県立つくば美術館で開催されている筑波大学院博士課程芸術学専攻生によるDC展を鑑賞に出かけました。新進気鋭の芸術家の卵が、年一回野心的作品を発表する場です。お目当ては、妻の友達のご主人が、昨年の土浦全国花火大会で発想を得たという野心作「花火」です。
作者の山本斉氏の説明によると、空間を描くため光を背景に使うことを試みた絵なのだそうです。花火を見るまで数ヶ月間、幅広の刷毛で絵の具を縦・横に塗り重ね続け . . . 本文を読む
私の桜の思い出を辿ってゆくと、58年前、小学校2年生時分の松江城にいたります。松江の在住期間はわずか1年で記憶はもう朧ですが、家の前に川が流れ、それを数百メートル下ると大橋があり、大橋をわたると宍道湖に着きます。嫁が島を眺める湖畔で蜆を採って遊びました。松江城にも兄弟連れ立ってよく遊びに行きました。その天守閣周囲の桜が、私の桜の思い出第1号です。今日は熊谷で桜開花との報がありましたが、松江の桜は? . . . 本文を読む
2005年日本国際博覧会、愛・地球博は、21世紀の幕開けを飾る国際博として、自然の叡智をテーマに先週開幕しました。その1年前、昨年3月25日、事業資金を広く募るため発行されたのが寄付金付き記念切手でした。切手には公式マスコット、森の妖精・モリゾウとキッコロが地球と桜を背景にデザインされています。自然の象徴として桜を選んだのは、日本人デザイナーの面目躍如たるところです。
20世紀の人類は、一過性の経 . . . 本文を読む
JR土浦駅の広場に水木しげる作「鬼太郎と目玉おやじ」の像を見つけました。高さ40cm位のサイズで、ひっそりと通行人を見張っているような風情です。題は「EYE&愛」、アイバンク登録を呼びかけ、1998年11月土浦環ライオンズクラブが結成25周年記念事業として建設したものです。銘盤にはこう記されています。
失明した人に愛の光を
アイバンクは目の不自由な人に
光を提供します
献眼は人として最後 . . . 本文を読む
毎年10月の第1土曜日、桜川河川敷きで開催される全国花火競技会は、昨年はNHKで中継されるほど、全国的に知られています。
競技会場の桟敷席で下から見上げる花火は、離れて横から眺める花火とは全く別物です。腸を抉るような爆裂音と同時に、頭上で炸裂した光のくずが自分めがけて降り注いできます。宇宙の彼方から地球の大気圏に突入した流星が無数の流星に分裂して、色とりどりに四方八方に飛び散る様です。
作者は桟敷 . . . 本文を読む
桜の名所、桜川の川原を始め、土浦の秋は一面コスモスの郷となります。
コスモスと言えば山口百恵の名歌を思い出します。
~幼い日の思い出、小春日和の穏やかな秋日、薄紅色のコスモスの花に囲まれていた~
作者が今見ているこの光景は、故郷の残像として作者のまぶたにしっかりと焼きついたに違いありません。
辛いとき、悲しいとき、ただ一人、涙をこらえて目をつぶれば、故郷のコスモスが浮かびます。
コスモスの陰から、 . . . 本文を読む
りんりんロードの美術館の中で、私の心にとまった絵を幾つか当「野外美術館」に展示してみたいと思います。
桜祭りに相応しい絵がありました。画面中央に大きな桜の木が3本描かれています。眞鍋小学校の桜を彷彿とさせる樹です。小さな作者は太い老桜樹に圧倒され、霊気を感じました。その感動を太い幹に目と口をつけ、満開の桜の冠を戴く精霊として表しました。精霊は春風に乗せて地上に遍く恵みの花吹雪を降らせています。画面 . . . 本文を読む
土浦から岩瀬まで約40kmの私鉄が廃線となり、その跡地がりんりんロードの名称で自転車道路になりました。その始点から約200mのコンクリート擁壁に、サイズ1m×1.5m位の約50枚の児童画が飾られています。コンクールの入賞作だろうか、見ごたえのある絵が通行人の目を楽しませています。出来栄えのあまりの素晴らしさに、大人が児童画に見せかけて描いたのではと疑いたくなるほどです。
無味乾燥なコンクリート壁を . . . 本文を読む
「水郷乙女之像」
作:伊藤釣(筑波大学教授)
展示場所:霞ヶ浦総合運動公園
昭和62年3月
私にはこの像から水郷乙女のイメージが湧いてきません。
この像がどうして水郷乙女なのか分かりません。
私の感受性が低く、像を通じて作者の想いが伝わってこないようです。
もっと勉強して像と会話できるようにないたいものです。 . . . 本文を読む
「霞浦」
作:小張隆男
展示場所:霞ヶ浦文化運動会館広場
第6回世界湖沼会議開催記念1995年10月
私は霞ヶ浦
太陽の光を身体一杯に受ける
私の水は水蒸気となって立ち昇り、雲となる
やがて雨となって大地に降り注ぐ
大地の恵みを携え水は戻ってくる
光は私の体内で、恵みを命にかえる
水はよみがえり、命を育む
私の中で命が溢れる
私はそんな私になりたい、何時までも . . . 本文を読む