万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌3582 大船を3327

2020年04月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌3582 大船を3327

大船を 荒海に出だし います君
障むことなく 早帰りませ  ○

3327     万葉短歌3582 ShuH020 2020-0507-man3582

□おほぶねを あらみにいだし いますきみ
  つつむことなく はやかへりませ
〇=出典未詳。
【編者注】遣新羅使人等の歌(3578~3722、一四五首)の第5首。妻、贈歌。
【原文】荒海(あらみ=安流美)。います君(いますきみ=伊麻須君)。障むことなく 早帰りませ(つつむことなく はやかへりませ=都追牟許等奈久 波也可敝里麻勢)[05-0894(長歌)美船播将泊 都々美無久 佐伎久伊麻志弖 速帰座勢(みふねははてむ つつみなく さきくいまして はやかへりませ)]。


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万葉短歌3575 美夜自呂の3320

2020年04月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌3575 美夜自呂の3320

美夜自呂の すかへに立てる かほが花
な咲き出でそね こめて偲はむ  ○

3320     万葉短歌3575 ShuG595 2020-0430-man3575

□みやじろの すかへにたてる かほがはな
  なさきいでそね こめてしのはむ
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(3572-3576、5首)の第4首。男。
【訓注】美夜自呂(みやじろ)[「長野県安曇郡有明山麓の宮城(みやじろ)とする説がある・・・」]。すかへ(渚可敝)[「<すか>は海岸沿いの砂丘。・・・<へ>は<辺>」]。かほが花(かほがはな=可保我波奈)[「未詳。かきつばた、おもだか、ひるがおなどの説がある」]。こめて(許米弖)[「ここは、人目が届かないような状態に保つ意」]。


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万葉短歌3574 小里なる3319

2020年04月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌3574 小里なる3319

小里なる 花橘を 引き攀ぢて
折らむとすれど うら若みこそ  ○

3319     万葉短歌3574 ShuG591 2020-0429-man3574

□をさとなる はなたちばなを ひきよぢて
  をらむとすれど うらわかみこそ
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(ひゆか、3572-3576、5首)の第3首。男。
【訓注】花橘(はなたちばな=波奈多知波奈)[「若者たちは<小里の花橘>というだけで、ある女性を共通に思い浮かべることができたのであろう」]。うら若み(うらわかみ=宇良和可美)[「心のうちに若々しく感じられる・・・。ここは、・・・<末(うら)若み>の意」]。


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万葉短歌3573 あしひきの3318

2020年04月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌3573 あしひきの3318

あしひきの 山かづらかげ ましばにも
得がたきかげを 置きや枯らさむ  ○

3318     万葉短歌3573 ShuG591 2020-0428-man3573

□あしひきの やまかづらかげ ましばにも
  えがたきかげを おきやからさむ
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(ひゆか、3572-3576、5首)の第2首。男。
【訓注】あしひきの(安之比奇能)。山かづらかげ(やまかづらかげ=夜麻可都良加気)[3句には「かげ(可気)」。13-3229雲聚玉陰(うずのたまかげ)、19-4278夜麻之多日影(やましたひかげ)。下記注]。ましばにも(麻之波尓母)[「そうちょいちょいは、めったには」。3488麻之波尓毛]。
【編者注-やまかづらかげ、かげ】(以下、『万葉集事典』、見出し語「ひかげ」記事)石松。「かげ」「たまかげ」「やまかづらかげ」とも。常緑多年草。山地に自生。茎は地上に這い、杉に似た葉は採った後も緑色を保つ。呪的な植物とみられたらしく、神事にかざしや鬘とした。


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万葉短歌3572 あど思へか3317

2020年04月27日 | 万葉短歌

*** 万葉集 巻14 譬喩歌(3572-3576、5首) 始 ***

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万葉短歌3572 あど思へか3317

あど思へか 阿自久麻山の 弓弦葉の
ふふまる時に 風吹かずかも  ○

3317     万葉短歌3572 ShuG591 2020-0427-man3572

□あどもへか あじくまやまの ゆづるはの
  ふふまるときに かぜふかずかも
〇=出典未詳。
【編者注】譬喩歌(ひゆか、3572-3576、5首)の第1首。男。
【訓注】あど思へか(あどもへか=安杼毛敝可)[「いかに思へばか」。02-0199(長歌)安騰毛比賜(あどもひたまひ)、03-0478(長歌)率比賜比(あどもひたまひ)、など]。阿自久麻山(あじくまやま=阿自久麻夜末)[地名]。弓弦葉(ゆづるは=由豆流波)[「ゆずりは」。02-0111弓絃葉乃。楪、交譲木、譲葉、Daphniphyllum macropodum]。ふふまる(布敷麻留)[「<ふふめる>の東国形」。07-1749(長歌)含有者(ふふめるは)、11-2783含花之(ふふめるはなは)、など]。


