A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

時代の変化と共に、今まで慣れ親しんだ魅力とは別の魅力が見つかるものだ・・

2015-08-23 | CONCORD
Live at Village West / Ron Carter & Jim Hall

原油価格の下落が止まらない。一年前は100ドルを超えていたのが先週末はついに先物価格は40ドルを割った、一体どこまで下がるのやら。一時のピークと較べると1/3近い価格だ。産油国にとっては実入りがそのまま1/3になっている訳なのでこの急落は深刻なはずだ。

この下落の原因はロシアの経済制裁の一環という話もあるが、長引けばアメリカにとってはシェールガスビジネスの存亡にも影響する。最近の下落の原因は中国経済の行き詰まりが原因との話もあるが、昨今の相場の上下には、需給関係だけでなく政治を含め色々な思惑や要素が絡んでいる。今後どう推移するのかは素人には分からない。
我々消費者にとっては、単純にガソリン価格が安くなる恩恵が嬉しいが。

自分は、昨年車をディーゼル車に替えた。ゴルフに行く回数が多いので、走行距離は年間で2万キロ近く、ガソリン代もバカにならない。以前はガソリンを「がぶ飲み」する大型SUVのアメ車に乗っていたので、最近の車の省燃費技術は感動的だ。ハイブリットでなくとも、平均燃費は15km/ℓ以上、前の車の倍は走る。

特にディーゼルだと軽油の価格の安さも一段と魅力だ。この前100円/リットルを切ったと思ったら、先日は93円まで下がっていた。この軽油の価格だが、店によってレギュラーガソリンとの価格差に大きく幅があり、自分が入れる店では30円近くある。この価格差も不思議だが、ガソリン価格自体、店による価格差が昔より大きくなったように思う。利用者の店の選別に価格以外の要素が加わっているのかも?

経済成長、そしてモータリゼーションの発展と共にこれまで成長を遂げた石油業界だが、いつの間に斜陽産業の生き残り戦略を競う業界になってしまったようだ。車そのものも昔は排気量の大きさが車のグレードを表す代名詞のような位置付けであった。最近はハイブリット車全盛になったせいか、エンジンの大きさはどうでも良くなってしまった。
世の中の価値観の変化は知らず知らずの内に確実に進んでいるということだろう。

さて、ジャズの魅力はいくつもあるが、コラボレーションもその一つ。マイルスとギルエバンスのようなプレーヤーとアレンジャーのコラボもあるが、本命は2人のプレーヤーの真剣勝負だろう。
アル&ズートのようなレギュラーグループもあれば、前回紹介したコルトレーンとハートマンのような意外な組み合わせもある。どのような組み合わせでも、コラボレーションによる魅力はそれぞれ単独の演奏では味わえない。

そしてジャズのエッセンスもいくつかあるが、スイング時代からバップ時代引き継がれた物にジャズ独特のノリがある。いわゆる4ビートの心地良さだ。聴き手にとってもそのスイング感がたまらない。
そのジャズのスイング感も8ビートやラテンのリズムとのハイブリットにより多様化していった。

ジムホールというギタリストがいる。スタジオワークも多かったので色々なプレーをこなすが、彼のプレーはいわゆるバップオリエンテッドなスインギーなギターとは違ったスタイルだ。
若い頃レギュラーメンバーとして参加したジミージュフリーやチコハミルトンのグループも同様にメインストリームとは少し毛色の変わった路線を歩んでいた。ジムホールの演奏がピッタリだったのかもしれない。そしてジムホールとビルエバンスとのデュオアルバムは、お互いが目指すジャズを共有できた作品だったと思う。
その後も、ソニーロリンズのグループに加わり、アートファーマーのグル―プなどにも加わった。どこでやっても、誰とやっても派手さは無いが常に存在感があり、単なる伴奏ではなくコラボレーションを楽しんでいるようなプレーが魅力である。

デュオでの演奏も多い。そして、聴く前からこの2人であればいい結果を生むだろうと想像できるのがロンカーターとのデュオだ。
ギターとベースというと、いつもは脇役であることが多い楽器の組み合わせだ。お互いに派手さが無いだけに、余程自己主張が無いと退屈な演奏になることもある。事実、ライブでそのような演奏に遭遇したこともある。

ところが、この2人の演奏は奥が深い。ソロをとっている時もバックに廻っている時もそのプレーぶりは変幻自在、次々と繰り出されるフレーズやリズム感は実にスリリングだ。
このアルバムは、ジャズウェストというクラブでのライブ録音。演奏も会場もライブの割にはおとなしく感じるが、やはりスタジオとは違う会場の熱気が伝わってくるから不思議なものだ。

自分は元来スインギーな演奏が好み。だが何故かジムホールのアルバムは特にファンという訳ではないのに何枚も持っている。どこかに自分にも気づかない、そして語れない魅力があるのだろう。
ジャケットの2人の写真の後ろ姿が印象的だ。普段見慣れない所に魅力があるのだということをアピールしているようで。2人の演奏も普段気付かないところに魅力があるのだろう。
たまには、このようなジャズもいいものだ。



1. Bag's Groove                      Milt Jackson 4:11
2. All the Things You Are       Oscar Hammerstein II / Jerome Kern 5:38
3. Blue Monk                     Thelonious Monk 5:07
4. New Waltz                        Ron Carter 6:02
7. St. Thomas                       Sonny Rollins 4:27
8. Embraceable You            George Gershwin / Ira Gershwin 6]37
9. Laverne Walk                     Oscar Pettiford 5:13
10. Baubles, Bangles and Beads       George Forrest / Robert Wright 5:02

Ron Carter (b)
Jim Hall (g)

Produced by Retrac Productions and Jim Hall
Recorded live at Village West, New York City, November 1982
Recording engineer : Jim Anderson

Originally released on Concord CJ-245

Live at Village West
クリエーター情報なし
Concord Jazz
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スイングするのは何もベイシーナンバーばかりではない・・・・

2015-04-05 | MY FAVORITE ALBUM
The Swingers / Lambert Hendricks & Ross

先日紹介したズートシムスのアルバムで珍しくシムスは歌を披露していたが、この曲の作詞はジョンヘンドリックス。最初のお披露目はというと、ジョンヘンドリックスが加わっていたランバート・ヘンドリックス&ロス(LHR)のアルバムであった。
このアルバムは、ベイシーナンバーのボーカリーズでデビューし、本家ベイシーとも共演して、さて次はといったタイミングで録音したアルバムである。

このアルバムでは、ランディーウェストンの曲が多いが、ジャズのスタンダードでもあるロリンズのエアジンやパーカーのナウズザタイムにもチャレンジしている。そして、その中にズートシムスのダーククラウドも含まれている。ところが、この曲はコーラスではなく、ジョンヘンドリックスのソロで歌われている。元ネタが無かったので、ボーカリーズという訳にはいかなかったのかもしれない。

