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No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

我が家の猫、14歳になる

2025-04-24 | 

我が家の猫、銀次郎くんが14歳になった。銀次郎君は「25歳+α」まで元気に生きることを目指している。だからまだまだ道半ば。今後も食事と運動には気を使っていこう。まあでも本人(本猫)は、気ままなものである。

既に先代のオス猫の年齢を超え、来年にはボス猫の年齢を超える。嘘みたいだ。これからの一日一日を大事にしていきたい。猫生はまだこれから。楽しくやろうぜ!

X-T5 /  XF35mm F1.4R 

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FUJI(SATO)カラーで写そう(終)〜記憶の色は薄れていく

2025-04-23 | 街:秋田








藤里町の大部分は山岳地帯であり、市街地は町の南側のわずかな範囲に集中している。北側には白神山地が広がっていて、心許ない林道で青森県の西目屋村と繋がっている。山岳地帯の一部には秋田県側からは直接行くことができず、青森県側しかアクセスできない場所もある。町の南側の市街地も国道7号線から10キロほど離れており、まるで陸の孤島のようになっている。街中には食品スーパーも含め、一応の店が揃っている。冬季間はそこに籠もって生活するような感覚があるのだと思う。勿論、今の時代はクルマで離れた町まで出かけることは難しくない。それでも、それほど遠くない時代までは、人々は決められた相手とだけ接触し、決められた店で買い物をし、決められた場所にだけ出かけたのだと思う。外食するのにも(するとして)、恐らくは片手で数えられる店の中から選択していたに違いない。諦めの境地と開き直って楽しむ気持ち。閉塞された暗さの中にわずかに混じる、突き抜けた明るさの理由も分かるような気がする。ラテン感というと誤解を招くかもしれないが、何と言うか藤里町はまるでアルゼンチン最南端の小さな町みたいな感じがするのである。次は北側の自然地帯に行ってみたい。そこには遊歩道や峡谷や谷がある。きっと美しいに違いない。その色は薄れることはない。

町の独特な色合い=カラーは、町が持つその記憶によって塗られたものだと僕は考える。かろうじて残っている記憶の色は、もう十年としないうちにその痕跡を辿ることも難しくなるだろう。こういう町が今でも残り、その写真を撮ることが出来るのは僥倖である。噛みしめたい。今回の週末は藤里町で写真を撮り、食事処かあちゃんでから揚げ定食を食べ、能代市役所で桜を見た。特別なことは無かったけど、悪くない週末だったと思う。

X-T5 /  XF23mm F1.4R LM WR 
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FUJI(SATO)カラーで写そう①〜避けられないイメージ

2025-04-22 | 街:秋田








秋田県北部の町、藤里町。これが2回目の訪問である。初めて藤里町を訪れたのは2021年のことだった。それまで幾らでも機会があったのに藤里町に行かなかったのは、世間を騒がせた児童連続殺人事件があった町だったからである。事件のことを想うと胸が締め付けられる。加害者に同情するつもりはないが、あまりに切ない事件である。更にいえば、この小さな町にはワイドショーの取材班が長期に渡り張り付き、地元住民との間に軋轢や衝突もあったと聞く。スティル写真とはいえ、カメラを手に町を歩いて良いものか逡巡したのも事実である。だが前回の訪問時に町を歩いて、藤里町はそんな暗いイメージの町ではないことも知った。今後は事件のことではなく、町の違う一面を見ていこうと思ったものだ。そこを踏まえて次に行きたかったので、敢えてもう一度触れた。

さて、藤里町の町並みの特徴は、独特の色合いである。バラバラの建物の色や風合いが微妙に混じり合い、藤里カラーともいうべきトーンを出している。基本的には茶色をベースにし、それが風雪に耐えて劣化し、何ともいえない表情を見せる。それは哀感溢れるものであるが、同時に突き抜けたような雰囲気も感じられる。北の田舎町。桜さえも咲いていない陰鬱な天候。それでも何かラテンの匂いがするから不思議である。

