万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌1711 百伝ふ1570

2015年04月30日 | 万葉短歌

2015-0430-man1711
万葉短歌1711 百伝ふ1570

百伝ふ 八十の島みを 漕ぎ来れど
粟の小島は 見れど飽かぬかも  柿本人麻呂

1570     万葉短歌1711 ShuE095 2015-0430-man1711

ももづたふ やそのしまみを こぎくれど
  あはのこしまは みれどあかぬかも

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名はないが、09-1711 歌左注「或」による。
【編者注】「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第48首。左注読下しに、「右の二首は、或いは<柿本朝臣人麻呂が作>といふ。」
【訓注】百伝ふ(ももづたふ=百伝)[07-1399歌に「百伝八十島回」]。島み(しまみ=島回)。漕ぎ(こぎ=榜)。粟の小島(あはのこしま=粟小島)[山口県東南の粟島?]。


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万葉短歌1710 我妹子が1569

2015年04月29日 | 万葉短歌

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万葉短歌1710 我妹子が1569

我妹子が 赤裳ひづちて 植ゑし田を
刈りて収めむ 倉無の浜  柿本人麻呂

1569     万葉短歌1710 ShuE094 2015-0429-man1710

わぎもこが あかもひづちて うゑしたを
  かりておさめむ くらなしのはま

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名はないが、09-1711 歌左注「或」による。
【編者注】「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第47首。
【訓注】我妹子(わぎもこ=我妹児)。ひづちて(埿塗而)[02-0194歌(長歌)に「玉裳者埿打(たまもはひづち)」、-0230歌(長歌)に「衣埿漬而(ころもひづちて)、03-0475歌(長歌)に「埿打雖泣(ひづちなく)」]。倉無の浜(くらなしのはま=倉無之浜)[大分県中津市角木海岸?]。


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万葉短歌1709 御食向ふ1568

2015年04月28日 | 万葉短歌

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万葉短歌1709 御食向ふ1568

御食向ふ 南淵山の 巌には
降りしはだれか 消え残りたる  柿本人麻呂

1568     万葉短歌1709 ShuE092 2015-0428-man1709

みけむかふ みなぶちやまの いはほには
  ふりしはだれか きえのこりたる

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】題詞は「献弓削皇子歌一首」。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第46首。左注読下しに、「右は、柿本朝臣人麻呂が歌集に出づるところなり。」
【訓注】御食(みけ)[貴人食用蜷(みな)に南(みな)を掛ける]。南淵山(みなぶちやま)[明日香村、飛鳥川上流の山、07-1330歌参照]。降りしはだれ(ふりしはだれ=落波太列)[薄雪、08-1420歌では「薄太礼」]。


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万葉短歌1708 春草を1567

2015年04月27日 | 万葉短歌

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万葉短歌1708 春草を1567

春草を 馬咋山ゆ 越え来なる
雁の使は 宿り過ぐなり  柿本人麻呂

1567     万葉短歌1708 ShuE091 2015-0427-man1708

はるくさを うまくひやまゆ こえくなる
  かりのつかひは やどりづぐなり

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】題詞は「泉河辺作歌一首」。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第45首。
【訓注】咋山(くひやま)[京都府京田辺市飯岡辺、泉川(木津川)西岸]。雁の使(かりのつかひ=鴈使)[ここは初雁]。


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万葉短歌1707 山背の1566

2015年04月26日 | 万葉短歌

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万葉短歌1707 山背の1566

山背の 久世の鷺坂 神代より
春は萌りつつ 秋は散りけり  柿本人麻呂

1566     万葉短歌1707 ShuE089 2015-0426-man1707

やましろの くせのさぎさか かみよより
  はるははりつつ あきはちりけり

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】題詞は「鷺坂作歌一首」。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第44首。
【訓注】山背の(やましろの=山代)。久世の鷺坂(くせのさぎさか=久世乃鷺坂)[京都府久世(くぜ)郡・城陽市辺。09-1687歌参照]。春は萌りつつ(はるははりつつ=春者張乍)[「張」は「芽が萌(は)る」]。


