A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

転勤先の新天地で、心機一転の活躍・・・・

2007-07-15 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Bill Berry’s L.A. Big Band / “Hello Rev”

会社勤めの人間にとって転勤はつきもの。
オフィスや工場が引っ越すとなると自分の生活の居も動かさざるをえないのはサラリーマンの常であり宿命。
それに較べると音楽で生計を立てている人は、より自由に自分が働く場所も仕事も選べるようにみえるのは、会社人間のやっかみかもしれない。

ところが、音楽の世界でもそうはいかないようなことがあった。

場所はアメリカ、1970年前後。
ハリウッドがテレビ産業の中心になるにしたがって、テレビ番組制作の拠点が西海岸に移っていった。
New Yorkを拠点として番組が制作されていた「Merv Griffin Show」が、L.Aに移ることになった。日本で東京のキー局制作のテレビ番組が関西制作になったようなものだ。
そして、その番組の専属バンドの中核メンバーも西海岸へ移動せざるを得なくなった。

こんな事情で、71年にBill Berryは西海岸に移り、そしてBill Berryを中心として L.A.Big Bandは誕生する。
ハードなスタジオワークの合間の地元での活動の評判も上々、徐々に人気を博して、Concord Jazz Festivalにも登場ということになった。

Bill Berryは、元々Big Band畑で活躍したトランペットプレーヤー。60年代初期はエリントンのオーケストラに参加。その影響か、このアルバムでもエリントンの曲が多い。
そして66年~68年には、New YorkでThad Jones & Mel Lewisのオーケストラに参加。
最初のアルバムや、一番の名盤だと思うVillage Vanguardのライブ盤にも参加している。

この経歴を見ると、Bill Berryのやりたいこと、Bandカラーはよく分かる。
Berry自らも、
Our musical concept is “Swing and have a good time”といっている。

メンバーは、エリントン、ベイシー、ファーガソン、ケントン出身のベテランばかり。
全員がソロプレーヤーだ。このアルバムでも、全員のソロが見事にフューチャーされている。
Berryのアレンジもシンプルで、聴き手も演奏する側も理屈抜きで楽しめるBig Bandだ。

サド・メルがNew Yorkに登場して10年。世の中がFusionの洗礼を受けて、Big Bandの姿も変わっていった時、もう一度サド・メルの初期のコンセプトを引き継ぐBig Bandが西海岸に誕生したのだった。

Berry自身は、Hanna&Fontanaバンドに参加してConcordには登場済であったが、Big Bandで初登場。
レーベルにとっても、これがBig Bandの初めてのアルバムであったが、ConcordのコンセプトにピッタリのBig Bandであった。

モノトーンのジャケットのトランペットの先にカラフルな果物が詰まっている。
洒落たデザインであるが、何となくこのBig Bandの特徴を現している様だ。

1. Hello Rev                     Berry   5:49
2. Star-Crossed Lovers             Ellington 6:18
3. Bink/And How                Berry    11:40
4. Earl                      Kamuca   3:52
5. Little Song for Mex              Berry   3:09
6. Be Your Own Best Friend                1:57
7. Tulip or Turnip            Ellington, George 4:28
8. Boy Meets Horn           Stewart, Ellington 4:07
9. Cotton Tail                    Ellington 7:38

Bill Berry, Cat Anderson, Gone Goe, Blue Mitchell, Jack Sheldon (tp)
Britt Woodman, Jimmy Cleveland, Benny Powell, Tricky Lofton (tb)
Marshal Royal, Lanny Morgan, Richie Kamuca, Don Menza, Jack Nimitz(sax)
Monty Budwig (b)
Dave Frishberg (p)
Frank Capp (ds)

Recorded live at Concord Jazz Festival , 1976 (CJ-27)

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