A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

気の合う2人が話始めると・・・・どんな話題でも会話が尽きません

2007-08-11 | CONCORD
POOR BUTTERFLY / Barney Kessel・Herb Ellis

落語と漫才。
落語が一人で多様な芸を披露するのに対して、漫才は2人での掛け合いのコンビネーションが大事になる。大体はボケと突っ込みに分かれるが、2人の呼吸の合わせ方が芸の技だ。
ジャズでもソロの楽しみだけでなく、2人の掛け合いが楽しみのひとつだ。それも同じ楽器の掛け合いだと、同じ楽器といえどもそれぞれのプレーヤーの違いも浮き彫りになる。

サックスなどの管楽器だと大体は対決モードになり、アップテンポのバトルが売りになることが多いのだが。
ところがギターのDUOだと、あたかも2人で会話を楽しんでいるような雰囲気になる。もちろん丁々発止とやりあうこともあるが、それは大体Rockの場合。ジャズの場合は、派手に立ち回ることはない。
大体はソロにうまく合いの手を入れたりリズムを刻んだり。相手にソロを代わっても、自分でできることを周りで甲斐甲斐しく面倒を見ているといった感じだ。
これが2人の絶妙なコラボレーション効果を生む。内に秘めた緊張感、2人で作り出すスイング感がなんとも言えず心地良いものになる。

Concordは最初から、ギターが売り物のひとつ。色々なプレーヤーが入れ替わり立ち代り登場してDUOやTRIOのプレーを披露してくれている。KESSELもELLSもレーベル立ち上げ時からの常連だが、実は2人のDUOというのはこれが初めてのアルバムだ。GREAT GUITARSというCHARLIE BYRDを加えたTRIOの中で、2人のプレーはやっていたが。
日常のライブ活動では、この頃2人でプレーをすることも多かったらしいので、呼吸はぴったりだ。

ほぼ同じ時代を活躍してきて、よくスイングして、白人でありながらブルースも得意として、2人ともオスカーピーターソンと一緒にプレーをした経歴を持った、似たもの同士であるが、2人の音は微妙に違う。多少固めの音のケッセルに対して、エリスは角のとれたメローなサウンドが特徴。これが、縦横無尽に絡み合う。バックはHANNAのドラムとBUDWIGのベースだけ。管やピアノもないので、あくまでもギターの2人が主役。
Concordらしい企画のアルバムだ。

アップテンポでもバラードでもこなれたプレーが聴けるが、ウディーハーマンで有名なアーリーオータムは、どうしてもサックスセクションの分厚いメロディーを思い浮かべてしまうが、2人のギターサウンドで、それなりの厚みを感じさせるメロディーラインを作っている。そして、ブルーベリーヒルでは、カントリーウェスタン風に。ギターという楽器は味付けひとつで、色々な料理の仕方があるものだ。

DEARLY BELOVED
MONSIEUR ARMAND
POOR BUTTERFLY
MAKE SOMEONE HAPPY
EARLY AUTUMN
HELLO
BLUEBERRY HILL
I’M A LOVER
BRIGITTE

Herb Ellis (g)
Barney Kessel (g)
Monty Budwig (b)
Jake Hanna (ds)

Recorded 1977
Concord CJ-34
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災い転じて・・・・福と成る。

2007-08-10 | MY FAVORITE ALBUM
SONNY STITT (PLAYS ELLINGTON)Previously Unreleased Recordings 

一昨日は仕事でトラブル発生。何かが起こると人間は知恵が働くもの。何とか解決の方向というより、かえっていい結果を生む策が見つかりそう。平穏無事な毎日よりも、多少色々事件が起こった方が、何事もしっくりいくのかもしれない。

カーメンレジオがアルトとテナーの両刀使いであったがこの代名詞はソニーステット
何でもアルトのプレーがパーカーに似ていたので、あえて一時アルトを避けてテナーを良く吹いたと言われているが・・・。