ズートシムスは、50年代から60年代にかけてはペッパーアダムスなどと一緒にロフトでプライベートなジャムセッションをやっていたが、そこでもこの曲の演奏が残されている。シムスとしてはお気に入りの自作曲だったのかもしれない。
いずれにしても、アルバム自体はLHRのタイトル通り、モダンなスインギーなコーラスが楽しめる好アルバムだ。このアルバムを聴き直したついでに紹介しておく。

このランバート・ヘンドリックス&ロスはモダンジャズコーラスの元祖のような存在だ。デビューした時は当然話題にはなったが、ベイシーナンバーだけではブレークしなかったようだ。此の後CBSに移籍してから人気が上昇したようだが、人気が出た所で、アニーロスが病気で抜けてしまう。その後メンバーがヨランダベバンに替わって活動は続けたが、今一つブレークできずに1964年に解散する。そして、解散してしばらくして、リーダー格であったデイブランバートが交通事故で亡くなってしまう。マントラと違ってツキには恵まれなかったグループのようだが、ジョンヘンドリックスが一人グループの意志を継いで活躍しているのが何よりだ。

短い活動期間ではあったが、このアルバムはベイシーナンバーから他の曲へのチャレンジでレパートリーの幅を広げ、グループとしてステップアップしたアルバムであることには間違いない。そして、このアルバムではバックを務めるズートシムスがピアノのラスフリーマンと共に大事な役割を果たしている。スインギーなコーラスにはスインギーなバックが不可欠だ。

世の中、人によって話し上手もいれば話下手もいる。そして話し上手といわれる人の中にも、一人でも人を惹きつける話術で自分の話の独演会を得意にするタイプと、相手の話の聞き上手でもあり、相手の話に合わせて会話を弾ませることができるタイプの2パターンがいる。
シムスは、シムスは流暢なフレーズ作りが得意で、ソロだけでなく大編成に加わってアンサンブルワークも得意なオルラウンダーだ。ソロが主体の時はどうも一人で主役になるよりは、アルコーンとのコンビのように相手がいたり、あるいは誰かのサポート役に廻った時の方がよりプレーに流暢さが増すように思う。話し上手以上に聞き上手なのだろう。

このLHRのバックでも、実にタイミングよくそして歯切れよくコーラスに絡むシムス節が聴ける。そして、このセッション自体が、ズートシムスとラスフリーマンがセッションリーダーとなって、LHRのバックだけでなく、アニーロスのバックや、歌無しのクインテットの演奏が連日続いたようだ。日に日にメンバー間のコンビ―ネーションが良くなって、和んだ雰囲気の中での演奏も幸いしているようだ。やはり話し上手といえども初対面よりは、打ち解けてからの方が話は弾む。

一曲だけ、別セッションからトミーフラナガンとエルビンジョーンズをバックにした曲Jackieが収められている。このバックも魅力的だがどうやら他の録音はないようだ。

1. Four               Miles Davis / Jon Hendricks 4:12
2. Little Niles           Jon Hendricks / Randy Weston 3:28
3. Where               Jon Hendricks / Randy Weston 2:55
4. Now's the Time          Jon Hendricks/Charlie Parker 2:56
5. Love Makes the World Go 'Round           Jon Hendricks 3:44
6. Airegin                 Jon Hendricks/Sonny Rollins 3:31
7. Babe's Blues               Jon Hendricks/Randy Weston 3;15
8. Dark Cloud                 Jon Hendricks / Zoot Sims 3:31
9. Jackie                   Wardell Gray / Annie Ross 2:02
10.  Swingin' Till the Girls Come Home  Jon Hendricks/Oscar Pettiford 5;06

Dave Lambert, Jon Hendricks, Annie Ross (vol)

Only #9
Tommy Franagan (p)
Joe Benjamin (b)
Elvin Jones (ds)

Recorded at RCA Studio, New York, October 1, 1958

Others
Zoot Sims (ts)
Russ Freeman (p)
Jim Hall (g)
Freddy Green (g)
Ed Jones (b)
Sonny Payne (ds)

Recorded at "The Crescendo", Hollywood, CA, March 21, 24 1959

Produced by Richard Bock


The Swingers
クリエーター情報なし
Capitol
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健康で生涯現役で人生を全うする。これは誰でも夢には見るが現実には・・・

2014-04-29 | CONCORD
Personal Choice / The Marian McPartland Trio

最近、人の寿命も単に平均寿命を語るのではなく、健康寿命がよく語られるようになった。確かに医療技術が進歩し、様々な延命措置が可能になった。しかし寝たきり老人になって寿命が延びても、本人そして周りの家族もそれが果たしてそれが幸せかどうか?

健康で毎日好きな事をやってすごし、ある日突然あの世に旅立つ。よくいわれる「ピンピンころり」であるが、これが理想的な人生の最後の迎え方だろう。これまでは他人事であったが、自分がその年代に近づくとその大切さを身に染みて感じる。
できることならそのような晩年をおくりたいものだ。

お馴染みのベテランジャズプレーヤーの訃報を毎年のように聞く。そのたびに、自分が慣れ親しんだ50年代から70年代にかけて興隆を極めたジャズの一つの時代が終わりを告げているような気がする。
昨年亡くなったミュージシャンも多いがその中に、女性ピアニストの大御所マリアン・マクパートランドの名前があった。享年95歳。ピアニストとしては日本では決して一般受けしなかったかもしれないが、実はビバップ創世記からの長い活動歴がある。歳を重ねて進化し90歳近くになっても益々活躍の場を広げていたプレーヤーだった。

このマクパートランドは”Marian McPartland’s Piano Jazz”というラジオ番組を持っていた。1978年にスタートし30年以上続いた長寿番組。そのパーソナリティーとして活躍して、その名を確固たるものにした。
毎回ピアニストをゲストに招きトークとプレーを、時には2人のピアノデュエットを交えてたっぷり1時間聴かせてくれる番組だった。いわば「徹子の部屋」のピアノ版だが、ゲストはスタイルや新旧を問わずジャズピアノの本質が楽しめるものであった。2人の共演がCDになっているものも多く、番組のアーカイブも残されている。

彼女はイギリスで生まれ、ヨーロッパで演奏活動を開始した、アメリカに渡ってからは結婚相手のジミーマクパートランドの影響もあったのか、ディキシー、スイング系の演奏もしたが、徐々にモダンなスタイルに変わっていった。気難しいベニーグッドマンに気に入られずにノイローゼになったことが転機になったとも。
彼女のピアノ自体がジャズピアノの歴史そのものだが、この番組は彼女の幅広い交友関係やジャズピアノの楽しさを知る上でも貴重なコンテンツだと思う。

