万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌1536 宵に逢ひて1400

2014年10月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌1536 宵に逢ひて1400

宵に逢ひて 朝面なみ 名張野の
萩は散りにき 黄葉早継げ  縁達師

1400     万葉短歌1536 ShuD600 2014-1030-man1536

よひにあひて あしたおもなみ なばりのの
  はぎはちりにき もみちはやつげ
 
縁達師(えんだちし)=未詳。漢三字それぞれに各説がある。
【編者注】題詞は「縁達師)歌一首」。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第26首。
【訓注】宵に逢ひて(よひにあひて=暮相而)。朝面なみ(あしたおもなみ=朝面羞)。名張野(なばりの=隠野)[三重県名張市辺]。萩(はぎ=芽子)。黄葉(もみち)。


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万葉短歌1535 我が背子を1399

2014年10月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌1535 我が背子を1399

我が背子を いつぞ今かと 待つなへに
面やは見えむ 秋の風吹く 藤原宇合

1399     万葉短歌1535 ShuD598 2014-1029-man1535

わがせこを いつぞいまかと まつなへに
  おもやはみえむ あきのかぜふく
 
藤原宇合(ふぢはらの うまかひ)=01-0072、03-0312歌参照。
【編者注】題詞は「藤原宇合卿(まへつきみ)歌一首」。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第25首。
【訓注】我が背子(わがせこ=我背児)。いつぞ(何時曽)。待つなへに(まつなへに=待苗尓)。面(おも=於毛)。


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万葉短歌1534 をみなへし1398

2014年10月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌1534 をみなへし1398

をみなへし 秋萩折れれ 玉桙の
道行きづとと 乞はむ子がため 石川老夫

1398     万葉短歌1534 ShuD597 2014-1028-man1534

をみなへし あきはぎをれれ たまほこの
  みちゆきづとと こはむこがため
 
石川老夫(いしかはの おきな)=未詳。原文は「石川朝臣(あそみ)老夫」。<『続日本紀』文武二年(698)七月二十五日の条に、「直広肆石川朝臣小老(こおゆ)為*美濃守*」(*=それぞれ返り点二、一)とある人の子かとする説(…)がある。>
【編者注】題詞は「石川朝臣老夫歌一首」。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第24首。
【訓注】をみなへし(娘部志)。秋萩(あきはぎ=秋芽子)。折れれ(をれれ=折礼)[命令形]。玉桙(たまほこ)。づと([果(冠)+衣(脚)]、つと、包。土産。03-0267、07-1136、07-1196)。


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万葉短歌1533 伊香山1397

2014年10月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌1533 伊香山1397

伊香山 野辺に咲きたる 萩見れば
君が家なる 尾花し思ほゆ  笠金村

1397     万葉短歌1533 ShuD595 2014-1027-man1533

いかごやま のへにさきたる はぎみれば
  きみがいへなる をばなしおもほゆ
 
笠金村(かさの かなむら)=02-0231、03-0364歌参照。
【編者注】「笠朝臣金村伊香山作歌二首」の第2首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第23首。
【訓注】伊香山(いかごやま)。萩(はぎ=芽子)。君(きみ=公)。尾花し思ほゆ(をばなしおもほゆ=尾花之所念)。


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万葉短歌1532 草枕1396

2014年10月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌1532 草枕1396

草枕 旅行く人も 行き触れば
にほひぬべくも 咲ける萩かも  笠金村

1396     万葉短歌1532 ShuD595 2014-1026-man1532

くさまくら たびゆくひとも ゆきふれば
  にほひぬべくも さけるはぎかも
 
笠金村(かさの かなむら)=02-0231、03-0364歌参照。
【編者注】題詞は「笠朝臣金村伊香山(いかごやま)作歌二首」、その第1首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第22首。
【訓注】旅行く人(たびゆくひと=客行人)。萩(はぎ=芽子)。伊香山(滋賀県長浜市[旧伊香郡木之本町]、賤ガ岳[しずがたけ]。麓に伊香具[いかぐ]神社)。