ジャズの楽しみのひとつは、人とメンバーと曲にアレンジ、それに演奏の時期と場所で、それぞれが”ONLY ONE”の演奏になるということだろう。ひとつ、要素が違っただけでも、全く別物になることになる。したがって、昔の名演が時代を超えていつまでも“ONLY ONE”の演奏としていき続けている。一時、幻の名盤ブームがあり、未発表録音の発掘が行われ、CD時代になると未発表テイクや曲が追加されるようになった。
まだまだ、世の中には埋もれた”ONLY ONE”の宝物の演奏が山のように残されているのだろう。ジャズが新しいものや新人を追い求める楽しみがある一方で、昔の宝探しをやるのが楽しみになっている。コレクターにとっては、レコードのオリジナル盤や版までにこだわることになるが。

さて、今回のSONY STITTのアルバムは、一時VERVEレーベルで未発表録音をシリーズでリリースした時の一枚。大量の録音をしていたVERVEレーベルのマスターの倉庫はそれこそ宝の山だろう。
その中からの一枚だが、何故これがお蔵入りしていたか分からない好アルバムだと思う。
スティットのアルトとテナーをどちらもたっぷり聴け、曲はエリントンの名曲集、バックも申し分ないし、録音も悪くは無い。
プロデューサーはクリードテイラーだそうだが、彼が気に入らなかったのか、会社都合なのか、スティットが没にしたのか。果たして理由は・・?
いずれにしても、理由はともあれせっかく録音した演奏の発売が没になったのは関係者にとってはトラブル。でも、その後陽の目を見て、時代を超え聴き継がれることは関係者にとっては嬉しいことであろう。
最近、CDに別テイクがぎっしり入っているのは、時にうんざりすることがあるが、このような埋もれたアルバムが世にでることは大歓迎だ。

It Don't Mean A Thing
I'm Beginning To See The Light
Perdido
Sophisticated Lady
Don't Get Around Much Anymore
I Let A Song Go Out Of My Heart
Do Nothin' Till You Hear From Me
C Jam Blues
In My Solitude

Sonny Stitt (as, ts)
Lou Levy (p)
Paul Chambers (b)
Stan Levey (d)

Recorded in Los Angeles, CA, June 20, 1960
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自由にやっていいというと・・・・・とかく気負いがちになるものだが

2007-08-09 | MY FAVORITE ALBUM
SMILE / CARMEN LEGGIO QUARTET

JAKE HANNAのアルバムでCARMEN LEGGIOが登場したので彼のプレーを引き続き。
HERMANFERGUSONのオーケストラでの演奏は、これまで紹介したアルバムでも聴けるが、彼自身のリーダーアルバムはあまりない。
自分が持っているのはこの一枚だけ。古き良き時代のジャズが復活してきた時、レーベルとしても復活してきたGus StatirasのPROGRESSIVEレーベルの一枚だ。以前、THE ALL STAR TENOR SPECTACULARを紹介したが、こんな一枚も作っていた。メジャーレーベルでは見られない、飾りっ気の無い演奏だ。レジオが自ら書いているライナーノーツには、「プロデューサーのGASは、今自分がやりたいことをすべて自由にやらせてくれた」と記されている。

このアルバムの録音は1977年なので、ちょうどConcordのJAKE HANNAのセッションに加わったのと同じ時期。この頃、サドメルのオーケストラにも参加しているし、New Yorkを中心に結構活躍していたのだろう。
地味な存在だが、よくスイングする存在感があるプレーが心地よい。A面は最初はテナーで、途中からはアルトの両刀使いだ。テナーがZOOT SIMSのように流暢で軽快なのに較べてアルトのプレーはWOODSのように熱っぽい攻撃的なプレーが対照的だ。

2曲目のJAPANESE SANDMANは日本のジャズファンに捧げたものだそうだ。エンディングがよくあるオリエンタル風の終わり方だがこれは愛嬌。この頃は日本のジャズファンの存在も大きかったということだろう。
LEGGIOは今でも、ニューヨークのお隣のコネチカットで元気に地元のセッションでプレーしているようだ。こんな演奏を聴きに行ってみたいものだ。