ちょうどこのラジオ番組のスタートと軌を一にしてConcordとも契約しアルバムを残したがこのアルバムが5枚目になる。
最初のアルバムが彼女のトリオプレーのプレゼンテーションのようなものであったが、その後はゲストとの共演コンコルドジャズフェスティバルでのライブなどが続いたが、今回は久々のトリオでの演奏になる。

ドラムのジェイクハナはConcordの主であると同時に彼女の旧友でもある。ベースしばらく一緒にプレーしていた同じイギリス出身のブライアントーフがジョージシアリングとのコンビに転じてしまったので、今回からSteve La Spinaに代わる。今でも中堅べーシストとて活躍しているが、この彼女のグループへの参加が本格デビューの当時は新人であった。

このアルバムはタイトル通り彼女が選んだスタンダード曲集だが、彼女が女性オスカーピターソンともいわれたことあったことを意識してかピーターソンのTricotismも加え、最後は自作のMelancholy Moodで終わる。

彼女の別れた夫君ジミーマクパートランドが病に倒れ最後の闘病を続けていた時、このマリアン・マクパートランドは再び籍を戻し最後を看取ったという。人生道筋は色々あるが、現役を終えた最後は愛する人に見守られてあの世に旅立ちたいものだ。一人で生きてこなかった証として。

1. I Hear a Rhapsody       Jack Baker / George Fragos / Dick Gasparre 3:55
2. Meditation (Meditação)    N. Gimbel / A. Carlos Jobim / N. Mendonça 3:54
3. In Your Own Sweet Way     Dave Brubeck 4:08
4. A Sleepin' Bee        Harold Arlen / Truman Capote 5:57
5. I'm Old Fashioned       Jerome Kern / Johnny Mercer 3:21
6. When the Sun Goes Down    Leroy Carr 3:38
7. Tricotism           Oscar Pettiford 4:47
8. Melancholy Mood        Marian McPartland 3:18

Marian McPartland (p)
Steve La Spina (b)
Jake Hanna (ds)

Produced by Carl Jefferson
Engineer : Ed Trabanco
Recorded at Soundmixers, New York, N.Y. June 1982
Originally released on Concord CJ-202
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アメリカとキューバの音楽の友好関係を復活させたのは・・・・

2014-01-24 | PEPPER ADAMS
Havana New York / David Amram

先日、Arturo Sandovalが来日して素晴らしいステージを体験させてくれた。
バックのオーケストラに参加した吉田治がサンドヴァルと共演した感想を、「超絶テクニックだが一つ一つの音に意味がある」、「あの絶妙な口の動きがボーカルを含めてあのフレーズを生んでいる」といったようなコメントをしていたが、プロのミュージシャンの耳でも別格のプレーだったようだ。

キューバ出身のサンドヴァルは、結果的にアメリカに亡命して今の彼があるのだが、いつどのようにしてアメリカとの接点が生じたかというと答えはこのアルバムにある。

実は、このアルバムの主役、David Amramという人物を自分は良く知らなかった。

このアムラムは色々な楽器を演奏するマルチプレーヤー、そして演奏だけでなく、作編曲にも秀でたミュージシャン。ジャズだけでなく、クラシックも、そして世界の音楽にも造詣が深い。
本当の意味のマルチタレント。ジャンルに囚われないとんでもないスーパー音楽家ということだろう。

以前どこかの記事で書いたが、ニューヨークに出てきて間もないペッパーアダムスをスタンケントンオーケストラに紹介したのはオスカーペティフォードであった。
そして、アダムスがケントンオーケストラを経て西海岸に居た頃、ペティフォードは自己のアルバム”Oscar Pettiford in HiFi”というアルバムを作っていた。少し大きめの編成にハープとかフレンチホルンなどを加えて厚い響きを聴かせてくれるアルバムだ。
そのフレンチホルンにパートに馴染みのあるジュリアスワトキンスと、もう一人加わっていたのがデビッド・アムラムだ。
そのような無名なプレーヤーは知らなかったし、フレンチホルンなどは所詮おまけのようなもの。その後も気に留めることもなかった。

最初はフレンチホルンがAmramとジャズとの接点であり、ジャズミュージシャンと親交を深めたきっかけのようだが、だんだんと他の楽器に、そして作編曲の世界へと。その後も彼と交流のあったミュージシャンは多いようだ。

ケネディー大統領が在任中の有名なキューバ危機以来国交が断絶していた両国であったが、政治的に対立する国が国交を回復するきっかけはいつの時代にも文化交流からだ。ベニーグッドマンの冷戦時代のモスクワツアーも有名だが、このキューバも同じ。
キューバにアメリカのジャズグループが訪問したのが1977年5月のことであった
。ディジーガレスピー、スタンゲッツ、そしてアールハインなどのグループに、このデビット・アムラムも加わっていた。

さてこのアルバムだが、このグループの演奏とは別に、ステージ上でアムラムがドラムのビリーハートと一緒にキューバのミュージシャン達と共演した演奏が収められている。
この時キューバ側を代表して参加しているのが、また無名のサンドヴァルとアルトのパキートデリベラだ。サンドヴァルはまだこの時28歳。まだまだ発展途上であるが得意のハイノートを聴かせてくれる。

アムラムも、ホルンやピアノだけでなく、フルート、各種パーカッション総動員で本場の彼らに負けずにリズムを刻んでいる。
ラテンミュージックの元祖発祥の地ともいえるキューバとは17年間断絶していたが、こうしてキューバの音楽とアメリカのジャズ界との交流が再開した。この歴史的な場をAmramが作ったともいえるが、1977年5月8日のことであった。

そして、翌月6月には今度はニューヨークに戻って、キューバからリズム隊を招いてHavanaとNew Yorkの友好復活に貢献したガレスピーを称えたライブが行われた。そして、演奏の一部は路上でも行われその模様も収録されている。
その時、ホーンセクションに参加したのがサドジョーンズ以下ジェリーダジオンやペッパーアダムスなどアムラムとは以前から交流があったミュージシャン達でであった。

このAmramは、ペッパーアダムスのアルバムを辿っていくとまた何度となく登場するので少し気にかけておこうと思う。

このアルバムは、否、David Amram自身の活動そのものが、イデオロギーや民族を超えて色々な人の繋がりが集約された国際交流の象徴のように思う。

ペッパーアダムスのソロも聴ける Para Los Papines



1. Havana / New York (For Dizzy Gillespie)
2. Para Los Papines (For the Paoines)
3. Broadway Reunion
4. En Memoria de Chano Pozo

