鹿島DF大岩いぶし銀の活躍/ナビスコ杯
<ナビスコ杯:鹿島4-1名古屋>◇予選リーグ◇9日◇瑞穂陸
DF大岩が今季初先発でいぶし銀の働きを見せた。0-1の後半4分、MF野沢の左CKに対し、ゴール前でヘッドで合わせ、GKの頭上を越すゴールを決めた。最後は足をつって後半30分に交代し「誤算でしたね」と苦笑い。前半31分に名古屋FWヨンセンに先制ヘッドを許した場面に「僕のマークが外れた」と反省も忘れず「いいテンションでできた。やっと開幕したなという感じ」と充実した表情を浮かべていた。[2007年5月9日22時44分]
Jリーグ・ヤマザキナビスコ・カップ 第5日 鹿島4発快勝
2007/05/10(木) 本紙朝刊 スポーツ A版 6頁
Jリーグ・ヤマザキナビスコ・カップ第5日(9日・瑞穂陸上競技場ほか=8試合)1次リーグ第5戦を行い、D組は名古屋に4-1で圧勝した鹿島が2位に浮上。甲府が新潟と0-0で引き分けたが首位をキープした。3連覇を狙うA組1位の千葉が神戸に0-1で敗れるなど、各組とも準々決勝進出チームは決まらず、23日の最終戦に持ち越されることになった。
B組は横浜Mが柏に3-0で快勝し勝ち点8で首位に立った。清水に1-2で競り負けた大宮が得失点差で2位。C組では、横浜FCがFC東京を1-0で退け首位となり、大分が磐田に敗れ2位。
A組はG大阪に1-0で勝った広島が3勝目を挙げ、神戸に0-1で敗れた千葉と同じ勝ち点9とした。
田代が逆転弾
【評】鹿島は0-1の後半4分、左CKに大岩が合わせて同点とし、5分後に田代が押し込んで逆転。その後本山のゴールなどで突き放した。名古屋は前半31分にヨンセンのゴールで先制したが、集中力が切れて大量失点を喫した。
ハイライト 後半一気、ゴールラッシュ
4試合連続で先制点を許す展開にも、予選突破へ向けて負けられない鹿島が意地を見せ、後半にゴールラッシュ。今季公式戦最多の4得点で、名古屋に逆転勝ちした。
休ませる意味もあり、今季初めてダニーロを先発から外した鹿島は、ボランチに青木、中後を据え、野沢を2列目に出すことで前線の起点をつくり、得点力不足解消を狙った。しかし、前半はそのもくろみがはずれ、チャンスこそつくるが最後が決まらなかった。逆に名古屋に少ないチャンスからヨンセンに決められてしまい、いつもの悪いパターンにはまりそうになった。
しかし、「いい形を作っていたので、慌てることはなかった」と中後。ハーフタイムには岩政が「このまま終わっていいのか。もう一度決勝の舞台に立とう」とげきを飛ばすと、後半はきっちりと修正。中後が「今までよりサイド攻撃をする意識が強かったので、簡単にサイドに運んでいいリズムでやれた」と話すように、後半開始から攻勢に出ると、4分に左CKからの大岩の同点ゴールで一気に加速。田代、本山、田代と立て続けにゴールを奪い、オズワルド・オリベイラ監督は「最後のフィニッシュを決められたことが収穫」と大勝にほほを緩めた。
甲府と新潟が引き分けたことで、鹿島は予選1位通過の可能性が出てきた。課題だった決定力も復調傾向を見せるなど調子は右肩上がり。中後は「甲府にはホームで負けているので、次は勝ちにいきたい」と、雪辱を誓い、1位通過に意欲を見せた。
鹿島・オズワルド・オリベイラ監督
「同点で選手が落ち着きを取り戻して、冷静に判断できるようになった。きょうは決定機をものにしたことが大きい」
田代に待望のゴール
○…「前半にチャンスが2本あって両方とも止められてしまい、嫌な流れだったが、後半に決められてよかった」。けがから復帰した田代が復帰4戦目にして待望のゴールを決め、笑顔を見せた。
前半20分の決定機ではGK楢崎の好セーブに阻まれたが、後半9分のマルキーニョスからのパスはきっちりと右足でとらえた逆転弾。20分には本領発揮とばかりに右CKからヘディングシュートを決め、ダメ押しの4点目を奪った。
それでも試合後は前半の場面を振り返り、「ああいうところでしっかりと決めないと」と反省。「まだリーグ戦で決めてないんで、次は絶対決めたい」と磐田戦へ気持ちを切り替えていた。
【ヤマザキナビスコカップ】名古屋 vs 鹿島:オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント [ J's GOAL ]
5月9日(水) 2007 ヤマザキナビスコカップ
名古屋 1 - 4 鹿島 (19:01/瑞穂陸/3,858人)
得点者:'31 ヨンセン(名古屋)、'49 大岩剛(鹿島)、'54 田代有三(鹿島)、'62 本山雅志(鹿島)、'65 田代有三(鹿島)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
Q:今日の勝因については?