BROADWAY
JAPANESE SANDMAN
SMILE
CHEROKEE
SOMEDAY MY PRINCE
WHO CAN I TURN TO
OKAY BUG
MINCHCLIFFS

CARMEN LEGGIO (ts&as)
DEREK SMITH (p)
RONNIE BEDFORD (ds)
GEORGE DUVIVIER (b)

Recorded January 26, 1977 at the Downtown Sound Studio , New York
Produced by Gas Statiras

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ドタキャンの功罪・・・・

2007-08-08 | CONCORD
JAKE TAKES MANHATTAN / THE JAKE HANNA QUINTET

予定が急にキャンセルされることがある。自分はよほどの事が無ければドタキャンはしない性格だが。
最初から気が進まない予定であればドタキャンは嬉しい助け舟だが、大体の場合は「せっかく予定をやり繰りしたのに・・・」という気持ちになるものだ。
ドタキャンされた方にとっては迷惑千万ということが普通だ。
特に、グループで予定を立てていると、一人欠けるとそもそもチームが成り立たなくなることもある。野球でエースが不在、舞台で主役が不在ということになると一大事。
ところが、このお陰で代役に控えにハレの舞台に立つチャンスが巡ってきて、思わぬ好結果を生むことが稀にはある。
この場合のドタキャンは、予想できなかった瓢箪から駒を生むという効果もある。
いずれにしても、このような不測の事態への対処はマネジメント能力がものを言う。

西海岸に拠点を置いていたConcordレーベルは、いつもの録音の拠点は当然西海岸。
Concord近くのサンフランシスコが多いが、せいぜいロスが大部分。
その中で、わざわざ東海岸まで録音に出向く企画があった。
標的になったのはローズマリークルーニー。
New YorkでBing Closbyのショーに出演する機会があり、それに合わせて録音の段取りが組まれた。バックを努めるのはConcordのハウスドラマーのようなジェイクハナ。
古巣のニューヨークに遠征し、地元で昔のウディーハーマン時代の仲間を集めてバックバンドを編成。録音に備えた。
ところが、肝心のクルーニーの声が急に出なくなり、録音がキャンセルされることになった。録音に立ち会っていた、プロデューサーのカールジェファーソンは大英断を下す。せっかく集まったこのバンドのメンバーで急遽ヴォーカル無しで録音をすることに。
オーナーでもあるジェファーソンが自由に判断できたことと、自然発生的なセッションを大事にするConcordのなせる技だ。
そして、想定外の素晴らしいアルバムが生まれることになった。

このような事情なので、グループとしてはあまりリハーサルをすることも無かったであろう。曲を選ぶにも馴染みの曲を選ばざるを得なかったのだと思う。
しかしハーマンオーケストラの同窓会なので、もともと呼吸はピッタリだったのだろう。演奏はVERY GOOD。

トランペットのDANNY STILESは、サドメルのオーケストラの初代のメンバーでもあり確実なプレーが売り。CARMEN LEGGIOのプレーは思わぬ拾い物。あまり聴く機会が無かったが、アルトとテナーを持ち替えて縦横無尽の大ブロー。ジョンバンチのスインギーなピアノもこの手の演奏にはピッタリ。歌伴も得意だし、べニーグッドマンのようなスイングコンボ、そしてハーマンやファーガソンのオーケストラでの演奏も得意にしているオールマイティーだが、ここでの「ハードスイング」の演奏にも適役だ。
曲は、New York録音に因んだのか、MANHATTANから始まるが、GOODMANやBASIE、HERMAN、そしてELLINGTONなどの名曲が並ぶ。
古巣のハーマンやファーガソンオーケストラ譲りの、「強烈にスイングする」演奏が、お馴染みの曲で聴ける。
これも、ローズマリークルーニーのドタキャンのお陰だろう。彼女に感謝しなければ。

MANHATTAN
NORTHWEST PASSAGE
A SMOOTH ONE
WAY DOWN YONDERIN’ NEW ORLEANS
HOW ABOUT YOU?
LESTER LEAPS IN
SULTY SERENADE
I NEVER KNEW
THEM THERE EYES

