※ 今回はギターの話です。ZUYAに興味のない方、ギターに興味のない方は 『 スキップ・ボタン 』 をどうぞ~ (んなボタンあったっけ...)
長ったらしいタイトルだが、ZUYAが大切にしているギターの一つの名である
このギターだけは何があっても手放してはいけないし、“私とどっちが大切なのよ!”と尾野真千子...いやいやどんなに素敵な女性に言われても迷うことなく“ギター”と答えざるを得ないであろう。これはあらゆる意味で特別なギターなんですよね。このギターを手放すときは“音楽を辞める時”といっても過言ではないぐらいにね
Greco The 30th Anniversary Z-3000
次々とギター・ヒーローたちがシーンに登場し、世界中のキッズがギターに夢中になった60年代から80年代。我が国・日本でも同様に(良識ある)親御さんたちから“不良の道具”だとか何とか“いちゃもん”をつけられながらも、そのかっこ良さに熱中したわけです。日本にも楽器メーカーは当時から多く存在し、その中でも今回は、 『 コピーはグレコ 』 と言うキャッチフレーズもあった Greco (神田商会)のことを少々書こうかと。
そのキャッチフレーズの通り、ギブソン、フェンダー、グレッチ、リッケンバッカー等など挙げると切りがないほど続々とコピー商品を製造。実は外見だけでなくその作りも評価が高いものが多く、後にグレッチ、アンペグ、ゼマイティスなどは“本物のブランド”も手がけることに... (ZUYA個人的にはそれらに対する評価は低いですが...)。
グレコのオールド(ヴィンテージとも言いますが)は中古市場で時々見かけますがなかなかな良い値がついていますね。敢えて Greco にこだわるプロのミュージシャンも少なくないですからね。格言うZUYAも、先日泣く泣く売ってしまったGibson ES-335 の代役は国産のヴィンテージをと考えています
ちなみにZUYAが初めて買った楽器は、Grecoのバイオリンベースでした
そしてその Greco が自社の“30周年記念モデル”として製作したのがZ-3000、通称グレコの“Z”。
当時の広告です~
元ネタは当時は知る人ぞ知る、イギリスのハンドメイドのギター、Zemaitis (ゼマイティス)。フェイセズにいた頃のロン・ウッドやロニー・レインがトニー・ゼマイティス氏に特別に作ってもらって以降、ミュージシャンの間で広まって行きました。オーダーで一本300万円ぐらいからだったと記憶しています
でもこれは定価30万円(笑)。でも Greco で30万円ですよ~! (現在は Greco からも高額なものが出ています)。でもねぇ、これの何が凄いかって皆さん、わかりますか?
長い年月と評価の高いコピー商品だけでなく自社オリジナル製品の地位も確立したメーカーが、自社の創立記念モデルに“コピー・モデル”ですよ~、“コピー・モデル”!! これは“しょせんコピー”だと馬鹿にするどころか、もうその“生き様”に驚愕してしまいます
1990年に300本限定で作られて販売されましたが、なぜかいろいろな広告で新品なのに“半値”ほどで売られていた記憶があります。当時はZUYAはまだギターに関して専門的な知識がなかったのですが、後年そのギターが欲しくなり探し始めていろいろな情報が入ってきました。
“なぜ半値だったか?”と言うと先述したように 『 自社の創立記念モデル 』 と言う一発入魂の作品(商品?)であるにも関わらず、塗装が乾かないうちに専用ハードケースに入れて出荷してしまい、ケース内部の素材と相性が悪く塗装が剥げてしまうと言う大失態があったようです。もちろんZUYAの物も新品で購入しましたがその塗装欠けがあります
結局、専用のカッコいい 『 型落としケース(ギターのシェイプ通りにカポッとはまるヤツです~) 』 であるにも関わらず、一度“害の無い”素材の袋に全体を入れてからケースに収納しないといけないと言う手間の掛かるスタイルになっています
ZUYAは23歳の頃に東京まで来たりしてこのギターを探したのですが、ラッキーなことに四国の高松にあるその名も“The楽器屋たかまつ”さんが広告に載せていたのを発見、即電話・即買いしました。ZUYAが店員さんに状態を聞くと、
『 実は...新品なんです... 』
『 え!? なぜ? 』
店員の説明では倉庫に長く眠ってて誰も気付かなかったそうで
※ その信頼性から同店で後年 Fender U.S.A. 40th Anniversary 1954 Storatocaster を購入しました(これは悲しいぐらい鳴りません...)
簡単に仕様を説明すると
ボディ:マホガニー
ネック:メイプル
フィンガー・ボード:エボニー
ピックアップは当時グレコ自慢のスクリーマーが3発。その切り替えはプッシュ式のボタン・スイッチ(なぜかこのスイッチ、近年の量産ゼマイティスには採用されない...)。コントロールは怒涛の3ヴォリュームに3トーンにさらにマスターヴォリューム付きとほとんどメカである(笑)。最も特筆すべきはやはりボディトップのディスクに施された 『 中世の海図 』 。もうたまりませんなぁ
ちゃんと彫ってあるんですよね~
ただ一つ理解不能なのが、“なんでロックピン仕様!?”。こんなところでお金かけなくてもね...
ここで Greco もゼマイティスとの関わりを止めておいて欲しかったのに、後年トニー・ゼマイティス氏の死後(ちゃんと?)ライセンスを取り大量生産を始めるとは...
もちろん判断は使用する本人することですが、“本物は本物”、“コピーは100本あってもコピー”です。以前吉祥寺のヴィンテージ・ギターズの御大に言われました(最近ご無沙汰しております...)
長い年月この“Z”について語り合える人間がいなかったのだが、数年前に知り合った神保町のカレー屋のオーナーが念願叶って近年に購入。彼は“実用ありき”で色々と改造を施しているようだが(本来楽器はそうあるのだろう)、ZUYAは骨董品扱い(笑)
昨日、このギターの“活かし方”について意見を交換したが、スライド・ギター以外に使えるのかなぁと。ZUYAも当初から近年のロン・ウッドのようにスライドに使用するため購入後すぐ太めの弦を張り弦高も高めにセッティング以来一切いじっていない。でもロン・ウッドは70~80年代にかけてはレギュラー・チューニングでも使っていたからねぇ。(ってこっちはコピー商品なのだが...)
まぁ長くだらだらと書きましたが、私は愛してます。このギターを~