万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

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2019年02月21日 | 万葉短歌

2010-1101-man0000
万葉短歌0000 開肇献詠
 
訪ぬれば いづれか見ゆる ことなれば
さまよひ入らむ よろづ葉の森  悠山人
 
0000     万葉短歌0000 ShuA000 2010-1101-man0000
 
たづぬれば いづれかみゆる ことなれば
 さまよひいらむ よろづはのもり
悠山人(ゆうさんじん)。
 
    =万葉短歌 開肇献詠=

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万葉短歌3098 おのれゆゑ2910

2019年02月20日 | 万葉短歌

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万葉短歌3098 おのれゆゑ2910

おのれゆゑ 罵らえて居れば 青馬の
面高夫駄に 乗りて来べしや  

2910     万葉短歌3098 ShuF682 2019-0220-man3098

おのれゆゑ のらえてをれば あをうまの
  おもだかぶだに のりてくべしや
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第135首。女。左注(読下し)に、「右の一首は、平群文屋朝臣益人(へぐりふみやのあそみますひと)伝へて云はく、<昔聞くならく、紀皇女(きのひめみこ) 窃(ひそ)かに高安王(たかやすのおほきみ)に嫁(とつ)ぎて嘖(ころ)はえたりし時に、此の歌を作らす>といふ。ただし、高安王は左降せらえ、伊予国守に任(ま)けらゆ。」
【訓注】おのれ(於能礼)。罵らえて(のらえて=所詈而)。青馬(あをうま=𩣭馬)。面高夫駄(おもだかぶだ)[「間(ま)の悪い時に乗りこんで来た男をとがめるあまりに、馬までが大きな顔をしていると見たもの。」]


万葉短歌3097 さ桧の隈2909

2019年02月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌3097 さ桧の隈2909

さ桧の隈 桧の隈川に 馬留め
馬に水飼へ 我れ外に見む  

2909     万葉短歌3097 ShuF682 2019-0219-man3097

さひのくま ひのくまがはに うまとどめ
  うまにみづかへ われよそにみむ
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第134首。女。
【訓注】さ桧の隈 桧の隈川(さひのくま ひのくまがは=左桧隈 桧隈河)[「奈良県高市〔(たかいち)〕郡の西部を北流する川で、曽我川(3087)の上流。」 07-1109佐桧乃熊 桧隈川之(さひのくま ひのくまがはの)]。我れ外に(われよそに=吾外)。


万葉短歌3096 馬柵越しに2908

2019年02月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌3096 馬柵越しに2908

馬柵越しに 麦食む駒の 罵らゆれど
なほし恋しく 思ひかねつも  

2908     万葉短歌3096 ShuF682 2019-0218-man3096

うませごしに むぎはむこまの のらゆれど
  なほしこひしく おもひかねつも
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第133首。女。
【訓注】馬柵(うませ=柜楉)[下記注]。麦食む(むぎはむ=麦咋)。罵る(のる=詈)。なほし(猶)。
【編者注-うませ】「馬柵・馬塞。馬を囲ってある柵(さく)。」(『詳説古語辞典』) また、『漢典』によると、柜(1)[gui 4]”櫃”と同義、柜(2)[ju 3]”柜柳”と同義、楉[ruo 4]は”石榴”。


万葉短歌3095 朝烏2907

2019年02月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌3095 朝烏2907

朝烏 早くな鳴きそ 我が背子が
朝明の姿 見れば悲しも  

2907     万葉短歌3095 ShuF676 2019-0217-man3095

あさがらす はやくななきそ わがせこが
  あさけのすがた みればかなしも
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第132首。女。
【訓注】朝烏(あさがらす)[「からす」の出現か所は、このほかに07-1263夜烏(よがらす)、14-3521可良須等布(からすとふ)、16-3856喫烏(はむからす)]。


万葉短歌3094 物思ふと2906

2019年02月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌3094 物思ふと2906

物思ふと 寐寝ず起きたる 朝明には
わびて鳴くなる 庭つ鳥さへ  

2906     万葉短歌3094 ShuF676 2019-0216-man3094

ものもふと いねずおきたる あさけには
  わびてなくなる にはつとりさへ
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第131首。男。
【訓注】物思(ものもふ=物念)。寐寝ず(いねず=不宿)。朝明(あさけ=旦開)。わびて(和備弖)。庭つ鳥(にはつとり=鶏)。
【類想歌】11-2465 我背児尓 吾恋居者 吾屋戸之 草佐倍思 浦乾来  作者未詳
             (わがせこに あがこひをれば わがやどの くささへおもひ うらぶれにけり)


万葉短歌3093 小竹の上に2905

2019年02月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌3093 小竹の上に2905

小竹の上に 来居て鳴く鳥 目を安み
人妻ゆゑに 我れ恋ひにけり  

2905     万葉短歌3093 ShuF676 2019-0215-man3093

しののうへに きゐてなくとり めをやすみ
  ひとづまゆゑに あれこひにけり
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第130首。男。
【訓注】小竹(しの)[02-0133小竹之葉者(ささのはは)、07-1349小竹尓不有九二(しのにあらなくに)、-1350八橋乃小竹乎(やばせのしのを)、ほか]。人妻(ひとづま)[下記注]。我れ(あれ=吾)。
【編者注-ひとづま】01-0021人嬬、04-0517人妻、09-1759(長歌)他妻、10-1999人妻、-2296人妻、11-2365人妻、12-2866人妻、-2909人妻、-3093人妻、-3115人妻、13-3314(長歌)人都末、14-3472比登豆麻、-3539比等豆麻、-3541比登豆麻、-3557比登都麻。