JAKE HANNA (ds)
JOHN BUNCH (p)
CARMEN LEGGIO (as & ts)
MICHAEL MOORE (b)
DANNY STILES ( tp & flh)

Recorded 1977
(Concord CJ-35)
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何事も初志貫徹・・・・・待てば海路の日和あり

2007-08-07 | MY FAVORITE ALBUM
JUKIN' / MANHATTAN TRANSFER

マンハッタントランスファーのデビューアルバムは、普通はアトランティックの1975年のアルバムを言うが、実はそれに先立つ一枚がある。
このアルバムには、「Juking」というタイトルが付いている。
リーダー格はGene Pistilli。5人組でグループ名は「マンハッタントランスファー」の名前がすでに付けられている。この時、今もマントラの核となるメンバーのTim Hauserが参加しているが、他のメンバーは今のメンバーとは異なる。
しかし、中身を聴いてみるとマントラの前身であることは間違いない。

アルバムのタイトルの如く、ジュークボックスをかけたように色々なタイプの曲が次々に流れる。フォークロックのようでもあり、カントリー風でもあり、R&B風に。かと思えば、古きスイング時代のコーラスあり、プラターズのような雰囲気も漂わせながら。
マンハッタントランスファーの原点がまさにここにある。
Tim Hauserの奏でるギターとバンジョーの音色が、アメリカ音楽の歴史を感じさせる。

このアルバムが録音されたのは1971年。ヒッピー文化が世の中を席巻していたとき。
長髪で髭を蓄えたジャケットにある彼らの写真は時代を反映している。
しかし、この後このグループは人気が出ることもなくPisttilliはよりカントリー色を求め、HauserはJAZZ色を好み、このグループは自然消滅してしまう。

Tim Hauserはその後New Yorkでタクシードライバーをしている時、客として乗り合わせたLaurel Masseと出会う。そしてJanis Siegelを加えて新たにグループを結成することに。
1972年にはグループの活動を開始し、75年に晴れてアルバム制作に漕ぎつけ、その後は順風満帆の活躍をすることになる。

人生、出会いときっかけが大事といわれるが。このTim HauserがもしタクシーでMasseに出会わなかったら、MasseがこのアルバムJukin’を聴いていなかったら。そしてHauserが初志貫徹してジャジーなコーラスグループを目指していなかったら。
今のグループは存在しなかったかもしれない。
このアルバムに収められているジャジーな2曲は、You’re the ViperとSunny Dispoish。
このバックには、JerryDodgion, Lew Tabackiin,Garnett Brown,Tim Hauserなどの名前が。そう、サドメルのオーケストラのメンバーなどがバックに入っている。
ジャズぽい音がするはずだ。
この2曲がNew Yorkでの録音。他がNashvilleでの録音というのも2人のこだわりが現われている。
Hauserがこだわったこのジャジーな曲とバックが今のマントラの原点だ。

1. Chicken Bone Bone       McKinnon, Pistilli 3:20
2. I Need a Man           Pistilli, Anthony 3:12
3. You're a Viper*        Waller, Waller, Rachel 1:59
4. Fair and Tender           Ladies Carter 2:41
5. Rosianna          Pistilli, West, Cashman 3:03
6. Sunny Disposish*      Charig, Gershwin, Chang 1:41
7. Java Jive              Drake, Oakland 2:34
8. One More Time Around    Rosie Pistilli, Gutcheon 4:20
9. Guided Missiles          Gaitwood, Williams 3:25
10. Roll Daddy, Roll          Sherman, Pistilli 2:21

MANHATTAN TRANFER
 Gene Pistilli
 Tim Hauser
 Erin Dickins
 Marty Nelson
 Pat Rosalia

Recorded January 25 , 1971, New York ( *)
January 27 ~ Feburuary 1,1971,Nashville (others)

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ジャクソンのオーケストラとの競演は・・・・

2007-08-06 | MY FAVORITE ALBUM
Milt Jackson + Count Basie + The Big Band Vol.2

カウントベイシーオーケストラは、歌手のバックをよく努めた。ジョーウィリアムスは専属歌手としても、シナトラ、サミーデイビス、エラにサラ、そしてミルスブラザースや、LHRとか。ところが、楽器のソロのバックを努めたとなるとあまり思い浮かばない。
その中で、自分が持っているものとなるとMILT JACKSONと競演した一枚。
ヴァイブとオーケストラというとライオネルハンプトンを思い出すが・・・果たしてこの組み合わせは。

