秋田県の能代市方面の幾つかの町に写真を撮りに行った。すべて何度か行っている場所だ。同様に何度か入ったことのある食堂でランチを食べようと思ったら、その店は廃業していた。だからGoogleマップで調べた店に行くことにした。移動経路にあるからだ。それが今回の写真である。肝は「異様な量」である。僕は食べ物写真のセンスがないので、写真では凡庸に見えるかもしれない。実際には一目見ただけで「え?嘘??」と思うほどの量である。正直少し混乱した。国道沿いにある「食事処かあちゃん」という店である。その名の通り、かあちゃん、いやまあ実際には「ばーちゃん」が一人で切り盛りしている。要約すると以下のような店である。
①基本的に全てのメニューは500円という狂った価格設定
②考えられないような量。唐揚げ定食の唐揚げは通常の3倍以上で、ご飯もしっかり。
③すごく旨い。本当の手作り料理で、唐揚げはその場で揚げていた。
④値段は面倒臭いから切りの良い500円にして、お釣りがないようにしている。
⑤注文したものが出来たら取りにいく。終わったら返しに行く。
⑥ご飯は農家さんに悪いから残さないでね。おかずは持ち帰りの袋を用意する。
何も知らずに入ったが、システムは何となく分かった。誤算は⑥。すごく旨いのだけれど、流石に多すぎる。袋で持ち帰れるとは知らずに無理して食べた。夜まで(いや翌朝まで)お腹がパンパンである。でも女性客も含めてみんな、その場で食べ切っていた。唐揚げは衣薄めでジューシー。持ち帰ってビールのお供にしたら最高だっただろう。最後の写真、「もうこれで昼飯としては十分だな」という量の唐揚げを食べた後だ。それでもこんなに余っている。全部食べたけど(笑)。隣の人はチキンカツを食べていた。これまた狂った量だったけど旨そうだったなあ。支払いの際、不文律の④を知らず、千円札を出したら「ちょうどのお金ない?」と言われ500円玉で払った。「旨かった!お腹パンパンだ!」と言ったら、ばーちゃんは最上の笑顔になった。この笑顔だけで500円を遥かに上回る価値がある。