万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

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2021年07月31日 | 万葉短歌

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万葉短歌0000 開肇献詠

訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
□たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
  さまよひいらむ よろづはのもり
○悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

【2021年08月01日】2010年11月01開設から 38**日
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万葉短歌4050 めづらしき3760

2021年07月30日 | 万葉短歌

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万葉短歌4050 めづらしき3760

めづらしき 君が来まさば 鳴けと言ひし
山ほととぎす 何か来鳴かぬ  久米広縄

3760     万葉短歌4050 ShuI393 2021-0730-man4050

□めづらしき きみがきまさば なけといひし
  やまほととぎす なにかきなかぬ
○久米広縄(くめの ひろつな)=「天平19年〔(747)〕8月頃、大伴宿祢池主と交替した。」
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第19首。左注に、「右一首掾(じょう)久米朝臣広縄」。
【訓注】めづらしき(米豆良之伎)。山ほととぎす(やまほととぎす=夜麻保登等芸須)。


万葉短歌4049 おろかにぞ3759

2021年07月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌4049 おろかにぞ3759

おろかにぞ 我れは思ひし 乎布の浦の
荒磯の回り 見れど飽かずけり  田辺福麻呂

3759     万葉短歌4049 ShuI393 2021-0729-man4049

□おろかにぞ われはおもひし をふのうらの
  ありそのめぐり みれどあかずけり
○田辺福麻呂(たなべの さきまろ)=06-1048歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第18首。左注に、「右一首田辺史福麻呂」。
【訓注】おろか(於呂可)[集中に2か所。09-1740(長歌)愚人乃(おろかひとの)]。乎布の浦(をふのうら=乎不乃宇良)。


万葉短歌4048 垂姫の3758

2021年07月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌4048 垂姫の3758

垂姫の 浦を漕ぐ舟 楫間にも
奈良の我家を 忘れて思へや  大伴家持

3758     万葉短歌4048 ShuI393 2021-0728-man4048

□たるひめの うらをこぐふね かぢまにも
  ならのわぎへを わすれておもへや
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第17首。左注に、「右一首大伴家持」。姓(かばね)宿祢を欠くことについて、下記注。
【訓注】垂姫(たるひめ=多流比女)。奈良の我家(ならのわぎへ=奈良野和芸弊)[巻18に特殊仮名漢字が多くなるが、この<野>も本来の乙類ではなく甲類、と依拠本]。
【編者注-姓】巻18で作者の姓を欠くのは、ここと4076~79総記の「大伴家持」の2例だけ。「平安時代には、<姓>は社会的機能を失い、無用のものとなった」、と依拠本。


万葉短歌4047 垂姫の3757

2021年07月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌4047 垂姫の3757

垂姫の 浦を漕ぎつつ 今日の日は
楽しく遊べ 言ひ継ぎにせむ  土師

3757     万葉短歌4047 ShuI393 2021-0727-man4047

□たるひめの うらをこぎつつ けふのひは
  たのしくあそべ いひつぎにせむ
○土師(はにし)=「伝未詳」。左注に、「右一首遊行女婦土師(うかれめ はにし)」。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第16首。
【訓注】垂姫(たるひめ=多流比売)。今日の日(けふのひ=介敷乃日)。楽しく遊べ(たのしくあそべ=多努之久安曽敝)。


万葉短歌4046 神さぶる3756

2021年07月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌4046 神さぶる3756

神さぶる 垂姫の崎 漕ぎ回り
見れども飽かず いかに我れせむ  田辺福麻呂

3756     万葉短歌4046 ShuI393 2021-0726-man4046

□かむさぶる たるひめのさき こぎめぐり
  みれどもあかず いかにわれせむ
○田辺福麻呂(たなべの さきまろ)=06-1048歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第15首。題詞に、「至水海遊覧之時各述懐作歌」。左注に、「右一首田辺史福麻呂」。4046~51(6首)のあとの「左注」については、4051歌で言及予定。
【訓注】神さぶる(かむさぶる=可牟佐夫流)[集中に5か所]。垂姫の崎(たるひめのさき=多流比女能佐吉)[「今の氷見市大浦、堀田(ほりた)付近・・・」。19-4187(長歌)布勢乃海尓・・・乎布能浦尓 霞多奈妣伎 垂姫尓 藤浪咲而(ふせのうみに・・・をふのうらに かすみたなびき たるひめに ふぢなみさきて)]。