<1~3>
Thad jones (tp,flh)
Pepper Adams (bs)
Jerry Dodgion (as)
Billy Mitchell (ts)
George Barrow (bs)
Alfredo de la Fe (elviolin)
Eddie Gomez (b)
Candido (conga)
Ray Mantilla (per)
Johnny Rodrigez Jr. (bongo)
Nicky Morrero (timbales)
David Amram (Spanish g,p,flute,whistle,French horn,claves,etc,)
Los papines (conga)

Recorded in New York , June 1977

<4>
Arturo Sandoval (tp)
Paquito de Rivera (as)
Oscar Valdes (conga)
Los Papines (conga)
Ray Mantilla (conga)
John Ore (b)
Billy Hart (ds)
David Amram (Spanish g,p,flute,whistle,French horn,claves,etc,)

Recorded live in Havana, Cuba, on May 18 1977


Havana & New York
David Amram
Flying Fish Records
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楽器を演奏しながら歌を歌うのはつくづく器用だと思うが、それがコーラスだとなおさら・・・・・・・

2007-10-18 | MY FAVORITE ALBUM
While at BIRDLAND / THE PAT MORAN QUARTET

ボーカルが続くが最近のお気に入りがこのアルバム。最近CDで買い求めたもの。
L・H&Rが初レコーディングを行ったのが1957年。この年、少し毛色の変わった別のコーラスグループがアルバムを残している。ピアノトリオに女性ボーカルのBEV KELLYが加わっている編成だ。比較的最近聴いたkellyのアルバムがきっかけでこのアルバムを買った次第。

楽器を演奏しながらのコーラスとなると、フォーフレッシュメンや日本ではタイムファイブが思い浮かぶ。出だしの、Thou Swellでいきなり、フォーフレッシュメンのようなモダンな感じのコーラスで始まる。「なかなかやるな」という感じだ。
かと思うと、Vocal抜きのピアノトリオが。そして、Kellyのソロボーカル、Moranのソロも。組み合わせが変化に富んでいる。

このグループの特徴はもう一つMoranのピアノだと思う。
クラシックピアノ出身なのが随所で分かる。バラードプレーの中で、突然力強くダイナミックな弾き方をしてみたり、シングルトーンを多用したスインギーなピアノも。
これも七変化の多彩なスタイルを披露する。
とかく単調になりがちなコンボ演奏だがこれは飽きさせない。ライブのステージはさぞかし楽しそうだ。

古いアルバムをひっくり返して聴いていると、ついつい聴きそびれていたり、買いそびれていたものが気になる。寝た子を起こしたように最近は新しく購入する機会も多くなってしまった。とはいっても古い録音が大部分。最近のプレーヤーはあまり知らないこともあり食指があまり動かないのが幸いしている。

それにしても、気になったら新しい盤でも中古でもすぐにネット調べて即オーダー。
あまりに便利になってしまったものだ。昔は足を使って探し回る楽しみがあったのだが。
最近は、ネットの普及であまり人間は「動かなくなって」しまった。実際に動き回ってリアルな体験をするというのは人間には大事なはずだが。

楽器と歌を同時に起用にこなすというのも、本来人間は動き回りながらマルチタスクができる能力があったから。最近はシングルタスク、それも分散処理になっている。
こんなことからも、人間らしさが失われているのが分かる。
それに引き換え、マルチタスクが得意なこのグループは人間的なグループだ。

1. Thou Swell
2. Have You Met Miss Jones?
3. Lover Man
4. Jor-Du
5. It Never Entered My Mind
6. Come Rain Or Come Shine
7. I'll Be Around
8. Just Squeeze Me
9. I Can't Get Started
10. Lullaby Of The Leaves
11. I'll Remember April
12. Mother Machree

Bev Kelly (vol)
Pat Moran (p)
John Dolling (b)
John Whited (ds)
Burt Collins (tp)
Sam Most (fl)
Tony Ortega (as)
Dick Meldnoan (as)
Earl Swope (tb)
Oscar Pettiford (b)

Nat Pierce (Con)

Recorded in New York , March and April 1957

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モダンBIG BANDの原点は・・・?

2007-09-10 | MY FAVORITE ALBUM
WOODY HERMAN / SESOND HERD

ベイシーのオーケストラ。自分の一番のお気に入りの作曲家&編曲家というとNIEL HEFTY。好きな曲が多いという理由もあるが。
すでに紹介した、BASIE (アトミックベイシー)と、BASIE PLAYS HEFTIがその代表作だ。このニール・へフティ、ウディーハーマンのオーケストラにもアレンジを提供していたそうだ。あまり気にも留めていなかったのだが。
ハーマンといえばセカンドハード。試しにセカンドハードの演奏している曲を眺めてみると確かにへフティーの名前とアレンジがある。

セカンドハードといえは、サックスセクション(ゲッツ、シムス、コーン)。
曲はアーリーオータム。編曲はラルフバーンズ・・・・と、イメージはこれに尽きる。
このアルバム自体、その曲が入っていたので買い求めた次第だ。

改めてこのアルバムを通して聴いてみる。
キャピタルに移籍して吹き込まれた曲の中から、歌伴を除いたオーケストラ演奏だけを集めたもの。それなりに、意味ある選曲だ。

ちょうど、自分が生まれた前後の録音。
Bopが流行っていった頃のオーケストラの演奏は如何に変わろうとしたのか?アレンジャーの個性と共に、それだけでも興味ある内容だ。
戦後の復興の時、そして試行錯誤の時代であり、世の中のエネルギーが何でも新しい物を求めていて、それに正解があった訳ではない。
このハーマンのオーケストラは、この難題にチャレンジしていた。

ボーカルのバップコーラスを加えたり、バーンズに斬新なアレンジを依頼したり。いわゆる「スイングオーケストラの次世代」というのではなく、スイングを超える次世代のオーケストラを目指していた。
その意味では、ベイシーオーケストラがモダンスイングの頂点を極めたとすると、ハーマンのオーケストラは、ガレスピーのオーケストラと同様に、本当の意味のモダンビッグバンドの原点ともいえる。

そのアルバムは、ラルフバーンズがアレンジした曲が半分。
いわゆるフォーブラザースサウンド、サックスのクールなサウンドの高音域のアンサンブルが特徴だ。
残りは、ショーティーロジャースが半分。ラルフバーンズと好対照な、バップ色の強い歯切れのよいアレンジ。
この時代のハーマンは、2人の特徴あるアレンジャーのお陰で、ガレスピーに負けない派手なバップサウンドと、クールなウェストコーストサウンドに繋がる2つの顔を持つオーケストラだったことが分かる。
その間に挟まるように、へフティのアレンジやアルコーンの編曲が加わっている。