ライナーノーツを見ると、JACKSONはBIG BANDとの共演は無いようなことが書いてあるが、ガレスピーオーケストラとの競演もあるし、オリバーネルソンのオーケストラとの共演もあるのだが。まあ、珍しいといいことだろう。
この2人の組み合わせはイメージ的にはありそうだが、実際にはこのPABLOの企画が初めてということのようだ。

曲は、ベイシーの得意曲を中心にお馴染みの曲が並ぶ。出だしは、ベイシーカルテットをバックに軽くウォーミングアップ。続く2曲目からはベイシーのオーケストラがバックに入る。ソロは、あくまでもベイシーとジャクソンだけ。オーケストラはバックに専念するが、ベイシーサウンドはジャクソンのソロを浮き立たせるには実に心地よい。この頃のベイシーもいいメンバーが揃っている。
曲が進み、クインシーの名曲のFor Lena And Lennieで、サックスのアンサンブルに合わせてハミングが聞こえる。たまたま、スタジオに来ていたサラボーンの声だそうだ。
リラックスしたスタジオの気分が伝わってくる。そのまま彼女の一曲があってもいい感じだ。

Concordレーベルが活況を呈していた頃、Pabloレーベルも数多くのアルバムを残している。有名ベテランプレーヤーの競演が多いが、あまりに多くの組み合わせがある。すべての組み合わせを覚えていないが、このベイシーとジャクションの組み合わせは印象に残る一枚だ。

1. 9:20 Special
2. Moonlight Becomes You
3. Shiny Stockings
4. Blues For You
5. Easy Does It
6. For Lena And Lennie
7. On The Sunny Side Of Street
8. Back To The Apple
9. I'll Always Be In Love With You

PERSONNEL
Count Basie (p)
Freddie Green (g)
John Clayton (b)
Butch Miles (dr)
Lyn Biviano, Waymon Reed, Sonny Cohn, Bobby Mitchel (tp)
Fred Wesley, Dennis Wilson, Mel Wanzo (tb), Bill Hughes (btb)
Jimmy Forest, Eric Dixon (ts), Bobby Plater, Danny Turner (as), Charlie Fawlkes(bs), Milt Jackson (vib)

RECORDED at Group IV Recording Studio, Hollywood, Jan, 18, 1978
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ノスタルジーブームの寵児といえば

2007-08-04 | MY FAVORITE ALBUM
THE MANHATTAN TRANFER

戦いがあると、脇目をふらずに前向きに進む。
生きるために必死になるからだろう。それは、戦場であろうとどこであろうと。
そして、戦いが終わり世の中が平和になると、周りを見渡す余裕ができる。
昔を懐かしみ、平和であった時代に想いを馳せる。
これは、世の常、人の常、時代が変わっても変わらない本性のようなものだろう。

今、世の中全体がデジタル化された社会に向かって猛進しているが、これも何か見えない敵に向かって争いを仕掛けているような気がしてならない。
目に見える「物」を大事にし、スローライフを提唱し、アナログの世界を懐かしむのもこのデジタル化へ向けた流れへのアンチテーゼなのだろう。ある種の反戦運動だ。
この戦いが終わった時、この本格的なアナログ回帰の時代が訪れるような気がしてならない。

リアルワールドとバーチャルワールドの本当の融合には、一方だけということはありえない。何事もバランスが大事だ。セカンドライフなるものが流行っているが、これが人生の大部分になるようなことは、よもや起こるまい。

70年代に長く続いたベトナム戦争が終わった。そして10年後の冷戦の時代の終焉に向けて、大戦の時代が終わりへと向かう。
第2次世界大戦を自ら経験した我々の親の世代にとっては、初めて戦争のない時代を経験することになる。
このような「大人」の世代が昔を懐かしむ余裕ができたとき、ノスタルジーブームが起こる。