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万葉短歌1706 ぬばたまの1565

2015年04月25日 | 万葉短歌

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万葉短歌1706 ぬばたまの1565

ぬばたまの 夜霧は立ちぬ 衣手を
高屋の上に たなびくまでに  舎人皇子

1565     万葉短歌1706 ShuE086 2015-0425-man1706

ぬばたまの よぎりはたちぬ ころもでを
  たかやのうへに たなびくまでに

舎人皇子(とねりの みこ)=01-0117 歌参照。歌は 01-0117、09-1684、-1706 の三首。
【編者注】題詞は「舎人皇子御歌一首」。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第43首。
【訓注】ぬばたまの(黒玉)。たなびくまでに(霏霺麻天尓)[下記注]。
【編者注-霏霺】読下し「たなびく」の原文。集中では 03-0429、09-1706、10-1812、-1814、-1815、-1816、-1817 の7歌に出現。そのうち3例目以後はすべて「霞霏霺」。霏は雨などが激しく降る、霺は、中国語電網「漢典」(http://www.zdic.net/z/27/js/973A.htm)に、「古同“溦”,小雨。」現代中国語の発音(漢典)は feiwei 11。日本語辞書には霏微(ひび)などと載る。


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万葉短歌1705 冬こもり1564

2015年04月24日 | 万葉短歌

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万葉短歌1705 冬こもり1564

冬こもり 春へを恋ひて 植ゑし木の
実になる時を 片待つ我れぞ  柿本人麻呂

1564     万葉短歌1705 ShuE083 2015-0424-man1705

ふゆこもり はるへをこひて うゑしきの
  みになるときを かたまつわれぞ

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】「献舎人皇子歌二首」の第2首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第42首。
【訓注】こもり(木成)。春へを恋ひて(はるへをこひて=春部恋而)。我れ(われ=吾等)[依拠本引用に「人麻呂が一座の人びとを代表してうたった」]。


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万葉短歌1704 ふさ手折り1563

2015年04月23日 | 万葉短歌

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万葉短歌1704 ふさ手折り1563

ふさ手折り 多武の山霧 繁みかも
細川の瀬に 波の騒ける  柿本人麻呂

1563     万葉短歌1704 ShuE083 2015-0423-man1704

ふさたをり たむのやまぎり しげみかも
  ほそかはのせに なみのさわける

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】題詞は「献舎人皇子歌二首」、その第1首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第41首。
【訓注】ふさ(捄)。多武(たむ)[奈良県桜井市南部の多武峰(とうのみね)]。繁み(しげみ=茂)。細川(ほそかは)[多武峰から飛鳥川へ合流する川]。騒ける(さわける=驟祁留)。


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万葉短歌1703 雲隠り1562

2015年04月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌1703 雲隠り1562

雲隠り 雁鳴く時は 秋山の
黄葉片待つ 時は過ぐとも  柿本人麻呂

1562     万葉短歌1703 ShuE080 2015-0422-man1703

くもがくり かりなくときは あきやまの
  もみちかたまつ ときはすぐとも

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】「献弓削皇子歌三首」の第3首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第40首。
【訓注】雲隠り(くもがくり=雲隠)。雁(かり=鴈)。黄葉(もみち)。時は過ぐとも(ときはすぐとも=時者雖過)。


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万葉短歌1702 妹があたり1561

2015年04月21日 | 万葉短歌

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万葉短歌1702 妹があたり1561

妹があたり 繁き雁が音 夕霧に
来鳴きて過ぎぬ すべなきまでに  柿本人麻呂

1561     万葉短歌1702 ShuE080 2015-0421-man1702

いもがあたり しげきかりがね ゆふぎりに
  きなきてすぎぬ すべなきまでに

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】「献弓削皇子歌三首」の第2首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第39首。
【訓注】繁き雁が音(しげきかりがね=茂刈音)。すべなきままに(及乏)。