メンバーの入れ替わりも短期間で激しく変っている。あの、ゲッツ、シムス、コーンが一緒にプレーしたのも、このセカンドハードの活動のほんの一時期だった。
プレーヤーの変化に加え、編曲者によって、オーケストラの演奏も微妙に異なっていくのが分かる。
その後、西海岸を中心に活躍したジャズミュージシャンの大部分がハーマンオーケストラの出身という事実を見ても、このハーマンオーケストラのエネルギー、演奏はもちろんのこと、それを支えたアレンジャーの活躍も重要だったのであろう。

へフティーのアレンジはThe Great LieとTenderlyの2曲だけだが、何となく、ベイシーのアレンジの予兆を感じる。
Spainでは、トランペットの席に座っているが、アレンジはバーンス。

改めて、このセカンドハードを聴いたがすごいバンドだ。この前向きのパワーが、代は替わっても50年以上持続したのに更に感心する。
ハーマンが過小評価されているような気がする。

<Session 1 >

That's Right
Lemon Drop
Early Autumn
Keeper Of The Flame

Stan Fishelson, Bernie Glow, Red Roney, Ernie Royal (tp)
Shorty Rogers (tp,arr)
Bill Harris , Bob Swift, Earl Swope, Ollie Wilson (tb)
Woody Herman (cl, as, vo) Sam Marowitz (as)
Stan Getz, Zoot Sims, Al Cohn (ts)
Serge Chaloff (bs)
Lou Levy (p)
Chubby Jackson (b,vo)
Don Lamond (d)

Recorded in Hollywood, CA, December 29~30, 1948

<Session 2 >

Not REally The Blues
The Great Lie
Tenderly
Lollypop
Rhapsody In Wood

Stan Fishelson, Al Porcino, Ernie Royal, Charlie Walp (tp)
Shorty Rogers (tp, arr)
Bill Harris, Earl Swope, Ollie Wilson (tb)
Bart Varsalona (btb)
Woody Herman (cl, as, vo)
Sam Marowitz (as)
Gene Ammons, Buddy Savitt (ts)
Jimmy Giuffre (ts, arr)
Serge Chaloff (bars)
Lou Levy (p)
Oscar Pettiford (b)
Shelly Manne (d)

Neal Hefti, Johnny Mandel (arr)

Recorded in NYC, May 26, 1949

<Session 3>

Spain

Conte Candoli , Paul Cohen , Don Ferraro , Bernie Glow , Neal Hefty(tp)
Eddie Bert , Jerry Dorn , Bill Harris (tb)
Woody Herman (cl, as, vo)
Sam Marowitz (as)
Al Chon , Bob Graf , Buddy Wise (ts)
Marty Flax (bs)
Dave Makenna (p)
Sonny lgoe (d)
Milt Jackson (vib)

Recorded in NYC, May 5, 1950

<Session 4>

Music To Dance Of You
The Nearness Of You
Sonny Speaks
Starlight Souvenirs

Conte Candoli , Rolf Ericson , Don Ferraro , Doug Mettome (tp)
herb Randel , Jerry Dorn , Bill Harris (tb)
Woody Herman (cl, as, vo)
Sam Marowitz (as)
Phil Urso , Bob Graf , Buddy Wise (ts)
Marty Flax (bs)
Dave Makenna (p)
Sonny Igoe (ds)

Recorded in NYC, June 25, 1950


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洋の東西を問わず「東西対抗」というものがある・・・・。

2007-09-01 | MY FAVORITE ALBUM
Lenard Feather / West Coast vs East Coast / A battle of Jazz

日本では、関東 VS 関西だが、多くはスポーツの世界での対抗戦。広いアメリカでは、西地区と東地区でそもそもリーグが分かれている。日頃行き来をするのも大変なのだろう。
JAZZの世界では、50年代“WEST COAST” VS.“ EAST COAST”、場所も変ると文化も変る。違ったカラーのJAZZが同時進行していた。関東の濃い口に対して関西の薄口仕立てのようなものだ。薄口でも、微妙な味付けがWESTの特徴だろう。

色々企画好きのプロデューサーのレナードフェザーが、バトルシリーズをやっていたが、このWEST対EASTを対決させたアルバムがこの一枚だ。
東のリーダー格はサドジョーンズ。ベイシーの仲間を引き連れて参加した。そして、ベースにはOscar Pettifordも参加。一方、西組はアンドレプレビンやバディコレットが参加しているが、いつものWEST派の第一線級メンバーかというと・・?。一軍かもしれないが、JATPのようなオールスターの東西決戦という訳ではないといったところか。
しかし、その方がかえってお祭り騒ぎにはならずに、しっかりと隅々まで企画されている。
まずは、同じ曲を東西で。それぞれアレンジを含めてどう料理するかを面白く聴ける。
当然アレンジの作風も違うし、ソロの入れ方も違って同じ曲だが全く別物に仕上がる。
演奏は正直可も無く付加もなくといったところかもしれない。レナードフェザーの企画物はどうも興味半分で聞いてしまうせいかも知れないが。
そして、最後の一曲のLOVER COME BACK TO MEは、なんと東西で別に録音されたものをつなぎ合せたものだそうだ。東のイントロで、西に移るとプレビンも熱っぽいプレーをし、それにされたかの如く、東が多少アップテンポに引き継ぐという流れは言われなければ分からないかも。ピアノのプレビンがヴァイブを披露している曲もある。VICTOR FELDMANのヴァイブに較べると余興の域を出ないが、これもある意味お祭りセッションのおまけかもしれない。
サドジョーンが入っていたので、興味半分で買った一枚であった。
ベイシーオーケストラの絶頂期を引っ張っていたサドジョーンズは、仲間を連れてたまにはこんな演奏もしていたということだ。

THE GOOF’N I (W)
THE GOOF’N I (E)
HERE’S PETE (W)
HERE’S PETE (E)
BEVERY HILLS (E)
BEVERY HILLS (W)

EAST COAST,WEST COAST (EAST SIDE, WAST SAIDE) (E)
EAST COAST,WEST COAST (EAST SIDE, WAST SAIDE) (W)
LOVER COME BACK TO ME (W&E)

WEST COAST STARS
Pete Rugolo (arr.)
DonFagerquist (tp)
Bob Enevoldsen (Vtb,ts)
Buddy Collette (ts,as,fl)
Andre Previn (p)
Curtis Counce (b)
Stan Levy (ds)
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ベイシーに負けずに我々も・・・・・

2007-08-30 | MY FAVORITE ALBUM
The Oscar Pettiford Orch. in Hi-Fi. / O.P.'s Jazz Men. Volume Two

