A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

伝統を重んじ、先輩を思い出しながらも新しい試みを・・・

2007-08-21 | MY FAVORITE ALBUM
TRADITIONALISM REVISITED / THE BOB BROOKMEYER QUINTET

暑い日が続くが、「真夏の夜のJAZZ」となると、あのNEWPORTのドキュメンタリーだ。
最初に登場するのがジミージュフリー。ボブブルックマイヤーとのトリオの演奏で始まる。
ホットなジャズの中でちょっとした清涼剤ともいえる演奏だ。

ボブブルックマイヤーは、ジェリーマリガンとのコンビや、クラークテリーとの双頭コンボなど、コンボの演奏では相棒を従えた編成が多い。相手を気遣いながらあまりしゃしゃり出ることも無く確実なプレーをするいい女房役なのかもしれない。
一方で、サドメルのオーケストラで見せたような見事な編曲とダイナミックなプレーも得意とする。きっと理論家でもあり、研究家なのであろう。計算尽くされたプレーが色々な側面で見受けられる。ちょうど、サドメルが始めて来日した時にそのプレーぶりを目の当たりにしたが、縁無しのめがねをかけた風貌は、一見大学教授かビジネスエリート。プレーぶりも実直そのもの。お茶目なサドジョーンズや、ローランドハナとは一味違った雰囲気を醸し出していた。

ジャズは常に前向きの新しい物を追い求めているように思えるが、古きよき伝統と先輩たちのプレーを継承していくのも大事なことだ。アニーロスにしてもデイブフリッシュバーグにしても、彼らなりの解釈で過去の名演や名プレーヤーを称える演奏を残している。
ボブブルックマイヤーも、そのようなアルバムを残している。タイトルそのものも、伝統主義への回帰と多少仰々しいタイトルが付けられている一枚だ。ちょうどNewport出演の一年前の録音。いつものトリオに、ベースとドラムを加えたクインテット。ブルックマイヤーが時折ピアノを弾くが、全体の音作りはいつものトリオと変らない。
ただし、このアルバムは過去の名演を確実に彼らなりの解釈を加えて演奏している。しかし単なるコピーではなく彼らのサウンドで再構築している。
伝統を重んじながら常に進化を求めるとはこのようなことなのだろう。
今の時代も本当はそれを求められているような気がする。過去を捨てたり壊すのではなく、よい伝統を将来に引き継ぐ策を。


LOUISIANA
SANTA CLAUS BLUES
TRUCKIN’
SOME SWEET DAY
SWEET LIKE THIS
JADA
DON’T BE THAT WAY
HONEY SUCKLE ROSE

Bob Brookmeyer (vtb,p)
Jimmy Giuffre (cl,bs,ts)
Jim Hall (g)
Joe Benjamin, Ralph Pena (b)
Dave Bailey (ds)

Recorded July 13.16 1957
コメント
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