A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

気の合う2人が話始めると・・・・どんな話題でも会話が尽きません

2007-08-11 | CONCORD
POOR BUTTERFLY / Barney Kessel・Herb Ellis

落語と漫才。
落語が一人で多様な芸を披露するのに対して、漫才は2人での掛け合いのコンビネーションが大事になる。大体はボケと突っ込みに分かれるが、2人の呼吸の合わせ方が芸の技だ。
ジャズでもソロの楽しみだけでなく、2人の掛け合いが楽しみのひとつだ。それも同じ楽器の掛け合いだと、同じ楽器といえどもそれぞれのプレーヤーの違いも浮き彫りになる。

サックスなどの管楽器だと大体は対決モードになり、アップテンポのバトルが売りになることが多いのだが。
ところがギターのDUOだと、あたかも2人で会話を楽しんでいるような雰囲気になる。もちろん丁々発止とやりあうこともあるが、それは大体Rockの場合。ジャズの場合は、派手に立ち回ることはない。
大体はソロにうまく合いの手を入れたりリズムを刻んだり。相手にソロを代わっても、自分でできることを周りで甲斐甲斐しく面倒を見ているといった感じだ。
これが2人の絶妙なコラボレーション効果を生む。内に秘めた緊張感、2人で作り出すスイング感がなんとも言えず心地良いものになる。

Concordは最初から、ギターが売り物のひとつ。色々なプレーヤーが入れ替わり立ち代り登場してDUOやTRIOのプレーを披露してくれている。KESSELもELLSもレーベル立ち上げ時からの常連だが、実は2人のDUOというのはこれが初めてのアルバムだ。GREAT GUITARSというCHARLIE BYRDを加えたTRIOの中で、2人のプレーはやっていたが。
日常のライブ活動では、この頃2人でプレーをすることも多かったらしいので、呼吸はぴったりだ。

ほぼ同じ時代を活躍してきて、よくスイングして、白人でありながらブルースも得意として、2人ともオスカーピーターソンと一緒にプレーをした経歴を持った、似たもの同士であるが、2人の音は微妙に違う。多少固めの音のケッセルに対して、エリスは角のとれたメローなサウンドが特徴。これが、縦横無尽に絡み合う。バックはHANNAのドラムとBUDWIGのベースだけ。管やピアノもないので、あくまでもギターの2人が主役。
Concordらしい企画のアルバムだ。

アップテンポでもバラードでもこなれたプレーが聴けるが、ウディーハーマンで有名なアーリーオータムは、どうしてもサックスセクションの分厚いメロディーを思い浮かべてしまうが、2人のギターサウンドで、それなりの厚みを感じさせるメロディーラインを作っている。そして、ブルーベリーヒルでは、カントリーウェスタン風に。ギターという楽器は味付けひとつで、色々な料理の仕方があるものだ。

DEARLY BELOVED
MONSIEUR ARMAND
POOR BUTTERFLY
MAKE SOMEONE HAPPY
EARLY AUTUMN
HELLO
BLUEBERRY HILL
I’M A LOVER
BRIGITTE

Herb Ellis (g)
Barney Kessel (g)
Monty Budwig (b)
Jake Hanna (ds)

Recorded 1977
Concord CJ-34
コメント
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