2022-1018-man9999
万葉短歌9999 閉緘献詠
訪ぬれば 十年を経りて なほさらに
奥深きかな よろづ葉の森 悠山人
9999 万葉短歌9999 Shu9999 2022-1018-man9999
□たづぬれば ととせをふりて なほさらに
おくふかきかな よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
=万葉短歌 閉緘献詠=
【2022年10月18日】2010年11月01開設から 4368日
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[参照]2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森 悠山人
0000 万葉短歌0000 Shu0000 2010-1101-man0000
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
=万葉短歌 開肇献詠=
2022-1017-man4516
万葉短歌4516 新しき4187
新しき 年の初めの 初春の
今日降る雪の いやしけ吉事 大伴家持
4187 万葉短歌4516 ShuJ815 2022-1017-man4516
□あらたしき としのはじめの はつはるの
けふふるゆきの いやしけよごと
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第224首。題詞に、「〔天平宝字〕三年〔(759)〕春正月一日於因幡国庁(いなばのくにのちゃうにして)賜饗(あへを)国郡司等(こくぐんのつかさらに)之宴歌一首」。左注に、「右一首守大伴宿祢家持作之」。
【訓注】初春[「集中二例。家持だけが用いた言葉」。20-4493始春乃(はつはるの)。「天平宝字三年の元旦は暦の上でも立春にあたっていた」]。いやしけ[「<しけ>はあとからあとから絶えることなく重なる意の…<しく>の命令形」]。吉事[「<凶事(まがごと)>の対」]。
【原文】20-4516 新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰 大伴家持
***** 万葉集 巻20(4293~4516、二百二十四首) 終 *****
=万葉集短歌 閉緘=
2022-1016-man4515
万葉短歌4515 秋風の4186
秋風の 末吹き靡く 萩の花
ともにかざさず 相か別れむ 大伴家持
4186 万葉短歌4515 ShuJ811 2022-1016-man4515
□あきかぜの すゑふきなびく はぎのはな
ともにかざさず あひかわかれむ
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第223首。題詞に、「〔天平宝字2年(758)〕七月五日於治部少輔大原今城真人宅餞(せんする)因幡守大伴宿祢家持宴歌一首」。左注に、「右一首大伴宿祢家持作之」。
【訓注】秋風(あきかぜ)。萩の花(はぎのはな=波疑能花)。相か別れむ(あひかわかれむ=安比加和可礼牟)[「<相別れむ>のあいだに疑問の助詞<か>を割って入れた形。集中ここだけの表現」]。
2022-1015-man4514
万葉短歌4514 青海原4185
青海原 風波靡き 往くさ来さ
障むことなく 船は早けむ 大伴家持
4185 万葉短歌4514 ShuJ807 2022-1015-man4514
□あをうなはら かぜなみなびき ゆくさくさ
つつむことなく ふねははやけむ
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第222首。題詞に、「〔天平宝字2年(758)〕二月十日於内相宅餞渤海大使小野田守朝臣等宴歌一首」。左注に、「右一首右中弁大伴宿祢家持 未誦之[(いまだしょうせず=宴終わってから自分の歌稿にひそかに記し留めた歌)]」。
【訓注】青海原(あをうなはら=阿乎宇奈波良)。往くさ来さ(ゆくさくさ=由久左久佐)[「行きも帰りも」]。障む(つつむ=都々牟)[「さしさわる、事故や傷病などの障碍に出合う」。04-0519雨障(あまつつみ)、-520雨乍見(あまつつみ)、など]。船(ふね=布祢)。
2022-1014-man4513
万葉短歌4513 磯影の4184
磯影の 見ゆる池水 照るまでに
咲ける馬酔木の 散らまく惜しも 甘南備伊香
4184 万葉短歌4513 ShuJ803 2022-1014-man4513
□いそかげの みゆるいけみづ てるまでに
さけるあしびの ちらまくをしも
〇甘南備伊香(かむなびの いかご)=20-4489歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第221首。「属目山斎…歌三首」の第3首。左注に、「右一首大蔵大輔甘南備伊香真人」。
【訓注】馬酔木(あしび=安之婢)。散らまく惜しも(ちらまくをしも=知良麻久乎思母)。
2022-1013-man4512
万葉短歌4512 池水に4183
池水に 影さへ見えて 咲きにほふ
馬酔木の花を 袖に扱入れな 大伴家持
4183 万葉短歌4512 ShuJ803 2022-1013-man4512
□いけみづに かげさへみえて さきにほふ
あしびのはなを そでにこきれな
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第220首。「属目山斎…歌三首」の第2首。左注に、「右一首右中弁大伴宿祢家持」。
【訓注】咲きにほふ(さきにほふ=佐伎尓保布)。馬酔木(あしび=安之婢)。扱入れな(こきれな=古伎礼奈)[「<扱入(こき)る>は<扱(こ)き入(い)る>の約。…<な>は…勧誘…」]。
2022-1012-man4511
万葉短歌4511 鴛鴦の棲む4182
鴛鴦の棲む 君がこの山斎 今日見れば
馬酔木の花も 咲きにけるかも 三形王
4182 万葉短歌4511 ShuJ802 2022-1012-man4511
□をしのすむ きみがこのしま けふみれば
あしびのはなも さきにけるかも
〇三形王(みかたの おほきみ)=20-4488歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第219首。題詞に、「属目山斎(さんさいを しょくもくして)〔(山斎(さんさい)=「中国の山水幽棲の思想による語で、山中の居室、別荘…。和語では<山斎(しま)><島(しま)>…。」)〕作歌三首」、その第1首。左注に、「右一首大監物三形王」。