万葉短歌4045 沖辺より3755

2021年07月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌4045 沖辺より3755

沖辺より 満ち来る潮の いや増しに
我が思ふ君が 御船かもかれ  大伴家持

3755     万葉短歌4045 ShuI389 2021-0725-man4045

□おきへより みちくるしほの いやましに
  あがもふきみが みふねかもかれ
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。巻18で作者名のないのは44~45の2首だけ。依拠本にしたがう。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第14首。
【訓注】沖辺より(おきへより=於伎敝欲里)。潮(しほ=之保)。我が思ふ君(あがもふきみ=安我毛布支見)。かれ(加礼)[遠称指示代名詞の後置]。


万葉短歌4044 浜辺より3754

2021年07月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌4044 浜辺より3754

浜辺より 我が打ち行かば 海辺より
迎へも来ぬか 海人の釣舟  大伴家持

3754     万葉短歌4044 ShuI389 2021-0724-man4044

□はまへより わがうちゆかば うみへより
  むかへもこぬか あまのつりぶね
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。巻18で作者名のないのは44~45の2首だけ。依拠本にしたがう。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第13首。題詞に、「廿五日徃(ゆくに)布勢水海道中馬上口号(くちずさぶ)二首」。
【訓注】浜辺より(はまへより=波万へ余里)[下記注]。海辺より(うみへより=宇美辺欲利)。海人(あま=安麻)。釣舟(つりぶね=都里夫祢)。
【編者注-へ】原文に平仮名が出現するのは、依拠本原稿で初。底本(西本願寺本)は「波萬部」だが、諸事情によりここは元暦本の「波萬へ」に拠る、と依拠本著者。詳細は依拠本参照。


万葉短歌4043 明日の日の3753

2021年07月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌4043 明日の日の3753

明日の日の 布勢の浦みの 藤波に
けだし来鳴かず 散らしてむかも  大伴家持

3753     万葉短歌4043 ShuI372 2021-0723-man4043

□あすのひの ふせのうらみの ふぢなみに
  けだしきなかず ちらしてむかも
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第12首。左注に、「右一首大伴宿祢家持和之(こたふ) 前件十首歌者廿四日宴作之」。
【訓注】明日の日(あすのひ=安須能比)。布勢の浦(ふせのうら=敷勢能宇良)。藤波(ふぢなみ=布治奈美)。けだし(気太之)[「あるいは、もしや、の意だが、ここではおそらくというに近い」]。


万葉短歌4042 藤波の3752

2021年07月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌4042 藤波の3752

藤波の 咲きゆく見れば ほととぎす
鳴くべき時に 近づきにけり  田辺福麻呂

3752     万葉短歌4042 ShuI372 2021-0722-man4042

□ふぢなみの さきゆくみれば ほととぎす
  なくべきときに ちかづきにけり
○田辺福麻呂(たなべの さきまろ)=06-1048歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第11首。左注に、「右五首田辺史福麻呂
」。
【訓注】藤波(ふぢなみ=敷治奈美)。ほととぎす(保等登芸須)。


