万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌0919 若の浦に0840

2013年03月30日 | 万葉短歌

2013-0330-man0919
万葉短歌0919 若の浦に0840
 
若の浦に 潮満ち来れば 潟をなみ
葦辺をさして 鶴鳴き渡る  山部赤人

0840     万葉短歌0919 ShuC287 2013-0330-man0919
 
わかのうらに しほみちくれば かたをなみ
  あしへをさして たづなきわたる
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】長歌(第917歌)への「反歌二首」の第二首。
【訓注】若の浦(わかのうら=若浦)。潮(しほ=塩)。潟(かた=滷)。葦辺(あしへ=葦辺)。鶴(たづ=多頭)。
【原文】若浦尓 塩満来者 滷乎無美 葦辺乎指天 多頭鳴渡


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万葉短歌0918 沖つ鳥0839

2013年03月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌0918 沖つ鳥0839
 
沖つ鳥 荒磯の玉藻 潮干満ち
い隠りゆかば 思ほえむかも  山部赤人

0839     万葉短歌0918 ShuC287 2013-0329-man0918
 
おきつとり ありそのたまも しほひみち
  いかくりゆかば おもほえむかも
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「神亀(じんき)元年甲子(きのえね)の冬の十月五日に、紀伊(き)の国に幸(いでま)す時に、山部宿祢赤人が作る歌一首 并せて短歌」。その長歌(第917歌)への「反歌二首」の第一首。
【訓注】沖つ島(おきつしま=奥島)。荒磯(ありそ=荒磯)。潮干満ち(しほひみち=潮干満)。い隠り(いかくり=伊隠)。思ほえむ(おもほえむ=所念武)。


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万葉短歌0916 あかねさす0838

2013年03月28日 | 万葉短歌

2013-0328-man0916
万葉短歌0916 あかねさす0838
 
あかねさす 日並べなくに 我が恋は
吉野の川の 霧に立ちつつ  車持千年

0838     万葉短歌0916 ShuC282 2013-0328-man0916
 
あかねさす ひならべなくに あがこひは
  よしののかはの きりにたちつつ
車持千年(くるまもちの ちとせ)=第914歌参照。
【編者注】「或本反歌曰」二首の第二首。
【訓注】あかねさす(茜刺)。日(ひ=日)。我が恋は(あがこひは=吾恋)。吉野の川の(よしののかはの=吉野之河乃)。霧に立ちつつ(きりにたちつつ=霧丹立乍)。


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万葉短歌0915 千鳥鳴く0837

2013年03月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌0915 千鳥鳴く0837
 
千鳥鳴く み吉野川の 川音の
やむ時なしに 思ほゆる君  車持千年

0837     万葉短歌0915 ShuC282 2013-0327-man0915
 
ちどりなく みよしのがはの かはおとの
  やむときなしに おもほゆるきみ
車持千年(くるまもちの ちとせ)=第914歌参照。
【編者注】第914歌のあとに「或本反歌曰」とある。その反歌二首の第一首。
【訓注】千鳥鳴く(ちどりなく=千鳥鳴)。み吉野川(みよしのがは=三吉野川)。川音の(かはおとの=川音)。やむ時なしに(やむときなしに=止時梨二)。思ほゆる君(おもほゆるきみ=所思君)。


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万葉短歌0914 滝の上の0836

2013年03月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌0914 滝の上の0836
 
滝の上の 三船の山は 畏けど
思ひ忘るる 時も日もなし  車持千年

0836     万葉短歌0914 ShuC282 2013-0326-man0914
 
たきのうへの みふねのやまは かしこけど
  おもひわするる ときもひもなし
車持千年(くるまもちの ちとせ)=題詞原文には「車持朝臣千年」。未詳。「笠金村・山部赤人と同じく、元正・聖武朝の宮廷歌人。金村よりは後輩、赤人よりは先輩であったらしい。女流歌人と見るむきもあるが、従わない。」「古来の考えどおり、金村・赤人ともども、男性の宮廷歌人と見るのが穏当であろう。」初出歌。
【編者注】題詞原文は「車持朝臣千年作歌一首 并短歌」。その長歌(第913歌)への「反歌一首」。
【訓注】滝の上(たきのうへ=滝上)。三船の山(みふねのやま=三船之山)。畏けど(かしこけど=雖畏)。思ひ忘るる(おもひわするる=思忘)。時も日もなし(ときもひもなし=時毛日毛無)。