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万葉短歌1531 玉櫛笥1395

2014年10月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌1531 玉櫛笥1395

玉櫛笥 芦城の川を 今日見ては
万代までに 忘らえめやも  

1395     万葉短歌1531 ShuD593 2014-1025-man1531

たまくしげ あしきのかはを けふみては
  よろづよまでに わすらえめやも
 
=未詳。左注に「右二首作者未詳」。
【編者注】「大宰の諸卿大夫并せて官人等、筑前国の芦城の駅家にして宴する歌二首」の第2首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第21首。
【訓注】玉櫛笥(たまくしげ=珠匣)。芦城(あしき=葦木)。


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万葉短歌1530 をみなへし1394

2014年10月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌1530 をみなへし1394

をみなへし 秋萩交る 芦城の野
今日を始めて 万代に見む  

1394     万葉短歌1530 ShuD593 2014-1024-man1530

をみなへし あきはぎまじる あしきのの
  けふをはじめて よろづよにみむ
 
=未詳。次歌左注に「作者未詳」、下記注。
【編者注】題詞読み下しは、「大宰の諸卿大夫(まへつきみたち)并(あは)せて官人等(たち)、筑前国(つくしのみちのくち)の芦城(あしき)の駅家(うまや)にして宴する歌二首」、その第1首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第20首。
【訓注】をみなへし(娘部思)。秋萩(あきはぎ=秋芽子)。芦城(あしき=蘆城)[福岡県筑紫野市阿志岐]。
【依拠本注-作者未詳】左注の「作者未詳」は、特定の作者は存在するのだがその氏名がわからないという意味で、『万葉集』では作者や時代の明らかな歌を集める記名歌巻に限って現れる。これも作者記名の一つなのである(…)。ここは、大宰府役人中の某人が作者である。(…)官位の低い人であったと察せられる。


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万葉短歌1529 天の川1393

2014年10月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌1529 天の川1393

天の川 浮津の波音 騒くなり
我が待つ君し 舟出すらしも  山上憶良

1393     万葉短歌1529 ShuD589 2014-1023-man1529

あまのがは うきつのなみおと さわくなり
  あがまつきみし ふなですらしも
 
山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063歌参照。
【編者注】「山上臣憶良七夕歌十二首」(1518~1529)の第12首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第19首。
【訓注】天の川(あまのがは=天河)。浮津(うきつ)。騒く(さわく=佐和久)。


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万葉短歌1528 霞立つ1392

2014年10月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌1528 霞立つ1392

霞立つ 天の川原に 君待つと
い行き帰るに 裳の裾濡れぬ  山上憶良

1392     万葉短歌1528 ShuD589 2014-1022-man1528

かすみたつ あまのかはらに きみまつと
  いゆきかへるに ものすそぬれぬ
 
山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063歌参照。
【編者注】「山上臣憶良七夕歌十二首」(1518~1529)の第11首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第18首。
【訓注】天の川原(あまのかはら=天河原)。裳の裾濡れぬ(ものすそぬれぬ=裳襴所沾)。


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万葉短歌1527 彦星の1391

2014年10月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌1527 彦星の1391

彦星の 妻迎へ舟 漕ぎ出らし
天の川原に 霧の立てるは  山上憶良

1391     万葉短歌1527 ShuD589 2014-1021-man1527

ひこひしの つまむかへぶね こぎづらし
  あまのかはらに きりのたてるは
 
山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063歌参照。
【編者注】「山上臣憶良七夕歌十二首」(1518~1529)の第10首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第17首。
【訓注】彦星(ひこほし=牽牛)。妻迎へ舟(つまむかへぶね=迎嬬船)。漕ぎ出(こぎづ=己芸出)[≠こぎいづ]。天の川原(あまのかはら=漢原)。


