万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

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2022年08月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌0000 開肇献詠

訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
  さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

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万葉短歌4469 渡る日の4140

2022年08月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌4469 渡る日の4140

渡る日の 影に競ひて 尋ねてな
清きその道 またもあはむため  大伴家持

4140     万葉短歌4469 ShuJ680 2022-0830-man4469
 
□わたるひの かげにきほひて たづねてな
  きよきそのみち またもあはむため
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第177首。「臥病悲無常欲修道作歌二首」の第2短歌。4467、4470各左注参照。
【訓注】渡る日の 影に競ひて(わたるひの かげにきほひて=和多流日能 加気尓伎保比弖)[「時を惜しんで日夜勉め励むこと…」]。またもあはむため(末多母安波無多米)[「長短歌にいう佳き世佳き時代に再び出逢うために…」]


万葉短歌4468 うつせみは4139

2022年08月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌4468 うつせみは4139

うつせみは 数なき身なり 山川の
さやけき見つつ 道を尋ねな  大伴家持

4139     万葉短歌4468 ShuJ679 2022-0829-man4468
 
□うつせみは かずなきみなり やまかはの
  さやけきみつつ みちをたづねな
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第176首。題詞に、「臥病悲無常(むじゃうを かなしび)欲(おもひて)修道作歌二首」、その第1短歌(以下4470までの題詞重複については、依拠本に詳論)。4467、4470各左注参照。
【訓注】うつせみ(宇都世美)。山川(やまかは=夜麻加波)。さやけき(佐夜気吉)。


万葉短歌4467 剣大刀4138

2022年08月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌4467 剣大刀4138

剣大刀 いよよ磨ぐべし いにしへゆ
さやけく負ひて 来にしその名ぞ  大伴家持

4138     万葉短歌4467 ShuJ679 2022-0828-man4467
 
□つるぎたち いよよとぐべし いにしへゆ
  さやけくおひて きにしそのなぞ
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第175首。「喩族(うがらをさとす)歌一首 并短歌」の第2短歌。4467、4470各左注参照。
【訓注】剣大刀(つるぎたち=都流芸多知)。磨ぐ(とぐ=刀具)。いにしへゆ(伊尓之敝由)。さやけく(佐夜気久)。


万葉短歌4466 磯城島の4137

2022年08月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌4466 磯城島の4137

磯城島の 大和の国に 明らけき
名に負ふ伴の男 心つとめよ  大伴家持

4137     万葉短歌4466 ShuJ679 2022-0827-man4466

□しきしまの やまとのくにに あきらけき
  なにおふとものを こころつとめよ
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第174首。題詞(4465歌は長歌)に、「喩族(うがらをさとす)歌一首 并短歌」、その第1短歌。4467、4470各左注参照。「極端な言い方をすれば、これ〔(長短六首の歌群)〕は聖武天皇その人への挽歌…。」
【訓注】磯城島(しきしま=之奇志麻)。大和(やまと=夜末等)。


万葉短歌4464 ほととぎす4136

2022年08月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌4464 ほととぎす4136

ほととぎす 懸けつつ君が 松陰に
紐解き放くる 月近づきぬ  大伴家持

4136     万葉短歌4464 ShuJ676 2022-0826-man4464

□ほととぎす かけつつきみが まつかげに
  ひもときさくる つきちかづきぬ
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第172首。左注に、「右二首〔(天平勝宝八年(756)三月)〕廿日大伴宿祢家持依興作之」。
【訓注】ほととぎす(保等登芸須)[「家持は天平十三年、…二十四歳…以来、…時鳥を詠んで来た。〔この二首まで〕合わせて六四首。…この時、家持三十九歳」]。君(きみ=伎美)[「特定の人をさすのではない。…大伴池主や大原今城などが映像にあった…」]。月(つき=都奇)。