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万葉短歌0912 泊瀬女の0835

2013年03月25日 | 万葉短歌

2013-0325-man0912
万葉短歌0912 泊瀬女の0835

泊瀬女の 造る木綿花 み吉野の
滝の水沫に 咲きにけらずや  笠金村
 
0835     万葉短歌0912 ShuC272 2013-0325-man0912
 
はつせめの つくるゆふばな みよしのの
   たきのみなわに さきにけらずや
笠金村(かさの かなむら)=題詞には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】「或本反歌曰」三首の第三首。
【訓注】泊瀬女(はつせめ=泊瀬女)。木綿花(ゆふばな=木綿花)。み吉野(みよしの=三吉野)。滝の水沫(たきのみなわ=滝乃水沫)。咲き(さき=開)。


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万葉短歌0911 み吉野の0834

2013年03月24日 | 万葉短歌

2013-0324-man0911
万葉短歌0911 み吉野の0834
 
み吉野の 秋津の川の 万代に
絶ゆることなく また帰り見む  笠金村

0834     万葉短歌0911 ShuC272 2013-0324-man0911
 
みよしのの あきづのかはの よろづよに
   たゆることなく またかへりみむ
笠金村(かさの かなむら)=題詞には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】「或本反歌曰」三首の第二首。
【訓注】み吉野(みよしの=三芳野)。秋津の川(あきづのかは=秋津川)。万代(よろづよ=万世)。絶ゆることなく(たゆることなく=絶事無)。また帰り見む(またかへえりみむ=又還将見)。


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万葉短歌0910 神からか0833

2013年03月23日 | 万葉短歌

2013-0323-man0910
万葉短歌0910 神からか0833
 
神からか 見が欲しからむ み吉野の
滝の河内は 見れど飽かぬかも  笠金村
 
0833     万葉短歌0910 ShuC272 2013-0323-man0910
 
かむからか みがほしからむ みよしのの
  たきのかふちは みれどあかぬかも
笠金村(かさの かなむら)=題詞には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】前の「反歌二首」のあとに、「或本反歌曰」とあって以下の三首が続く。その第一首。
【訓注】神(かむ=神)。欲しからむ(ほしからむ=欲賀藍)。み吉野(みよしの=三吉野)。滝(たき=滝)。河内(かふち=河内)。見れど飽かぬかも(みれどあかぬかも=雖見不飽鴨)。


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万葉短歌0909 山高み0832

2013年03月22日 | 万葉短歌

2013-0322-man0909
万葉短歌0909 山高み0832
 
山高み 白木綿花に 落ちたぎつ
滝の河内は 見れど飽かぬかも  笠金村
 
0832     万葉短歌0909 ShuC272 2013-0322-man0909
 
やまだかみ しらゆふばなに おちたぎつ
   たきのかふちは みれどあかぬかも
笠金村(かさの かなむら)=題詞には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】「養老七年癸亥(みづのとゐ)の夏の五月に、吉野の離宮(とつみや)に幸(いでま)す時に、笠朝臣金村が作る歌一首 并せて短歌」の、「反歌二首」の第二首。
【訓注】山高み(やまだかみ=山高三)。白木綿花に(しらゆふばなに=白木綿花)。たぎつ(多芸追)。滝(たき=滝)。見れど(みれど=雖見)。飽かぬかも(あかぬかも=不飽香聞)。


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万葉短歌0908 年のはに0831

2013年03月21日 | 万葉短歌

―― 巻六 雑歌 ――
 
 
 
― 雑歌 ―
 
2013-0321-man0908
万葉短歌0908 年のはに0831
 
年のはに かくも見てしか み吉野の
清き河内の たぎつ白波  笠金村
 
0831     万葉短歌0908 ShuC272 2013-0321-man0908
 
としのはに かくもみてしか みよしのの
   きよきかふちの たぎつしらなみ
笠金村(かさの かなむら)=題詞には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】第907歌(長歌)の題詞読下しは、「養老七年癸亥(みづのとゐ)の夏の五月に、吉野の離宮(とつみや)に幸(いでま)す時に、笠朝臣金村が作る歌一首 并せて短歌」。その「反歌二首」の第一首。
【訓注】年のはに(としのはに=毎年)。み吉野(みよしの=三吉野)。たぎつ白波(たぎつしらなみ=多芸津白浪)。