【訓注】鴛鴦(をし=乎之)。君(きみ=妓美)[清麻呂]。馬酔木(あしび=安之婢)[「その繁茂は豊穣の予兆…」。集中に10か所]。
2022-1011-man4510
万葉短歌4510 大君の4181
大君の 継ぎて見すらし 高円の
野辺見るごとに 音のみし泣かゆ 甘南備伊香
4181 万葉短歌4510 ShuJ797 2022-1011-man4510
□おほきみの つぎてめすらし たかまとの
のへみるごとに ねのみしなかゆ
〇甘南備伊香(かむなびの いかご)=20-4489歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第218首。「依興…歌五首」の第5首。左注に、「右一首大蔵大輔甘南備伊香真人」。
【訓注】大君(おほきみ=於保吉美)。音のみし泣かゆ(ねのみしなかゆ=祢能未之奈加由)[「声も押さえきれず泣けてきてならない」]。
2022-1010-man4509
万葉短歌4509 延ふ葛の4180
延ふ葛の 絶えず偲はむ 大君の
見しし野辺には 標結ふべしも 大伴家持
4180 万葉短歌4509 ShuJ797 2022-1010-man4509
□はふくずの たえずしのはむ おほきみの
みししのへには しめゆふべしも
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第217首。「依興…歌五首」の第4首。左注に、「右一首右中弁大伴宿祢家持」。
【訓注】絶えず偲はむ(たえずしのはむ=多要受之努波牟)。大君(おほきみ=於保吉美)。
2022-1009-man4508
万葉短歌4508 高円の4179
高円の 野辺延ふ葛の 末つひに
千代に忘れむ 我が大君かも 中臣清麻呂
4179 万葉短歌4508 ShuJ796 2022-1009-man4508
□たかまとの のへはふくずの すゑつひに
ちよにわすれむ わがおほきみかも
〇中臣清麻呂(なかとみの きよまろ)=20-4497歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第216首。「依興…歌五首」の第3首。左注に、「右一首主人中臣清麻呂朝臣」。
【訓注】末つひに(すゑつひに=須恵都比尓)[<葛>に<大君>を懸ける]。
2022-1008-man4507
万葉短歌4507 高円の4178
高円の 峰の上の宮は 荒れぬとも
立たしし君の 御名忘れめや 大原今城
4178 万葉短歌4507 ShuJ796 2022-1008-man4507
□たかまとの をのうへのみやは あれぬとも
たたししきみの みなわすれめや
〇大原今城(おほはらの いまき)=20-4442歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第215首。「依興…歌五首」の第2首。左注に、「右一首治部少輔大原今城真人」。
【訓注】君(きみ=伎美)[聖武]。
2022-1007-man4506
万葉短歌4506 高円の4177
高円の 野の上の宮は 荒れにけり
立たしし君の 御代遠そけば 大伴家持
4177 万葉短歌4506 ShuJ796 2022-1007-man4506
□たかまとの ののうへのみやは あれにけり
たたししきみの みよとほそけば
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第214首。題詞に、「依興各(おのもおのも)思高円〔(聖武天皇の離宮)〕離宮処(とつみやところを。処=廃墟)作歌五首」、その第1首。左注に、「右一首右中弁大伴宿祢家持」。
【訓注】高円(たかまと=多加麻刀)[以下原文用字は同じ]。君(きみ=伎美)[聖武]。遠そけば(とほそけば=等保曽気婆)[「<遠そく>は遠く退く、遠い過去のものとなる…」]。
2022-1006-man4505
万葉短歌4505 磯の裏に4176
磯の裏に 常呼び来棲む 鴛鴦の
惜しきあが身は 君がまにまに 大原今城
4176 万葉短歌4505 ShuJ784 2022-1006-man4505
□いそのうらに つねよびきすむ をしどりの
をしきあがみは きみがまにまに
〇大原今城(おほはらの いまき)=20-4442歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第213首。「二月於式部大輔…歌十五首」の第10首。左注に、「右一首治部少輔大原今城真人」。
【訓注】呼び(よび=欲比)[読下しに諸説]。鴛鴦(をしどり=乎之杼里)。あが身(あがみ=安我未)。君(きみ=伎美)[清麻呂]。まにまに(末仁麻尓)。
2022-1005-man4504
万葉短歌4504 うるはしと4175
うるはしと 我が思ふ君は いや日異に
来ませ我が背子 絶ゆる日なしに 中臣清麻呂
4175 万葉短歌4504 ShuJ784 2022-1005-man4504
□うるはしと あがもふきみは いやひけに
きませわがせこ たゆるひなしに
〇中臣清麻呂(なかとみの きよまろ)=20-4497歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第212首。「二月於式部大輔…歌十五首」の第9首。左注に、「右一首右中弁大伴宿祢家持」。
【訓注】うるはし(宇流波之)[「親愛をこめて気高いまでの美しさ…。目上の人や女から男に対して…」]。我が思ふ君(あがもふきみ=阿我毛布伎美)[恋歌仕立てなので、「君」「我が背子」は、「表では前歌の家持…、裏では今日の御一同…」]。日異(ひけ=比家)[「日ごとに増す」]。我が背子(わがせこ=和我世古)。
2022-1004-man4503
万葉短歌4503 君が家の4174
君が家の 池の白波 磯に寄せ
しばしば見とも 飽かむ君かも 大伴家持
4174 万葉短歌4503 ShuJ784 2022-1004-man4503
□きみがいへの いけのしらなみ いそによせ
しばしばみとも あかむきみかも
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第211首。「二月於式部大輔…歌十五首」の第8首。左注に、「右一首右中弁大伴宿祢家持」。
【訓注】君(きみ=伎美、伎弥)[2か所とも清麻呂]。しばしば見とも(しばしばみとも=之婆之婆美等母)[「重ね重ね何度お見受けしても」]。