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万葉短歌3571 己妻を3316

2020年04月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌3571 己妻を3316

己妻を 人の里に置き おほほしく
見つつぞ来ぬる この道の間  ○

3316     万葉短歌3571 ShuG586 2020-0426-man3571

□おのづまを ひとのさとにおき おほほしく
  みつつぞきぬる このみちのあひだ
〇=出典未詳。
【編者注】防人歌(3567-3571、5首)の第5首。男。
【訓注】己妻(おのづま=於能豆麻)[「自分の妻を単に<妻>と呼ぶことは、歌詞には非常に少ない」]。おほほしく(於保々思久)[「胸がふさがって気が晴れないさま」。02-0175欝悒(おほほしく)、-0189欝悒、など]。
【依拠本注-防人歌の評価】たった五首ながら、ここには防人の別れのほとんどの様態が尽くされている点が重要。巻二十の大歌群を通じても、要約すれば、別れのさまは、この五首の様態に尽きるといっても過言ではあるまい。五首は、まさに、東国の防人歌の典型であったといってよい。

*** 万葉集 巻14 防人歌(3567-3571、5首) 終 ***


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万葉短歌3570 葦の葉に3315

2020年04月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌3570 葦の葉に3315

葦の葉に 夕霧立ちて 鴨が音の
寒き夕し 汝をば偲はむ  ○

3315     万葉短歌3570 ShuG586 2020-0425-man3570

□あしのはに ゆふぎりたちて かもがねの
  さむきゆふへし なをばしのはむ
〇=出典未詳。
【編者注】防人歌(3567-3571、5首)の第4首。男。
【訓注】夕霧(ゆふぎり=由布宜里)。鴨が音(かもがね=可母我鳴)。
【依拠本注-評価】この一首、清澄、典雅なること、東歌随一であろう。
【参考歌】01-0064葦辺行 鴨之羽我比尓 霜零而 寒暮夕 倭之所念  志貴皇子
  (葦辺行く 鴨の羽がひに 霜降りて 寒き夕は 大和し思ほゆ  志貴皇子)


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万葉短歌3569 防人に3314

2020年04月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌3569 防人に3314

防人に 立ちし朝明の かな門出に
手離れ惜しみ 泣きし子らばも  ○

3314     万葉短歌3569 ShuG586 2020-0424-man3569

□さきもりに たちしあさけの かなとでに
  たばなれをしみ なきしこらばも
〇=出典未詳。
【編者注】防人歌(3567-3571、5首)の第3首。男。
【訓注】防人(さきもり=佐伎母理)。朝明(あさけ=安佐気)。かな門出(かなとで=可奈刀悌)[「門出」。14-0723(長歌)小金門尓(をかなとに)、09-1739金門尓之(かなとにし)、ほか]。子らばも(こらばも=児良波母)[「<子らはも>の訛り」。3513伊比之児呂波母(いひしころばも)]。


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万葉短歌3568 後れ居て3313

2020年04月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌3568 後れ居て3313

後れ居て 恋ひば苦しも 朝猟の
君が弓にも ならましものを  ○

3313     万葉短歌3568 ShuG583 2020-0423-man3568

□おくれゐて こひばくるしも あさがりの
  きみがゆみにも ならましものを
〇=出典未詳。
【編者注】防人歌(3567-3571、5首)の第2首。女。
【訓注】恋ひば(こひば=古非波)[「<波>は清音ハにあてられるのが原則だが、濁音バに用いられることも稀にある」]。朝猟(あさがり=安佐我里)。