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万葉短歌0906 布施置きて0830

2013年03月20日 | 万葉短歌

2013-0320-man0906
万葉短歌0906 布施置きて0830

布施置きて 我れは祈ひ祷む あざむかず
直に率行きて 天道知らしめ  山上憶良

0830     万葉短歌0906 ShuC253 2013-0320-man0906

ふせおきて あれはこひのむ あざむかず
  ただにゐゆきて あまぢしらしめ
山上憶良(やまのうへの おくら)=第905歌、第63歌参照。左注に、この一首は作者未詳だが、裁歌の体は山上の操に似る、とする。
【編者注】「男子(をのこ)名は古日(ふるひ)に恋ふる歌三首 長一首 短二首」の反歌の第二首。
【訓注】[真名仮名略対応]布施(ふせ=布施)。我れ(あれ=吾)。祈ひ祷む(こひのむ=許比能武)。あざむかず(阿射無加受)。天道(あまぢ=阿麻治)。

―― 巻五 雑歌 終 ――


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万葉短歌0905 若ければ0829

2013年03月19日 | 万葉短歌

2013-0319-man0905
万葉短歌0905 若ければ0829

若ければ 道行き知らじ 賄はせむ
したへの使 負ひて通らせ  山上憶良

0829     万葉短歌0905 ShuC253 2013-0319-man0905

わかければ みちゆきしらじ まひはせむ
  したへのつかひ おひてとほらせ
山上憶良(やまのうへの おくら)=署名はないが、次歌左注による。第63歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「男子(をのこ)名は古日(ふるひ)に恋ふる歌三首 長一首 短二首」。第904首(長歌)の反歌。その第一首。
【訓注】[真名仮名略対応]若ければ(わかければ=和可家礼婆)。道行き(みちゆき=道行)。賄(まひ=末比)。したへ(之多敝)。使(つかひ=使)。負ひて(おひて=於比弖)。


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万葉短歌0903 しつたまき0828

2013年03月18日 | 万葉短歌

2013-0318-man0903
万葉短歌0903 しつたまき0828

しつたまき 数にもあらぬ 身にはあれど
千年にもがと 思ほゆるかも  山上憶良

0828     万葉短歌0903 ShuC243 2013-0318-man0903

しつたまき かずにもあらぬ みにはあれど
  ちとせにもがと おもほゆるかも
山上憶良(やまのうへの おくら)=第63歌参照。
【編者注】「老身に病を重ね、経年辛苦し、児等を思ふに及(いた)る歌七首 長一首 短六首」の反歌の第六首。
【訓注】[真名仮名略対応]しつたまき(倭文手纏)。数にも(かずにも=数母)。身(み)。千年(ちとせ)。思ほゆる(おもほゆる=意母保由留)。


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万葉短歌0902 水沫なす0827

2013年03月17日 | 万葉短歌

2013-0317-man0902
万葉短歌0902 水沫なすの0827

水沫なす 微き命も 栲縄の
千尋にもがと 願ひ暮しつ  山上憶良

0827     万葉短歌0902 ShuC243 2013-0317-man0902

みなわなす もろきいのちも たくなはの
  ちひろにもがと ねがひくらしつ
山上憶良(やまのうへの おくら)=第63歌参照。
【編者注】「老身に病を重ね、経年辛苦し、児等を思ふに及(いた)る歌七首 長一首 短六首」の反歌の第五首。
訓注】[真名仮名略対応]水沫(みなわ=水沫)。微き命(もろきいのち=微命)。栲縄(たくなは=栲縄)。千尋(ちひろ=千尋)。願ひ(ねがひ=慕)。暮し(くらし=久良志)。


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万葉短歌0901 荒栲の0826

2013年03月16日 | 万葉短歌

2013-0316-man0901
万葉短歌0901 荒栲の0826

荒栲の 布衣をだに 着せかてに
かくや嘆かむ 為むすべをなみ  山上憶良

0826     万葉短歌0901 ShuC243 2013-0316-man0901

あらたへの ぬのきぬをだに きせかてに
  かくやなげかむ せむすべをなみ
山上憶良(やまのうへの おくら)=第63歌参照。
【編者注】「老身に病を重ね、経年辛苦し、児等を思ふに及(いた)る歌七首 長一首 短六首」の反歌の第四首。
【訓注】[真名仮名略対応]荒栲(あらたへ=麁妙)。着せ(きせ=伎世)。かて(難)。かくや(可久夜)。嘆かむ(なげかむ=歎敢)。


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