万葉短歌4041 梅の花3751

2021年07月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌4041 梅の花3751

梅の花 咲き散る園に 我れ行かむ
君が使を 片待ちがてら  田辺福麻呂

3751     万葉短歌4041 ShuI372 2021-0721-man4041

□うめのはな さきちるそのに われゆかむ
  きみがつかひを かたまちがてら
○田辺福麻呂(たなべの さきまろ)=06-1048歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第10首。
【編者注-がてら】<接助。上に付く語の動作を行う意を表す。(『詳説古語辞典』)> ここでの原文は<我底良>。集中での用例はほかに、19-4156(長歌)吾妹子我 可多見我氐良等(わぎもこが かたみがてらと)、だけ。<片待ち>は、<心を片方に寄せて(ひたすら)待つ>で、1200、1713、1900、既出(集中、計4か所)。
【原文】18-4041  宇梅能波奈 佐伎知流曽能尓 和礼由可牟 伎美我都可比乎 可多麻知我底良  田辺福麻呂


万葉短歌4040 布勢の浦を3750

2021年07月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌4040 布勢の浦を3750

布勢の浦を 行きてし見てば ももしきの
大宮人に 語り継ぎてむ  田辺福麻呂

3750     万葉短歌4040 ShuI372 2021-0720-man4040

□ふせのうらを ゆきてしみてば ももしきの
  おほみやひとに かたりつぎてむ
○田辺福麻呂(たなべの さきまろ)=06-1048歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第9首。
【訓注】布勢の浦(ふせのうら=布勢能宇良)。ももしきの(毛母之綺能)[01-0029百磯城之 大宮処(ももしきの おほみやところ)、-0036百磯城乃 大宮人者(ももしきの おほみやひとは)、02-0156百磯城乃 大宮人者、以上各長歌、など20か所]。


万葉短歌4039 音のみに3749

2021年07月19日 | 万葉短歌

2021-0719-man4039
万葉短歌4039 音のみに3749

音のみに 聞きて目に見ぬ 布勢の浦を
見ずは上らじ 年は経ぬとも  田辺福麻呂

3749     万葉短歌4039 ShuI372 2021-0719-man4039

□おとのみに ききてめにみぬ ふせのうらを
  みずはのぼらじ としはへぬとも
○田辺福麻呂(たなべの さきまろ)=06-1048歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第8首。
【訓注】音(おと=於等)。目(め)。布勢の浦(ふせのうら=布勢能宇良)。上らじ(のぼらじ=能保良自)[「福麻呂が帰京を間近にしている・・・」]。年(とし=等之)。


万葉短歌4038 玉櫛笥3748

2021年07月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌4038 玉櫛笥3748

玉櫛笥 いつしか明けむ 布勢の海の
浦を行きつつ 玉も拾はむ  田辺福麻呂

3748     万葉短歌4038 ShuI372 2021-0718-man4038

□たまくしげ いつしかあけむ ふせのうみの
  うらをゆきつつ たまもひろはむ
○田辺福麻呂(たなべの さきまろ)=06-1048歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第7首。4042左注に、「右五首田辺史福麻呂」。
【訓注】玉櫛笥(たまくしげ=多麻久之気)。布勢の海(ふせのうみ=布勢能宇美)。浦(うら=宇良)。玉(たま=多麻)。


万葉短歌4037 乎布の崎3747

2021年07月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌4037 乎布の崎3747

乎布の崎 漕ぎた回り ひねもすに
見とも飽くべき 浦にあらなくに  大伴家持

3747     万葉短歌4037 ShuI372 2021-0717-man4037

□をふのさき こぎたもとほり ひねもすに
  みともあくべき うらにあらなくに
○大伴家持(おほともの やかもち)=03-0403歌注参照。
【編者注】巻18(4032~4138、百七首)の第6首。左注に、「右一首守大伴宿祢家持」。
【訓注】乎布の崎(をふのさき=乎敷乃佐吉)[「布勢の海の東南にあった岬。氷見市窪、園あたりという」]。た回り(たもとほり=多母等保里)[<た>は接頭語]。ひねもすに(比祢毛須尓)[<終日>。ほかに、09-1755(長歌)終日 雖喧聞吉(ひねもすに なけどききよし)、だけ]。見とも(みとも=美等母)[<とも>は、江戸期以後<ても>(『詳説古語辞典』)]。