万葉短歌4463 ほととぎす4135

2022年08月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌4463 ほととぎす4135

ほととぎす まづ鳴く朝明 いかにせば
我が門過ぎじ 語り継ぐまで  大伴家持

4135     万葉短歌4463 ShuJ676 2022-0825-man4463

□ほととぎす まづなくあさけ いかにせば
  わがかどすぎじ かたりつぐまで
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第171首。次歌左注参照。
【訓注】ほととぎす(保等登芸須)。我が門過ぎじ(わがかどすぎじ=和我加度須疑自)[「我が家の門を素通りさせずにおけるだろうか」]。


万葉短歌4462 舟競ふ4134

2022年08月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌4462 舟競ふ4134

舟競ふ 堀江の川の 水際に
来居つつ鳴くは 都鳥かも  大伴家持

4134     万葉短歌4462 ShuJ670 2022-0824-man4462

□ふなぎほふ ほりえのかはの みなきはに
  きゐつつなくは みやこどりかも
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第170首。左注に、「右三首江辺(かはのへ にして)作之」。
【訓注】舟競ふ(ふなぎほふ=布奈芸保布)[01-0036(長歌)船競 夕河渡(ふなぎほひ ゆふかはわたる)]。堀江(ほりえ=保利江)。水際(みなきは=美奈伎波)。都鳥(みやこどり=美夜故杼里)[「カモメ科のユリカモメか」。集中に、ここだけ。依拠本注は、『伊勢物語』九段の<名にしおはば いざこと問はむ 都鳥(みやこどり) わが思ふ人は ありやなしやと>の先蹤をなす、と指摘]。


万葉短歌4461 堀江より4133

2022年08月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌4461 堀江より4133

堀江より 水脈さかのぼる 楫の音の
間なくぞ奈良は 恋しかりける  大伴家持

4133     万葉短歌4461 ShuJ670 2022-0823-man4461

□ほりえより みをさかのぼる かぢのおとの
  まなくぞならは こひしかりける
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第169首。4462左注参照。
【訓注】堀江(ほりえ=保里江)。水脈(みを=美乎)。楫(かぢ=梶)。奈良(なら=奈良)。


万葉短歌4460 堀江漕ぐ4132

2022年08月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌4460 堀江漕ぐ4132

堀江漕ぐ 伊豆手の舟の 楫つくめ
音しば立ちぬ 水脈早みかも  大伴家持

4132     万葉短歌4460 ShuJ670 2022-0822-man4460

□ほりえこぐ いづてのふねの かぢつくめ
  おとしばたちぬ みをはやみかも
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。以下三首、原文に作者名なし、依拠本に拠る。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第168首。題詞なしに、以下三首。4462左注参照。
【訓注】堀江(ほりえ=保利江)。伊豆手の舟(いづてのふね=伊豆手乃船)[「伊豆は良船の産地として聞こえていたらしい」。20-4336伊豆手夫祢(いづてぶね)]。楫つくめ(かぢつくめ=可治都久米)[「櫓の穴(へそ)をかぶせる舷の突起」。09-1540付目緘結跡(つくめむすぶと)」]。水脈(みを=美乎)。


万葉短歌4459 葦刈りに4131

2022年08月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌4459 葦刈りに4131

葦刈りに 堀江漕ぐなる 楫の音は
大宮人の 皆聞くまでに  大原今城

4131     万葉短歌4459 ShuJ664 2022-0821-man4459

□あしかりに ほりえこぐなる かぢのおとは
  おほみやひとの みなきくまでに
〇大原今城(おほはらの いまき)=20-4442歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第167首。「天平勝宝八歳***歌三首」の第3首。左注に、「右一首式部少丞(しきぶのせうじょう)大伴宿祢池主読之 即云兵部大丞(ひゃうぶのだいじょう)大原真人今城先日(さきつひに)他所(あたしところにして)読歌者也」。
【訓注】葦刈り(あしかり=蘆苅)。楫(かぢ=可治)。大宮人(おほみやひと=於保美也比等)。