X-T5 /  XF23mm F1.4R LM WR

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市役所で愛でる桜

2025-04-21 | 街:秋田






東北コンプリートのプロセスで350近い旧市町村を歩き、250近くの役所(旧役所)を見てきた。基本的に田舎の町であるほど、役所の相対的な位置は高く、街自体が役所を中心に作られていることが多い。繁華街の殆どは、役所か寺社仏閣(その土地の中心的な)の周囲に作られている。役所は市民に開放され、市民が使うことを前提にしている自治体もあれば、どちらかというと排他的で江戸期の「城」のような感覚で運営している自治体もある。そこは自治体の考え方次第だけれど、市役所を市民に積極的に開放している町は、大抵の場合で住みやすい町であると思う。

さて、ここは秋田県能代市。僕は能代市のことは正直よく知らない。街で写真を撮るけれど、どんな成り立ちの街で、どんな暮らしがされているのか、知見を持たない。能代市役所は街歩きの際に駐車場を利用させて貰っている。地方の役所の多くは休日に駐車場を開放している。その能代市役所の駐車場の上部は、市民が憩うことのできるデッキスペースになっている。そして建物との間に植えられてた「桜」を丁度良い視線で鑑賞できるようになっていることを知った。実際に週末に立ち寄ってみると驚いた。見事な満開の桜を多くの市民(あるいは僕のように非市民も)が楽しんでいる。まあ流石にブルーシートを敷いて宴会をするような方はいないが、素晴らしいと思った。市役所が桜の名所となっていて、他の公園などに出かけなくても、ここで十分堪能できる。わざわざ市民が休日に閉まっている市役所に出かけるのだから、良い街に決まっていると思った。市役所庁舎は市長や市幹部のものではなく、市民のもの。そういう価値観が継承されているのだろう。

X-T5 /  XF16-80mmF4 R OIS WR
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500円の唐揚げ定食の恐ろしさ

2025-04-20 | 街:秋田






秋田県の能代市方面の幾つかの町に写真を撮りに行った。すべて何度か行っている場所だ。同様に何度か入ったことのある食堂でランチを食べようと思ったら、その店は廃業していた。だからGoogleマップで調べた店に行くことにした。移動経路にあるからだ。それが今回の写真である。肝は「異様な量」である。僕は食べ物写真のセンスがないので、写真では凡庸に見えるかもしれない。実際には一目見ただけで「え?嘘??」と思うほどの量である。正直少し混乱した。国道沿いにある「食事処かあちゃん」という店である。その名の通り、かあちゃん、いやまあ実際には「ばーちゃん」が一人で切り盛りしている。要約すると以下のような店である。

①基本的に全てのメニューは500円という狂った価格設定
②考えられないような量。唐揚げ定食の唐揚げは通常の3倍以上で、ご飯もしっかり。
③すごく旨い。本当の手作り料理で、唐揚げはその場で揚げていた。
④値段は面倒臭いから切りの良い500円にして、お釣りがないようにしている。
⑤注文したものが出来たら取りにいく。終わったら返しに行く。
⑥ご飯は農家さんに悪いから残さないでね。おかずは持ち帰りの袋を用意する。

何も知らずに入ったが、システムは何となく分かった。誤算は⑥。すごく旨いのだけれど、流石に多すぎる。袋で持ち帰れるとは知らずに無理して食べた。夜まで(いや翌朝まで)お腹がパンパンである。でも女性客も含めてみんな、その場で食べ切っていた。唐揚げは衣薄めでジューシー。持ち帰ってビールのお供にしたら最高だっただろう。最後の写真、「もうこれで昼飯としては十分だな」という量の唐揚げを食べた後だ。それでもこんなに余っている。全部食べたけど(笑)。隣の人はチキンカツを食べていた。これまた狂った量だったけど旨そうだったなあ。支払いの際、不文律の④を知らず、千円札を出したら「ちょうどのお金ない?」と言われ500円玉で払った。「旨かった!お腹パンパンだ!」と言ったら、ばーちゃんは最上の笑顔になった。この笑顔だけで500円を遥かに上回る価値がある。
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