2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森 悠山人
0000 万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。 =万葉短歌 開肇献詠=
【2010年11月01日開設から】3,***日(2019年08月31日)。
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2019-0830-man3343
万葉短歌3343 浦波の3090
浦波の 来寄する浜に つれもなく
臥したる君が 家道知らずも 〇
3090 万葉短歌3343 ShuG245 2019-0830-man3343
□うらなみの きよするはまに つれもなく
ふしたるきみが いへぢしらずも
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第20首。男。3339番歌(或本長歌)への第四反歌。左注に、「右九首」。
【訓注】浦波に(うらなみに=汭浪)。つれもなく(津煎裳無)。臥したる君(ふしたるきみ=偃為公)。
2019-0829-man3342
万葉短歌3342 浦ぶちに3089
浦ぶちに 臥したる君を 今日今日と
来むと待つらむ 妻し悲しも 〇
3089 万葉短歌3342 ShuG245 2019-0829-man3342
□うらぶちに ふしたるきみを けふけふと
こむとまつらむ つましかなしも
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第19首。男。3339番歌(或本長歌)への第三反歌。
【訓注】浦ぶちに(うらぶちに=汭潭)[「入り江になった所で、水のよどんだ淵」(『詳説古語辞典』)]。臥したる君(ふしたるきみ=偃為公)。今日今日と(けふけふと=今日々々跡)。
2019-0828-man3341
万葉短歌3341 家人の3088
家人の 待つらむものを つれもなき
荒磯をまきて 臥せる君かも 〇
3088 万葉短歌3341 ShuG245 2019-0828-man3341
□いへびとの まつらむものを つれもなき
ありそをまきて ふせるきみかも
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第18首。男。3339番歌(或本長歌)への第二反歌。
【訓注】家人(いえへびと)。つれもなき(津煎裳無)[「死者を悼む心から死者のいる場所を貶めていったもの。」 02-0167(長歌)由縁母無 真弓乃岡尓(つれもなき まゆみのをかに)、-0187所由無 佐太乃岡辺尓(つれもなき さだのをかへに)、など]。臥せる君(ふせるきみ=偃有公)。
2019-0827-man3340
万葉短歌3340 母父も3087
母父も 妻も子どもも 高々に
来むと待つらむ 人の悲しさ 〇
3087 万葉短歌3340 ShuG245 2019-0827-man3340
□おもちちも つまもこどもも たかたかに
こむとまつらむ ひとのかなしさ
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第17首。男。3339番歌(或本長歌)への第一反歌。
【訓注】母父も(おもちちも=母父裳)[3337歌参照]。
2019-0826-man3338
万葉短歌3338 あしひきの3086
あしひきの 山道は行かむ 風吹けば
波の塞ふる 海道は行かじ 〇
3086 万葉短歌3338 ShuG244 2019-0826-man3338
□あしひきの やまぢはゆかむ かぜふけば
なみのささふる うみぢはゆかじ
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第15首。男。3336番歌(長歌)への第二反歌。
【訓注】あしひきの(蘆桧木乃)。波の塞ふる(なみのささふる=浪之塞)[「<塞ふ>は邪魔する意の下二段動詞。ただし上代に確例がない。」]。
2019-0825-man3337
万葉短歌3337 母父も3085
母父も 妻も子どもも 高々に
来むと待ちけむ 人の悲しさ 〇
3085 万葉短歌3337 ShuG244 2019-0825-man3337
□おもちちも つまもこどもも たかたかに
こむとまちけむ ひとのかなしさ
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第14首。男。3336番歌(長歌)への第一反歌。3335 は長歌。
【訓注】母父(おもちち)[父母・母父については、「2019-0808-man3296 万葉短歌3296 父母に3068」参照]。妻も子どもも(つまもこどもも=妻毛子等毛)。高々に(たかたかに=高々二)。人の悲しさ(ひとのかなしさ=人之悲沙)。
2019-0824-man3334
万葉短歌3334 たはことか3084
たはことか 人の言ひつる 玉の緒の
長くと君は 言ひてしものを 〇
3084 万葉短歌3334 ShuG241 2019-0824-man3334
□たはことか ひとのいひつる たまのをの
ながくときみは いひてしものを
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第11首。女。3333番歌(長歌)への反歌。左注に、「右二首」。3329~3332 は長歌。
【訓注】たはこと(狂言)。
2019-0823-man3328
万葉短歌3328 衣手3083