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万葉短歌1526 玉かぎる1390

2014年10月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌1526 玉かぎる1390

玉かぎる ほのかに見えて 別れなば
もとなや恋ひむ 逢ふ時までは  山上憶良

1390     万葉短歌1526 ShuD586 2014-1020-man1526

たまかぎる ほのかにみえて わかれなば
  もとなやこひむ あふときまでは
 
山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063歌参照。
【編者注】「山上臣憶良七夕歌十二首」(1518~1529)の第9首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第16首。左注読下しに、「右は、天平二年の七月の八日の夜に、帥(そち)の家に集会(つど)ふ。」
【訓注】玉かぎる(玉蜻蜒)[下記注]。ほのかに(髣髴所)。もとなや(毛等奈也)[元無(むやみに、いたずらに)+や(係助詞)]。逢ふ時(あふとき=相時)。
【依拠本注-蜻蜒】「原文<蜻蜒>は<蜻><蜻蛉>と同じく、とんぼをいう。古語では<かぎる><かぎろふ>と称したらしい(…)。」


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万葉短歌1525 袖振らば1389

2014年10月19日 | 万葉短歌

2014-1019-man1525
万葉短歌1525 袖振らば1389

袖振らば 見も交しつべく 近けども
渡るすべなし 秋にしあらねば  山上憶良

1389     万葉短歌1525 ShuD586 2014-1019-man1525

そでふらば みもかはしつべく ちかけども
  わたるすべなし あきにしあらねば
 
山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063歌参照。
【編者注】「山上臣憶良七夕歌十二首」(1518~1529)の第8首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第15首。
【訓注】渡るすべなし(わたるすべなし=度為便無)。秋にしあらねば(あきにしあらねば=秋西安良祢波)。


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万葉短歌1524 天の川1388

2014年10月18日 | 万葉短歌

2014-1018-man1524
万葉短歌1524 天の川1388

天の川 いと川波は 立たねども
さもらひかたし 近きこの瀬を  山上憶良

1388     万葉短歌1524 ShuD585 2014-1018-man1524

あまのがは いとかはなみは たたねども
  さもらひかたし ちかきこのせを
 
山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063歌参照。
【編者注】「山上臣憶良七夕歌十二首」(1518~1529)の第7首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第14首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。いと(伊刀)。さもらひかたし(伺候難之)[03-0388(長歌)、06-0945、ほか]。


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万葉短歌1523 秋風の1387

2014年10月17日 | 万葉短歌

2014-1017-man1523
万葉短歌1523 秋風の1387

秋風の 吹きてし日より いつしかと
我が待ち恋ひし 君ぞ来ませる  山上憶良

1387     万葉短歌1523 ShuD585 2014-1017-man1523

あきかぜの ふきてしひより いつしかと
  あがまちこひし きみぞきませる
 
山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063歌参照。
【編者注】「山上臣憶良七夕歌十二首」(1518~1529)の第6首。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第13首。
【原文】08-1523 秋風之 吹尓之日従 何時可登 吾待恋之 君曽来座流


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万葉短歌1522 たぶてにも1386

2014年10月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌1522 たぶてにも1386

たぶてにも 投げ越しつべき 天の川
隔てればかも あまたすべなき  山上憶良

1386     万葉短歌1522 ShuD578 2014-1016-man1522

たぶてにも なげこしつべき あまのがは
  へだてればかも あまたすべなき
 
山上憶良(やまのうへの おくら)=01-0063歌参照。
【編者注】「山上臣憶良七夕歌十二首」(1518~1529)の第5首。同前第二「反歌」。「秋雑歌」九十五首(1511~1605)の第12首。左注読下しに、「右は、天平元年の七月の七日の夜に、憶良、天の川を仰ぎ観る。」 その脚注に「一には<帥(そち)の家にして作る>といふ。」 以上三首、筑紫赴任三年目の憶良の作歌事情について、依拠本は非常に詳しい釈注を加えている。
【訓注】たぶてにも(多夫手二毛)。天の川(あまのがは=[本歌]天漢、[左注]天河)。あまたすべなき(安麻多須弁奈吉)。


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