ベトナム戦争が終わったのが1975年。
Concordレーベルが生まれ、ノーマングランツがPabloで復活したのもこの頃だ。
ボーカルの世界でも、ポインターシスターズやベットミドラーなど、昔の趣を感じさせるグループや歌手が登場する。
先日紹介した、Rare Silkも誕生の経緯はこのような時代の流れの中だったのかもしれない。
この中で、代表的なグループはやはりMANHATTAN TRANSFERだろう。
先日も来日して元気な姿を見せている。
すでに結成以来30年を経ている。

このグループが登場した時、何故か惹かれるものがあり、初めて聴いていたく印象に残り、ライブを聴き感銘を受け、理屈抜きにいいなと思った。それ以来、好きなグループのひとつだ。
自分にとっては、サドメルであり、カーメンマクレーであり、クインシーであり、Concordレーベルのようなもの。
女性に一目会ってピンとくるというのと同じ感覚だ。

マントラのデビュー作を久しぶりに聞いた。
(本当のデビュー作はこちらだが)

昔を懐かしむという意味では、もうひとつレトロという言葉がある。違いはよく分からないが。昔を懐かしむといっても、単に雰囲気を感じさせるという意味と、具体的にいつ頃の何をという意味と両方がある。自分は何となく、このレトロの方がひとつ具体的な感じがするが・・・。

マントラの歌も、よくよく聞き直すと幅広い。30年代のスイング調から、60年代のロックンロール調まで、そしてブルースもあれな、ポップスもあれば。うたい方も、微妙に違うジャジーなものからアカペラまで。
一口に、昔を懐かしむといっても、幅広い器用さが今まで人気を保っている理由のひとつだろう。
今もレパートリーで歌われている曲を懐かしく聴いた。バックの中に、マイケルブレッカーやズートシムスの名前と、ソロがあることも。

1. Tuxedo Junction     Johnson,Feyne, Dash, Hawkins 3:03
2. Sweet Talking Guy Greenberg,          Morris 2:25
3. Operator                    Spivery 3:09
4. Candy             Kramer, David, Whitney 3:26
5. Gloria                  Levy, Navarro 2:57
6. Clap Your Hands               Newborn 2:55
7. That Cat Is High               Williams 2:53
8. You Can Depend on Me     Dunlap, Carpenter, Hines 3:30
9. Blue Champagne         Eaton, Watts, Ryerson 2:21
10. Java Jive               Drake, Oakland 2:44
11. Occapella                  Toussaint 3:04
12. Heart's Desire    Dozier, Cox, Lewis, Purdie, Ingram 2:36

THE MANHATTAN TRANSFER
ALAN PAUL
JANIS SIEGEL
LAUREL MASSE
TIM HAUSER

Ira Newborn (g)
Jerry Fredman(ep)
Richard Tee (org)
Marry Weinstock (org)
Don Grolnick (p)
Andy Muson (b)
Roy Markowitz (ds)
Mike Rod (ts)
Michael Brecker (ts )
Zoot Sims (ts)

& Orchestra

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TRIOの演奏は久しぶり・・・・

2007-08-02 | CONCORD
Soaring / Barney Kessel Trio

グライダーに乗って滑るように空を舞う写真。「Soaring」写真どおりのタイトルだ。
軽快なリズムに乗って、滑るように流れるケッセルのギターをイメージしたのだろうか。

Barney KesselはConcordでも何枚かのアルバムに登場しているが、よくよく見るとトリオでの演奏はない。ケッセルのトリオの演奏といえば、コンテンポラリー時代の、ポールウィナーズシリーズが有名だ。
Shelly ManneとRay Brownを従えた、というより3人のコラボプレーは、単にオールスターセッションという以上に味わい深いし、興奮させられる。ギタートリオという性格上派手さはなくても、内から湧き出るスイング感はジャズの醍醐味だ。
管を加えたヘビーなサウンドが、エンジン付の飛行機とすると、ギタートリオはエンジンがなく鳥が舞うように飛ぶグライダーのイメージとぴったりだ。