ベイシーのオーケストラが第2期の黄金期を迎えていた1957年、BIG BANDの世界が全体では必ずしも絶頂期を迎えていた訳ではない。BIGBANDに付き物のダンスをする場も少なくなり、17人編成の大所帯を維持する仕事場が多くあった訳ではなかった。
一方でジャズの進化はバップムーブメントが行き渡り、本格的なモダンジャズの時代へ一段とアクセルが踏まれた。西海岸と東海岸で別のアプローチではあったが、主役はコンボであり個性のあるソロの競演の世界に。
しかし、オーケストラの世界でも新しいジャズへの取り組みが忘れ去られていた訳ではない。色々なプレーヤーがBIG BANDに挑戦したアルバムを制作している。QUINY JONESがベイシーやガレスピーのオーケストラから独立して自己の道を歩みだし、「私の考えるJAZZ」を大編成で表現したのもその一枚だし。アートブレーキーもしかり。
いずれも、ベイシーやエリントンの老舗のオーケストラとは違う形で。

この頃、もう一人オーケストラで新しい試みをしていた人物がいる。ベースのOSCAR PETTIFORD。彼が、New Yorkで編成したオーケストラだ。
モダンジャズのベースの祖とも言われているが、この頃、様々なセッションに加わって大活躍をしていた。その中でBIG BANDを編成し、レコーディングだけでなくBIRDLANDにも出演してライブの演奏をしていたそうだ。オーケストラの魅力と可能性を忘れていた訳ではない。

ベティフォードといえばベースだけでなcelloでも有名。ここでも、セロのソロを披露しているがベースの重厚な音と違ってより、乾いた歯切れの良いメロディアスなプレーが聴ける。
オーケストラには、New Yorkの新進気鋭のメンバーを集めているが。
17人編成のレギュラー編成にはこだわらない・・・
フレンチホルンが入ったまろやかなサウンド・・・。
一曲だがハープを加えた斬新な曲想・・・など、クインシーにも共通する既存の枠組みにとらわれないチャンレンジングな編成と演奏になっている。
演奏内容自体は、周りで進化しているジャズの流れをBIGBANDの世界でどのように表現するかに挑戦しているが、何も小難しくすることが目的ではなく大編成のモダンサウンドへの挑戦だ。これも、クインシーと合い通じるところがあるように思う。
そして、ここにもメンバーの中にJerome Richardsonがいる。彼は、いつの時代にも先進的なオーケストラには声が掛かる。やる気があって、実力があり、融通が利くメンバーとなると人材豊富なニューヨークといえども何人もいる訳ではないからだろう。
このオーケストラ自体も短命に終わる。そして、ペティフォードもヨーロッパに渡り60年には38歳で亡くなっている。彼ももう少し長生きしていたら、もっと色々な側面で活躍したに違いない。

このアルバムのプロデューサーはCreed Taylor。
彼も元々はトランペットを吹いていたが、いつの間にか楽器を置いてプロデューサー業に。
過去の枠組みに囚われずに、新しいJAZZを追い求めた人間の一人だろう。それも、新しさの方向に難解に道を求めるのではなく、聴きやすさを常に意識しながら。しかし音作りの複雑さと意外性を探求してきたのは、QUINCY JONESと同じ世界。2人の共作も何枚かある。
自分の好みの原点も、古き良き伝統を引き継ぐ演奏に加えて、このようなアプローチの音楽に興味があったことを、自分の持っているアルバムをひっくり返しながら最近改めて再認識した次第。これまで紹介したアルバムの中にも、そもそもタイトルのA DAY IN THE LIFE以外にも、クリードテイラーのプロデュース作品が多くあるような気がする。


The Now See How You Are
LAURA
Aw! Come On
I Remember Clifford
SOMEWHERE
SEABREEZE
LITTLE NILES

Oscar Pettiford Orch.
Kenny Dorham,Ray Copeland, Art Farmer (tp)
Al Grey(tb)
Julius Watkins, David Amram (fr-h)
Gigi Gryce (as, arr)
Benny Golson (ts, arr)
Jerome Richardson (ts, fl)
Sahib Shihab (bs)
Dick Katz (p)
Oscar Pettiford (b, cello)
Gus Johnson (d)
Betty Glamann (harp*)

Produced by Creed Taylor
Recorded in New York City , August 23 , 1957

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このメンバーが集まれば、「カンサスシティー」に想いを寄せて・・・・

2007-07-19 | MY FAVORITE ALBUM
KANSAS CITY MEMORIES / Nat Pierce and his Orchestra

1955年、ウディーハーマンのサードハードを離れたナットピアースは、New Yorkでスタジオワーク中心の仕事をすることになる。
1956年の6月、そのNew Yorkで、ラジオのDJをやっているAL ‘jazzbo’ Collinsがプロデュースしてスモールグループを集めた。
ピアースの他は、一緒にハーマンオーケストラにいたトロンボーンのBill Harris。
さらに、ベイシーのバンドのJoe Newmanのトランペット、Freddie Greene、そしてベイシーにいた、Hal Mckusickのアルトに、ドラムのJoe Jones。
このメンバーになると、どう見てもベイシーのバンドの音が聞こえてくる。
ピアースのピアノは、よくベイシーに似ているといわれるが、まさにベイシーの役を演じる舞台が揃った。ピアースの役割はベイシーの影武者とならざるを得ない。

といっても、ベイシーのコピーではなく、曲の半分はピアースが提供しアレンジもピアースが行うことになるが。このバンドから聞こえる音は、やはりベイシーが得意とする古き「カンサスティー」の香りがプンプン漂う。

その後ピアースは、60年代の始めは再びハーマンに復帰するが、60年代後半には西海岸に移る。そこでもこのベイシー譲りの「カンサスシティーの香り」を大事に活動する。
HANNAとのアルバムもその一枚である。
その後、Capp-PierceのJuggernautオーケストラで活躍するが、Concordにも何度か登場することになる。

実は、ベイシーもピアースもカンサスシティーの出身ではないが、カンサスシティーの古き良き伝統のJAZZを守った二人だ。

THE BEARDED ONE
I’LL BUY THAT DREAM
MAPLE LEAF RAG
SLIPPERY WHEN WET
A TRIP TO NATHANES
OLD REV
SIOUX CITY SUE
THAT’S ALL
A AIN’T GOT NOBODY
ROJISERRO

<Personnel>
Joe Newman (tp)
Bill Harris (tb)
Hal Mucksick (as)
Nat Pierce (p)
Freddy Greene (g)
Oscar Pettiford (b)
Joe Jones (ds)

Recorded in New York , June 1956



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COSBYとのジャムセッションを一緒にやったQUINCYとMILT JACKSONの出会いは・・・・

2007-07-10 | MY FAVORITE ALBUM
PLENTY, PLENTY SOUL / MILT JACKSON

BILL COSBYのテレビショーの収録時にジャムセッションを繰り広げていたメンバーの中にMILT JACKSONの名前がある。このセッションのリーダー格を努めていたRay BrownとJacksonはというと、一緒にグループも編成していた仲間同士。気楽に参加していたのだろう。