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万葉短歌3567 置きて行かば3312

2020年04月22日 | 万葉短歌

*** 万葉集 巻14 防人歌(3567-3571、5首) 始 ***

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万葉短歌3567 置きて行かば3312

置きて行かば 妹ばま愛し 持ちて行く
梓の弓の 弓束にもがも  ○

3312     万葉短歌3567 ShuG583 2020-0422-man3567

□おきていかば いもばまかなし もちてゆく
  あづさのゆみの ゆづかにもがも
〇=出典未詳。
【編者注】防人歌(さきもりうた、3567-3571、5首)の第1首。男。
【訓注】行かば(いかば=伊可婆)。妹ば(いもば=伊毛婆)[「<妹ば>は<妹は>の訛り」]。行く(ゆく=由久)。弓束(ゆづか=由都可)[07-1330弓束纒及(ゆづかまくまで)、11-2830弓束巻易(ゆづかまきまへ)、14-3486由豆加奈倍麻伎(ゆづかなべまき)]。


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万葉短歌3566 我妹子に3311

2020年04月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌3566 我妹子に3311

我妹子に 我が恋ひ死なば そわへかも
神に負ほせむ 心知らずて  ○

3311     万葉短歌3566 ShuG581 2020-0421-man3566

□わぎもこに あがこひしなば そわへかも
  かみにおほせむ こころしらずて
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第112首。男。
【訓注】我が恋ひ死なば(あがこひしなば=安我古非思奈婆)[04-0748恋死六(こひしなむ)、11-2592恋死(こひしなむ)、14-3491古非尓思奈武乎(こひにしなむを)]。そばへ(曽和敝)[「未詳。<傍辺(そばへ)>の訛りで、周囲の者をさすか」]。神に負ほせむ(かみにおほせむ=加未尓於保世牟)[「邪心の祟りというだろう」]。

*** 万葉集 巻14 相聞(3455-3566、112首) 終 ***


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万葉短歌3565 かの子ろと3310

2020年04月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌3565 かの子ろと3310

かの子ろと 寝ずやなりなむ はだすすき
宇良野の山に 月片寄るも  ○

3310     万葉短歌3565 ShuG578 2020-0420-man3565

□かのころと ねずやなりなむ はだすすき
  うらののやまに つくかたよるも
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第111首。男。
【訓注】はだすすき(波太須酒伎)[03-0307皮為酢寸、08-1637波太須珠寸、など]。宇良野(うらの)[「長野県上田市浦野」?]。


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万葉短歌3564 古須気ろの3309

2020年04月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌3564 古須気ろの3309

古須気ろの 浦吹く風の あどすすか
愛しけ子ろを 思ひ過ごさむ  ○

3309     万葉短歌3564 ShuG578 2020-0419-man3564

□こすけろの うらふくかぜの あどすすか
  かなしけころを おもひすごさむ
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第110首。男。
【訓注】古須気ろ(こすけろ=古須気呂)[地名。「東京都葛飾区小菅あたりか・・・」]。あどすすか(安騰須酒香)[「<あど>は中央語の<いかに>・・・。<すす>は・・・~しながら」。3379安杼可母伊波武(あどかもいはむ)、3487可久須酒曽(かくすすぞ)、20-4386於母加古比須々(おもがこひすす)]。過ごさむ(すごさむ=須吾左牟)[「<・・・過ごす>は<・・・過ぐす>の訛り」]。


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万葉短歌3563 比多潟の3308

2020年04月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌3563 比多潟の3308

比多潟の 磯のわかめの 立ち乱え
我をか待つなも 昨夜も今夜も  ○

3308     万葉短歌3563 ShuG576 2020-0418-man3563

□ひたがたの いそのわかめの たちみだえ
  わをかまつなも きそもこよひも
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第109首。男。
【訓注】比多潟(ひたがた=比多我多)[地名]。乱え(みだえ=美太要)[「<乱る>の東国形<乱ゆ>の連用形」]。我(わ=和)。なも(那毛)[<らむ>の東国形]。


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万葉短歌3562 荒磯やに3307

2020年04月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌3562 荒磯やに3307

荒磯やに 生ふる玉藻の うち靡き
ひとりや寝らむ 我を待ちかねて  ○

3307     万葉短歌3562 ShuG576 2020-0417-man3562

□ありそやに おふるたまもの うちなびき
  ひとりやぬらむ あをまちかねて
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第108首。男。
【訓注】荒磯やに(ありそやに=安里蘇夜尓)[「<や>はそのあたり、の意・・・」]。ひとりや寝らむ(ひとりやぬらむ=比登里夜宿良牟)。我(あ=安)。


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