万葉短歌4458 にほ鳥の4130

2022年08月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌4458 にほ鳥の4130

にほ鳥の 息長川は 絶えぬとも
君に語らむ 言尽きめやも  馬国人

4130     万葉短歌4458 ShuJ664 2022-0820-man4458

□にほどりの おきながかはは たえぬとも
  きみにかたらむ ことつきめやも
〇馬国人(うまの くにひと)=「河内国伎人郷〔(くれのさと、くれひとのさと)〕の人。」(『万葉集事典』)
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第166首。「天平勝宝八歳***歌三首」の第2首。擬答歌。左注に、「右一首主人散位寮散位馬史国人」。
【訓注】にほ鳥(にほどり=尓保杼里)[「水鳥のかいつぶり。水中に息(いき)長くもぐるので<息長>に懸けたもの」]。息長川(おきながかは=於吉奈我河波)[「滋賀県坂田郡伊吹町〔(2005年2月から米原市)〕の伊吹山に発して同郡近江町〔(2005年10月から米原市)〕で琵琶湖に注ぐ天野(あまの)川」]。


万葉短歌4457 住吉の4129

2022年08月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌4457 住吉の4129

住吉の 浜松が根の 下延へて
我が見る小野の 草な刈りそね  大伴家持

4129     万葉短歌4457 ShuJ664 2022-0819-man4457

□すみのえの はままつがねの したはへて
  わがみるをのの くさなかりそね
〇大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第165首。題詞に、「天平勝宝八歳丙申(ひのえさるの)〔(756)〕二月朔(つきたち)乙酉(きのととりの)廿四日戊申(つちのえさるに) 太上天皇大后幸行於河内離宮(かふちの とつみやに)〔(太上天皇=聖武、天皇=孝謙、皇大后=光明)〕 経信(ふたよあまり)以壬子(みづのえねをもちて)伝幸於難波宮也(いでます) 三月七日於河内国伎人郷(くれのさとの)馬国人之(うまのくにひとの)家宴(うたげする)歌三首」、その第1首。擬贈歌。左注に、「右一首兵部少輔大伴宿祢家持」。
【訓注】下延へて(したはへて=之多波倍弖)[「<下延ふ>は心の内にずっとしまいこんで思いつづける意で、人間だけを対象にする言葉」]。


万葉短歌4456 ますらをと4128

2022年08月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌4456 ますらをと4128

ますらをと 思へるものを 大刀佩きて
可尓波の田居に 芹ぞ摘みける  薩妙観

4128     万葉短歌4456 ShuJ660 2022-0818-man4456

□ますらをと おもへるものを たちはきて
  かにはのたゐに せりぞつみける
〇薩妙観(さつ めうくゎん)=第20-4438歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第164首。題詞に、「薩妙観命婦報贈歌一首」、左注に、「右二首左大臣読之云尓 左大臣是葛城王後賜橘姓(せいを)也」。擬答歌。
【訓注】ますらを(麻須良乎)。大刀(たち=多知)。可尓波(かには)[「京都府相楽郡〔(そうらぐん)〕山城町〔(2007年03月から木津川市)〕綺田(かばた)の地」。蟹を掛け、蟹満寺がある]。


万葉短歌4455 あかねさす4127

2022年08月17日 | 万葉短歌

2022-0817-man4455
万葉短歌4455 あかねさす4127

あかねさす 昼は田賜びて ぬばたまの
夜のいとまに 摘める芹これ  葛城王

4127     万葉短歌4455 ShuJ660 2022-0817-man4455

□あかねさす ひるはたたびて ぬばたまの
  よるのいとまに つめるせりこれ
〇葛城王(かづらきの おほきみ)=「天平八年(736)の十一月十一日に臣籍に下る以前の橘諸兄の名前」。第17-3922歌注参照。
【編者注】巻20(4293~4516、二百二十四首)の第163首。題詞に、「天平元年班田之時使葛城王従山背国贈薩妙観命婦〔(4438歌注参照)〕等所歌一首 副芹子褁(せりのつつみに そふ)」、次歌左注参照。擬贈歌。
【訓注】あかねさす(安可祢左須)。田賜びて(たたびて=多々婢弖)[「<賜(た)ぶ>は<賜(たま)ふ>の約」]。ぬばたまの(奴婆多麻乃)。