久々のトリオ演奏。どうしても、Pole Winnersと比較してみたくはなる。
ケッセルのギターは相変わらずケッセル節で快調だ。一時60年代の中頃、新しい流れにチャレンジした時期もあったようだが。ここでは、以前のスタイルで思い切りプレーしている。
まあ、特に新しいことを求めない、Concordの居心地のよさもあるのだろう。
バックは、Monty Budwig とJake Hanna。レイブラウン、シェリーマンという横綱格ではないが西海岸の大関格が相手を務める。
レイブラウンほどの図太さはないが確実なベースラインを刻むモンティ、そして派手さはないが軽妙なリズムを叩き出すConcordではお馴染みのHanna。
呼吸が合って息もピッタリだ。

スタンダード中心だが、唯一Kesselのオリジナルがある。
Budwigのベースラインに特徴があるが、どこかで聴いたことがあるフレーズ。
クインシーのWalkingin Spaceのイントロに似ている。このベースはそういえば、Ray Brownだ。何かの因縁かも。

1. You Go to My Head           Coots,Gillespie 4:27
2. Get Out of Town                  Porter 4:55
3. Seagull                        Kessel 6:12
4. Like Someone in Love        Burke, VanHeusen 6:59
5. You're the One for Me              Kessel 4:50
6. Beautiful Love    King, Gillespie, Young, VanAlstyne 6:34
7. Stary Eyes                 DePaul, Raye 4:24
8. I Love You                     Porter 5:27

BARNEY KESSEL (g)
MONTY BUDWIG (b)
JAKE HANNA (ds)

Recorded 1977
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おしどり夫婦がオーケストラをバックに優雅な気分で・・・

2007-08-01 | MY FAVORITE ALBUM
Time and Love / Jackie & Roy

絶妙の掛け合いを演じるJackie and Royが、クリードテイラー率いるCTIレーベルにも登場した。時代と共に少しずつスタイルを変えてきたJackie and Royだが、ここでは豪勢なオーケストラがバック。アレンジは、ウェスモンゴメリーのA DAY IN THE LIFEで有名なドンセベスキー。 クリードテイラーのお抱えアレンジャーだ。

クリードテイラーとドンセベスキーのコンビが用意した豪華なお膳立てに、有名なミュージシャンが次々と名演を残していった。そこに、Jackie&Royの2人にもテイラーからも招待が。たまには、「着飾って豪華な食事でも一緒にどうでしょうか」といった感じだ。
いつもにも増して2人のハーモニーは素晴らしい。オーケストラのバックは思惑どおりのゴージャスなサウンドだ。2人のボーカルも、バックのオーケストラに負けじと、多重録音でコーラス仕立てにしたり。いつものコンボとは違って色々味付けにも変化を持たせている。

そして、CTIの素晴らしさは、いつものようにバックのミュージシャンの豪華さ。
今回の白眉は、ポールデスモンドの加わったSummer song / Summertime。
いつもは明るく軽快さが売りの2人のボーカルだが、デスモンドの透明で何故か物悲しさを感じさせるアルトの絡みが何ともいえない雰囲気を醸し出している。
好きな一曲だ。
クラッシックのBachianas Brasileiras #5も、意表をつく感じだがセベスキーのアレンジだと違和感も無い。

Concordのような」普段着のジャズもいいが、たまにはこのような豪華な演奏を聴くとリッチな気分になる。同じ曲でも別な曲のように聴ける。

1.  Day By Day
2.  Time & Love
3.  Summer Song/ Summertime
4.  Bachianas Brasileiras #5
5.  A Simple Song
6.  Heading
7.  Lazy Afternoon
8.  We Could Be Flying

Jackie Cain (vol)
Roy Kral (vol)
Paul Desmond (as)
Hubert Laws (fl)
Ron Carter (b)
Jay Berliner (g)
Bob James (ele.p)
Pat Rebillott (org)
Airto (per)
Phil Kraus (per)
Billy Cobham (ds)

Etc.
Don Sebesky (arr, con) & Orchestra

Recorded, June , 1972
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