万葉短歌3092 白真弓2904

2019年02月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌3092 白真弓2904

白真弓 斐太の細江の 菅鳥の
妹に恋ふれか 寐を寝かねつる  

2904     万葉短歌3092 ShuF676 2019-0214-man3092

しらまゆみ ひだのほそえの すがとりの
  いもにこふれか いをねかねつる
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第129首。男。
【訓注】白真弓(しらまゆみ=白檀)。斐太(ひだ)[所在未詳。07-1173斐太、-2648斐太、16-3844斐太]。菅鳥(すがとり)[ここだけ。管鳥(つつどり)・鴛鴦(おしどり)などの説がある。(『詳説古語辞典』]。寐を寝かねつる(いをねかねつる=寐宿金鶴)。


万葉短歌3091 鴨すらも2903

2019年02月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌3091 鴨すらも2903

鴨すらも おのがつまどち あさりして
後るる間に 恋ふといふものを  

2903     万葉短歌3091 ShuF676 2019-0213-man3091

かもすらも おのがつまどち あさりして
  おくるるあひだに こふといふものを
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第128首。女。
【訓注】鴨すらも(かもすらも=鴨尚毛)。おのがつまどち(己之妻共)。あさり(求食)。
【類想歌】03-0390  軽池之 汭回徃転留 鴨尚尓 玉藻乃於丹 独宿名久二  紀皇女
              (かるのいけの うらみゆきみる かもすらに たまものうへに ひとりねなくに)


万葉短歌3090 葦辺行く2902

2019年02月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌3090 葦辺行く2902

葦辺行く 鴨の羽音の 音のみに
聞きつつもとな 恋ひわたるかも  

2902     万葉短歌3090 ShuF676 2019-0212-man3090

あしへゆく かものはおとの おとのみに
  ききつつもとな こひわたるかも
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第127首。女。
【訓注】葦辺(あしへ)。音(おと=声)。聞きつつもとな(ききつつもとな=聞管本名)。恋わたるかも(こひわたるかも=恋度鴨)。
【類想歌】03-0390  軽池之 汭回徃転留 鴨尚尓 玉藻乃於丹 独宿名久二  紀皇女
              (かるのいけの うらみゆきみる かもすらに たまものうへに ひとりねなくに)


万葉短歌3089 遠つ人2901

2019年02月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌3089 遠つ人2901

遠つ人 猟道の池に 棲む鳥の
立ちても居ても 君をしぞ思ふ  

2901     万葉短歌3089 ShuF676 2019-0211-man3089

とほつひと かりぢのいけに すむとりの
  たちてもゐても きみをしぞおもふ
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第126首。女。
【訓注】遠つ人(とほつひと=遠津人)。猟道(かりぢ)[獦道]。棲む鳥(すむとり=住鳥)。立ちても居ても(たちてもゐても=立毛居毛)[04-0568立毛居毛]。


万葉短歌3088 恋衣2900

2019年02月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌3088 恋衣2900

恋衣 着奈良の山に 鳴く鳥の
間なく時なし 我が恋ふらくは  

2900     万葉短歌3088 ShuF676 2019-0210-man3088

こひごろも きならのやまに なくとりの
  まなくときなし あがこふらくは
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第125首。女。
【訓注】恋衣(こひごろも)[ここだけの用字・訓]。着奈良(きなら=著楢)。我が恋ふらくは(あがこふらくは=吾恋良苦者)。


万葉短歌3087 ま菅よし2899

2019年02月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌3087 ま菅よし2899

ま菅よし 宗我の川原に 鳴く千鳥
間なし我が背子 我が恋ふらくは  

2899     万葉短歌3087 ShuF676 2019-0209-man3087

ますげよし そがのかはらに なくちどり
  まなしわがせこ あがこふらくは
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第124首。女。
【訓注】ま菅(ますげ=真菅)。宗我の川原(そがのかはら=宗我乃河原)[「奈良県御所(ごせ)市から樫原市を経て大和川に注ぐ曽我川の川原」]。我が背子(わがせこ=吾背子)。我が恋ふらくは(あがこふらくは=吾恋者)。


万葉短歌3086 なかなかに2898

2019年02月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌3086 なかなかに2898

なかなかに 人とあらずは 桑子にも
ならましものを 玉の緒ばかり  

2898     万葉短歌3086 ShuF674 2019-0208-man3086

なかなかに ひととあらずは くはこにも
  ならましものを たまのをばかり
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第123首。女。
【訓注】なかなかに(中々二)。桑子(くはこ)[「蚕(かいこ、飼い子)」。集中ここだけ]。


万葉短歌3085 朝影に2897

2019年02月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌3085 朝影に2897

朝影に 我が身はなりぬ 玉かぎる
ほのかに見えて 去にし子ゆゑに  

2897     万葉短歌3085 ShuF671 2019-0207-man3085

あさかげに あがみはなりぬ たまかぎる
  ほのかにみえて いにしこゆゑに
=出典未詳。
【編者注】「寄物陳思」(2964-3100、137首)の第122首。男。
【訓注】我が身(あがみ=吾身)。玉かぎる(たまかぎる=玉蜻)。ほのかに(髣髴)。
【類歌】11-2394 朝影 吾身成 玉垣入 風所見 去子故  柿本人麻呂歌集
            (あさかげに あがみはなりぬ たまかきる ほのかにみえて いにしこゆゑに)