつま うらみをすぎて)]。


万葉短歌3595 朝開き3340

2020年05月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌3595 朝開き3340

朝開き 漕ぎ出て来れば 武庫の浦の
潮干の潟に 鶴が声すも  ○

3340     万葉短歌3595 ShuH047 2020-0520-man3595

□あさびらき こぎでてくれば むこのうらの
  しほひのかたに たづがこゑすも
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第18首。男。
【訓注】朝開き(あさびらき=安佐妣良伎)[「早朝の港を押し開くようにして船出すること」。03-0351旦開 榜去師船之(あさびらき こぎにしふねの)、09-1690朝開 滂出而我者(あさびらき こぎでてわれは)、など]。武庫の浦(むこのうら=牟故能宇良)[3578注、ほか参照]。


万葉短歌3594 潮待つと3339

2020年05月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌3594 潮待つと3339

潮待つと ありける船を 知らずして
悔しく妹を 別れ来にけり  ○

3339     万葉短歌3594 ShuH047 2020-0519-man3594

□しほまつと ありけるふねを しらずして
  くやしくいもを わかれきにけり
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第17首。男。
【訓注】潮待つ(しほまつ=之保麻都)[下記注。01-0008熟田津尓 船乗世武登 月待者(にきたつに ふなのりせむと つきまてば=額田王)]。
【依拠本注-潮待つ】満潮によって神戸~大阪間の潮流が、東流から西流に変る、その西流に乗ることが必要であり、そのための満潮を待つのである。(『万葉集全注』有斐閣、所引)


万葉短歌3593 大伴の3338

2020年05月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌3593 大伴の3338

大伴の 御津に船乗り 漕ぎ出ては
いづれの島に 廬りせむ我れ  ○

3338     万葉短歌3593 ShuH043 2020-0518-man3593

□おほともの みつにふなのり こぎでては
  いづれのしまに いほりせむわれ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第16首。男。左注に、「右三首臨発之時作歌」。
【訓注】大伴の御津(おほとものみつ=大伴能美津)[「難波の津。西海への船旅の基点。<大伴>は大阪から堺にかけての総称。大伴氏領有の地」]。我れ(われ=和礼)。
【依拠本注-右三首】おそらく、三首とも家持の添加にかかる作であろう。


万葉短歌3592 海原に3337

2020年05月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌3592 海原に3337

海原に 浮寝せむ夜は 沖つ風
いたくな吹きそ 妹もあらなくに  ○

3337     万葉短歌3592 ShuH043 2020-0517-man3592

□うなはらに うきねせむよは おきつかぜ
  いたくなふきそ いももあらなくに
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第15首。男。
【訓注】海原(うなはら)。沖つ風(おきつかぜ=於伎都風)。