「決定力だと思います。チャンスをものに出来たことが大きいと思います。前半から名古屋より数多くチャンスがあり、それを決められませんでした。そして、名古屋が1点を取りました。ハーフタイムに選手達に『落ち着いてやろう、そうすれば得点は入るから』と伝えました。そして、同点になった時点で落ち着きを取り戻し、冷静に判断出来るようになったと思います」
Q:中盤は日本人だけでの構成でしたが、その評価は?
「中盤自体が機能したから試合に勝ったわけではありません。今日の試合を含め、チャンスを作れていたんですが、それを決めることが出来ず、相手の流れになって失点したり、試合を引き分けたり負けたりしていました。ただ、今日は少ないチャンスを決められたことが勝因だと思います。なので中盤どうこうではなく、最後の、フィニッシュというところをきっちりと落ち着いて決められたことが今日の収穫だと思います」
Q:怪我から戻った大岩選手の評価については?
「僕が待っていた選手でしたし、それだけ時間が掛かった分、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。しかし、最後の方は足が吊ってしまい、休んでいた部分の体力が落ちたと思います。これから練習を積み重ねていけば、また高いクオリティーのパスもありますし、コーチング・リーダーシップも後ろからしっかりしてくれると思いますので、本当に頼もしい選手が復帰してくれたと思います」
以上
【ヤマザキナビスコカップ】名古屋 vs 鹿島:試合終了後の各選手コメント [ J's GOAL ]
●本山雅志選手(鹿島)
「苦しい試合になるとチャンスも少ないですし、そういうところを決めなければいけないと思います。修正すべきところは、たくさんあったと思います」
Q:決定力不足でも4点取れたことについては?
「サイドの篤人(内田)のセンタリングも良かったですし、前半もチャンスを作れていたので、良くなってきていると思います。それでも、チャンスを作っても決めなければいけない。今日は入りましたが、次もゴール目指してやらなければいけないと思っています」
Q:今日はミスが少なかったと思いますが?
「セカンドボールが拾えるようになってからは、リズムが出来るようになったと思います。でもパスミスはありました。横パスのミスはピンチに繋がりやすいので、しっかりとケアしないといけないと思いますし、自分自身も判断しなければいけないと思います」
●田代有三選手(鹿島)
「前半、チャンスが2本あって、両方ともに止められて嫌な流れになり、その後先制されて、またいつもの試合の入り方になってしまいました。僕自身も決められなくて、嫌な流れだったんですが、後半に入ってみんな気持ち切り替えて、剛さん(大岩)が1点入れてくれたことで気持ちが楽になりました。僕のゴールはマルキ(マルキーニョス)が良いところにボールをくれたので、あそこに毎回入って行けるようにはしたいです」
Q:前半のヘディングシュートがいちばん良い形でしたが?
「僕の狙った形でしたし、ボールも良かったですし、狙ったところも良かったんですが、GKが良かったです。後半に点を入れたことであれが消えてしまうんですが、ああいうところをしっかり決めないと前半のような試合展開になってしまうと思う。後半に点が取れて良かったです」
Q:これで吹っ切れましたか?
「ナビスコカップでは点が取れたんですが、リーグ戦ではここ2試合先発して、まだ点が取れてない。次にチャンスを貰ったら絶対決めないとチームも勝てないと思うので、点を取って勝ちたいです」
今季初の大勝である。
勝っても最小得点差でしかなかった攻撃の歯車が噛み合った模様。
それも全て金古聖司のおかげであろう。
神戸在籍時も福岡在籍時も勝利を贈ってくれる天使のようである。