このミルトジャクソンは、1956年の9月、QUINCYの初リーダーアルバム「This is how I feel about jazz」 に参加している。MJQでの活動が本格化してきている中グループを離れての参加だった。

翌年、今度はMILT JACKSONのリーダーアルバムに、QUINCYが編曲を提供しているのがこの一枚。MILT JACKSONの代表作であるが、これにもクインシーが関わっていたという訳だ。自分のアルバム録音に馳せ参じてくれたお返しともいえるかもしれない。
ちょうど、ガレスピーのオーケストラを離れてQUINCYが色々なグループにアレンジを提供していた時の一枚だ。

録音は2つのセッションに分かれているが、いずれもQUINCYのアレンジ。
MJQを離れたジャクションは、アルバムタイトルどおりMJQにおける演奏とはうって変わって、実に「ソウルフル」な演奏をしている。
ジャクソンの変身振りはよく言われていることだが、このアルバムでは、あまりお祭り騒ぎになっていない。全体をQUINCYのアレンジが引き締めているからだろう。

QUINCYのアルバムでも演奏していたキャノンボールアダレーのサーモネットをやっているが、この曲調がこのセッションにも実に合う。好きな一曲だ。

2つのセッションでは、編成の大きな7日のセッションの方がクインシーらしさをより感じる。ピアノのホレスシルバーやアートブレーキーの参加が、いつものクインシーのアンサンブルよりダイナミックな力強さを与えて、ジャクションのソウルフルなプレーに花を添える。

Ignunt Oil
Blues At Twilight
Sermonette
The Spirit-Feel

Joe Newman (tp)
Lucky Thompson (ts)
Milt Jackson (vib)
Horace Silver (p)
Oscar Pettiford (b)
Connie Kay (d)

Recorded in NYC, January 5, 1957

Plenty, Plenty Soul
Boogity Boogity
Heartstrings

Joe Newman (tp)
Jimmy Cleveland (tb)
Cannonball Adderley (as)
Frank Foster (ts)
Sahib Shihab (bars)
Milt Jackson (vib)
Horace Silver (p)
Percy Heath (b)
Art Blakey (d)
Quincy Jones (arr)

Recorded in NYC, January 7, 1957
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シアトルのクソ餓鬼の「師匠」への恩返し

2007-05-17 | MY FAVORITE ALBUM
CLARK TERRY

「師匠」という言葉がある。先生や先輩よりも響きがいい言葉だ。

一般的な教養や知識は本、いや、今ではインターネットで簡単に身につけることができる。
しかし、音楽を含めて芸術や技術は体に覚えこませなければ、なかなか一人前にはなれない。その為には才能があることが前提にはなるが、それに加えて良き指導者と、その元で切磋琢磨して練習に励む努力が必要である。実際に手とり足取り「技」を授けてくれるのが「師匠」だ。
誰でも自分の人生の中で、何かのテーマで誰か「師匠」というものが存在し、その人に対しては一生尊敬と感謝の気持ちが続くものだ。
特に、技を極めれば極めるほど、「師匠」の教えがよく分かる。

自分も小学生時代、水泳の指導を受けて初めて泳げるようになった時の師範を忘れることができなかった。自分にとっての泳ぎの「師匠」だ。

その後、学校の先輩であったその人の消息を知る事も無かったが。十数年して会社勤めを始めた時、その会社にその先輩がいることが分かった。
そして、それからまた十数年して、同じ職場で働くことになった。
ちょうど職場にコンピューターが導入され始めた時であった。
自分はその推進役。反対にその先輩は部門で一番の機械音痴。アシスタントの女性もいささか面倒を見るのに手を焼いた厄介者だった。
何度教えても覚えない、分からないとすぐに聞きに来る、人一倍手が掛かる一人であった。
とにかく手の掛かる先輩ではあったが、自分にとって師匠はいつまで経っても師匠だし、反対に、遠慮せずに何でも聞いてくれるのが嬉しかった。
自分は、その先輩からの質問にどんな些細な事でも対応していた。というよりは、せざるを得なかった。昔の恩返しが少しでのできればという気持ちで。
いつのまにか、その先輩は例外処理や裏技にも長けた部門一番のシステムの使い手になってしまった。マニュアルにも出ていない現場発想の使い方を駆使して。
そのうち、システムでの処理の仕方が分からなくなると、誰もが対応方法をその先輩に聞くようになった。
システムの開発に携わっていた自分としては、コンピューター音痴の先輩が、こんなようなユーザーの鏡のように育ってくれて(失礼な言い方だが)嬉しくてならなかった。
先輩がシステムをマスターできたのは、きっと自分が先輩にとって「師匠」の役割を果たすことができたからであろう。

クインシージョーンズの音楽生活の最初はトランペットとの付き合い。
その「師匠」が実はクラークテリー。
まだ10代の前半、クインシーはすでにプロとしてプレーしていたクラークテリーの元に、教えを請うために日参した。クインシーは、夜の遅い仕事を終え数時間の睡眠の後、学校へ行く前のクインシーに、唇の上手な使い方から手取り足取り早朝レッスンをしたそうだ。
テリーも、何の義理も無い「シアトルのクソ我鬼」クインシーにそこまでしたのは、その時クインシーに「何かを感じた」と回想している。
クインシーにとって、クラークテリーは一生忘れられない「師匠」であり、その後、彼の人生にとっての恩人にもなる。

ハンプトンのバンドを辞めてニューヨークに戻ってきた新婚早々のクインシーにとって、手っ取り早く収入を得る手段はアレンジだった。
実際に、この頃、色々なバンド、そしてセッションにアレンジを提供している。
名盤、クリフォードブラウンとメリルのアルバムもその一枚である。
ほぼ同じ時期に、トランペットの「師匠」であったクラークテリーのアルバムにも、作編曲を提供している。メリルのアルバムの録音から1週間ほど経った、1955年の年明けすぐの録音だ。
初めてトランペットの手ほどきを受けてから、まだ10年足らずしかたっていない。

クラークテリーにとっては2枚目のリーダーアルバム。
1920年生まれなので、35歳の時。脂ののりきった時。
50年代は、デュークエリントンオーケストラのメインプレーヤーとして活躍している真っ最中。
ハードバップ創世記の有名なプレーヤーを集めて、クインシーのアレンジでの演奏だ。
テリーのトランペットは、トランペットをストレートに輝かしくプレーする反面、なんとなくユーモアを感じさせる吹き方をする両面の特徴を兼ね備えているが、ここでも素晴らしいプレーが続く。お得意の歌は登場していないが。
テリーだけでなく、他のメンバーもバップから次の新しい時代を感じさせるサウンドを求めて、思う存分伸び伸びとプレーしている。
3管の大きな編成の手綱を締めているのがクインシーだ。
中でも、このセッションの特徴はオスカー・ぺティフォードのセロ。随所でソロを聞かせている。セロのソロとは珍しい。
他にも、数年後にはそれぞれのメンバーが大活躍する兆しをふつふつと感じさせる名演が続く。