衣手 葦毛の馬の いばゆ声
心あれかも 常ゆ異に鳴く 〇
3083 万葉短歌3328 ShuG226 2019-0823-man3328
□ころもで あしげのうまの いばゆこゑ
こころあれかも つねゆけになく
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第5首。男。3327番歌(長歌)への反歌。左注に、「右二首」。3325、26 は長歌。
【訓注】衣手(ころもで=衣袖)[「<葦毛>の枕詞」]。葦毛の馬(あしげのうま=大分青馬)。いばゆ声(いばゆこゑ=嘶音)。
*** 万葉集 巻13 譬喩歌(3323、1首) 始 ***
(長歌、略)
*** 万葉集 巻13 譬喩歌(3323、1首) 終 ***
*** 万葉集 巻13 挽歌(3324-3347、24首) 始 ***
2019-0822-man3325
万葉短歌3325 つのさはふ3082
つのさはふ 磐余の山に 白栲に
かかれる雲は 大君にかも 〇
3082 万葉短歌3325 ShuG215 2019-0822-man3325
□つのさはふ いはれのやまに しろたへに
かかれるくもは おほきみにかも
〇=出典未詳。
【編者注】挽歌(3324-3347、24首)の第2首。男。3324番歌(長歌)への反歌。左注に、「右二首」。
【訓注】つのさはふ(角障経)[「枕詞。<いは>を含む人名・地名にかかる。」(『詳説古語辞典』) 02-0135(長歌)角障経 石見之海乃(~ いはみのうみの)、03-0282角障経 石村毛不過(~ いはれもすぎず)、など]。磐余(いはれ=石村)[「奈良県桜井市南部から香久山の東部」(前出辞典)]。大君に(おほきみに=皇)[他訓に、スメラミコ・オホキミ・ワガオホキミ、と依拠本]。
2019-0821-man3322
万葉短歌3322 門に居し3081
門に居し 郎子宇智に 至るとも
いたくし恋ひば 今帰り来む 〇
3081 万葉短歌3322 ShuG203 2019-0821-man3322
□かどにゐし いらつこうちに いたるとも いたくしこひば いまかへりこむ
〇=出典未詳。
【編者注】問答(3305-3322、18首)の第18首。男。3318番歌(長歌)への第四反歌。左注に、「右五首」。
【訓注】居し(ゐし=座)[02-0188島尓下座而(しまにおりゐて)、04-0665向座而(むかひゐて)、など]。宇智(うち=内)[奈良県五條市。01-0003(題詞)天皇遊猟内野之時(すめらみこと うちのに みかりしとき)、-0004玉克春 内乃大野尓(たまきはる うちのおほのに)]。いたくし(痛之)。
*** 万葉集 巻13 問答(3305-3322、18首) 終 ***
2019-0820-man3321
万葉短歌3321 さ夜更けて3080
さ夜更けて 今は明けぬと 戸を開けて
紀伊へ行く君を いつとか待たむ 〇
3080 万葉短歌3321 ShuG203 2019-0820-man3321
□さよふけて いまはあけぬと とをあけて
きへゆくきみを いつとかまたむ
〇=出典未詳。
【編者注】問答(3305-3322、18首)の第17首。女。3318番歌(長歌)への第三反歌。
【訓注】さ夜更けて(さよふけて=左夜深而)。紀伊へ行く君(きへゆくきみ=木部行君)。
2019-0819-man3320
万葉短歌3320 直に行かず3079
直に行かず こゆ巨勢道から 石瀬踏み
求めぞ我が来し 恋ひてすべなみ 〇
3079 万葉短歌3320 ShuG203 2019-0819-man3320
□ただにゆかず こゆこせぢから いはせふみ
もとめぞわがこし こひてすべなみ
〇=出典未詳。
【編者注】問答(3305-3322、18首)の第16首。女。3318番歌(長歌)への第二反歌。 【訓注】こゆ(此従)。巨勢道(こせぢ)[大和・紀伊往還。巨勢は「奈良県御所(ごせ)市の東端」]。石瀬(いはせ)。我が来し(わがこし=吾来)。すべなみ(為便奈見)。
2019-0818-man3319
万葉短歌3319 杖つきも3078
杖つきも つかずも我れは 行かめども
君が来まさむ 道の知らなく 〇
3078 万葉短歌3319 ShuG203 2019-0818-man3319
□つえつきも つかずもわれは ゆかめども
きみがきまさむ みちのしらなく
〇=出典未詳。
【編者注】問答(3305-3322、18首)の第15首。女。3318番歌(長歌)への第一反歌。下記注。
【訓注】杖つき(つえつき=杖衝)。我れは(われは=吾者)。君(きみ=公)。
【編者注-作者の属性】3318~22の五首(「第4群」と依拠本)は、これまでに見られない特徴をもつ。長歌は、「女」と「夕占」(男)との問答と見せる形式、第一反歌は従来形式の「女」への、第二反歌は「夕占」へのもの、第三は「女」追加、第四は「第三者」(男)、すべては夫婦の問答、ということらしい。詳しくは依拠本参照。
2019-0817-man3317
万葉短歌3317 馬買はば3077
馬買はば 妹徒歩ならむ よしゑやし
石は踏むとも 我はふたり行かむ 〇
3077 万葉短歌3317 ShuG195 2019-0817-man3317
□うまかはば いもかちならむ よしゑやし
いしはふむとも わはふたりゆかむ
〇=出典未詳。
【編者注】問答(3305-3322、18首)の第13首。男。3314番歌(長歌)への答歌。左注に、「右四首」。
【訓注】馬買はば(うまかはば=馬替者)。徒歩(かち=歩行)。よしゑやし(縦恵八子)。我はふたり(わはふたり=吾二)。