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万葉短歌1701 さ夜中と1560

2015年04月20日 | 万葉短歌

2015-0420-man1701
万葉短歌1701 さ夜中と1560

さ夜中と 夜は更けぬらし 雁が音の
聞こゆる空ゆ 月渡る見ゆ  柿本人麻呂

1560     万葉短歌1701 ShuE080 2015-0420-man1701

さよなかと よはふけぬらし かりがねの
  きこゆるそらゆ つきわたるみゆ

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】題詞は「献弓削皇子歌三首」、その第1首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第38首。
【訓注】さ夜中(さよなか=佐宵中)。夜は更けぬ(よはふけぬ=夜者深去)。雁が音の(かりがねの=鴈音)。月渡る見ゆ(つきわたるみゆ=月渡見)。


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万葉短歌1700 秋風に1559

2015年04月19日 | 万葉短歌

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万葉短歌1700 秋風に1559

秋風に 山吹の瀬の 鳴るなへに
天雲翔る 雁に逢へるかも  柿本人麻呂

1559     万葉短歌1700 ShuE078 2015-0419-man1700

あきかぜに やあぶきのせの なるなへに
  あまくもかける かりにあへるかも

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】「宇治河作歌二首」の第2首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第37首。
【訓注】秋風に(あきかぜに=金風)[01-0007歌に「秋の野(あきのの=金野)」]。なるなへに(響苗)。天雲翔る(あまくもかける=天雲翔)。雁(かり=鴈)。


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万葉短歌1699 巨椋の1558

2015年04月18日 | 万葉短歌

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万葉短歌1699 巨椋の1558

巨椋の 入江響むなり 射目人の
伏見が田居に 雁渡るらし  柿本人麻呂

1558     万葉短歌1699 ShuE078 2015-0418-man1699

おほくらの いりえとよむなり いめひとの
  ふしみがたゐに かりわたるらし

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】題詞は「宇治河作歌二首」、その第1首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第36首。
【訓注】巨椋(おほくら)[京都府宇治市西にあった巨大な池、現在の読みは「おぐら」。09-1688歌注参照]。響む(とよむ=響)。射目人(いめひと)。田居(たゐ=田井)。雁(かり=鴈)。


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万葉短歌1698 あぶり干す1557

2015年04月17日 | 万葉短歌

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万葉短歌1698 あぶり干す1557

あぶり干す 人もあれやも 家人の
春雨すらを 間使にする  柿本人麻呂

1557     万葉短歌1698 ShuE075 2015-0417-man1698

あぶりほす ひともあれやも いへひとの
  はるさめすらを まつかひにする

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】「名木河作歌三首」の第3首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第35首。
【訓注】あぶり干す(あぶりほす=焱干)。人もあれやも(ひともあれやも=人母在八方)。家人の(いへひとの=家人)。間使(まつかひ)[下記注]。
【編者注-間使】依拠本の読みは「まつかひ」、釈は「恋の消息などを携えて男女の間を往復する使い。」 古語辞典の見出しは「まづかひ(間使ひ)」、釈は「人と人との間を往来し、消息などを伝える使い。」(三省堂詳説古語辞典)


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万葉短歌1697 家人の1556

2015年04月16日 | 万葉短歌

2015-0416-man1697
万葉短歌1697 家人の1556

家人の 使にあらし 春雨の
避くれど我れを 濡らさく思へば  柿本人麻呂

1556     万葉短歌1697 ShuE075 2015-0416-man1697

いへひとの つかひにあらし はるさめの
  さくれどわれを ぬらさくおもへば

柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)=原文に作者名なし。09-1709 歌左注参照。
【編者注】「名木河作歌三首」の第2首。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第34首。
【訓注】家人の(いへひとの=家人)。使ひに(つかひに=使)。春雨(はるさめ)。我れ(われ=吾)。濡らさく(ぬらさく=沾)。


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