テリーにとっても、こんなに早く自分がトランペットを教えた弟子から恩返しを受けるとは思いもしなかったであろう。

そして4年後、2人の間は、テリーがQuincyの自己のBIG BAND編成の夢の実現のために、エリントンオーケストラの花形スターの座を捨てて協力する関係に深まっていく。

Double Play
Slow Boat
Swahili
Co-Op
The Countess
Chuckles
Tuma
Kitten

 Clark Terry (tp)
 Jimmy Cleveland (tb)
 Cecil Payne (bars)
 Horace Silver (p)
 Wendell Marshall (b)
 Oscar Pettiford (b, cello)
 Art Blakey (d)
 Quincy Jones (arr)

  Fine Sound Studios, NYC, January 3 & 4, 1955

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男なら、一度でいいので女性からこう言われてみたいものだ。

2007-05-16 | MY FAVORITE ALBUM
The Nearness of You / Helen Merrill

あなたの傍にいるだけで、私はそそられてしまう。
やさしい話より、傍にいてくれるだけでいい。
そして、腕の中に抱かれるとき、大きな夢が叶うの・・・・

「THE NEARNESS OF YOU」。

最近では、ノーラジョーンズのアルバムに入っていた記憶がある曲だ。

この曲をタイトルとした、ヘレンメリルのアルバムがある。
ヘレンメリルといえば、クリフォードブラウンとの共演が有名だが、あまりに有名過ぎると、他のアルバムの印象が薄くなってしまう。
実は、EVANSとの共演ということにつられて、このアルバムを買った次第。

このアルバムは、2つのセッションに分かれているが、どちらもフルートを傍らに従えて歌っている。
もともと、彼女の歌は、圧倒的な歌唱力で、前面に出てどんどん周りを引っ張って行くタイプではない。
彼女は、いつも語りかける相手がいて、反対にそれに応えてくれる相手が必要なタイプだ。
相手といっても、図太いテナーサックスや甲高いトランペットは似合わない。

彼女の相手をするには、ちょうどいい相手が見つかった。
まだまだ、フルートの演奏がポピュラーではなかった時代だが、彼女の傍らにはフルートの音色がよく似合う。

彼女のハスキーな歌声の誘いに、58年2月のセッションには、BILL EVANSも加わっている。これもメリルとの相性はぴったりだが、今回は裏方に徹している。
EVANSは、その後マイルスと共演し自己のトリオへと一気に羽ばたいていった。
エバンスにとっては、ほんの通過点のセッションだったと思うが、エバンスはメリルの腕にしっかり抱かれて「彼の大きな夢」が実現していったのかもしれない。

曲はいずれもスタンダードの有名な曲ばかり。
このまえ、カーメンマクレーのオーケストラをバックのBye bye blackbirdを聴いたばかりであるが、このような小粋な雰囲気もまたいいものだ。

Bye Bye Blackbird
When The Sun Comes Out
I Remmember You
Softly As In A Morning Sunrise
Dearly Beloved
Summertime

 Mike Simpson(fl)
 Dick Mark (p)
 John Frigo (b)
 Fred Rundquist (g)
 Jerry Sloberg (ds)
 Helen Merrill (vo)
 David Caroll (supervision)

  Universal Recording Studios,Chicago, 18&19,1957

Let Me Love You
When The Sun Comes Out
All Of You
The Nearness Of You
Just Imagine

 Bobby Jaspar (fl)
 Bill Evans (p)
 George Russell (g)
 Oscar Pettiford (b)
 Jo Jones (d)
 Helen Merrill (vo)
 Hal Mooney (supervision)

  NYC, February 21, 1958

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メリルといえば定番になるが、久しぶりに聴いてみると・・・・

2007-04-24 | MY FAVORITE ALBUM
HELEN MERRILL

桜も終わり新緑の季節。一年で一番緑が美しく感じる時かもしれない。
花曇りの空の先週末のゴルフ場で。「淡い緑」が木々から湧き出て押し寄せてくるような感覚をもった。ぎらぎら輝く太陽の元、メリハリの効いた鮮やかな緑が飛び込んでくる感覚とは明らかに違う。
木々を良く見ると、同じ緑でも微妙に色が違う。ひとつひとつの木々の微妙に特徴ある色彩も美しいが、それらが合わさった全体の色のバランスは何ともいえない美しさを感じる。

HELEN MERRILLというと、このクリフォードブラウンとの共演が真っ先に上がる。
昔から何度も聴いたアルバムだが、久々に聴いた印象は、まさに今の季節そのものだ。

メリルの歌声は独特のハスキーボイス。夏の太陽のイメージとは程遠い。
春霞のオブラートにくるまれた春の景色の下絵のようだ。
クリフォードブラウンのアレンジはまさに木々の淡い緑。ひとつひとつの音は控えめに、派手さはないがお互いが絡み合って「モワっと」湧き出てくるような感覚は、今の季節の林を見ているようだ。
ブラウンのトランペット、ガルブレイスのギター、そしてバンクのフルート、・・・・・。
緑の木々に間に、転々と色づく春の花のようだ。

ブラウンとクインシーは友人同士。ライオネルハンプトンのバンドでは隣同士に座ってトランペットを吹いていた仲。
このセッションには、クインシーはアレンジで参加している。
メリルとブラウンの共演ばかりが、このアルバムの紹介されることが多いが、実は2人を浮かび上がらせる、クインシーの「木々の緑」のバックの色使いの妙が、このアルバムを魅力的にしているのではないかと改めて感じた次第。

でも、やはりこれはメリルの名盤だ。
改めてジャケットの表紙をみると、アルバムタイトルは「HELEN MERRILL」。
クリフォードブラウンの名前もクインシーの名前もない。

‘S WONDERFUL
YOU’D BE SO NICE COME HOME TO
WHAT’S NEW *
FALLING IN LOVE WITH LOVE *
YESTERDAYS *
BORN TO BE BLUE
DON’T EXPLAIN

HELEN MERRILL (vol)
Clifford Brown (tp)
Danny Banks (bs,fl)
Jimmy Jones (p)
Barry Galbraith (g)
Milt Hinton (b)
Oscar Pettiford (b) *
Bobby Donaldson (ds) *
Osie Johnson (ds)
Quincy Jones (arr.&cond)

春には程遠いニューヨークのクリスマスイブの録音。

Recorded in New York on 22,24 December , 1954

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