アワビ、石斑魚（ガルーパ）、高級中華料理を食べながら

　香港・中国出張中はよく、メーカーや商社の方々から夕食接待を受けます。8月の出張ではその直前の７月に起きたウイグル暴動のことを、おいしい中華料理をいただきながら尋ねました。

　Ａ社さんとの会食
　中国国内では規制で報道も少ない、ネットも規制されている。

　Ｂ社さんとの会食
　工場主は新彊ウイグルの雇用創出のために中国政府に言われて工場を作ったのに。

　Ｃ社さんとの会食
　東京、名古屋、大阪が独立しようとするのと同じで（独立なんて）難しい。
　よくあること。そんなに大きなニュースでない。

　Ｄ社さんとの会食
　強い兵隊がコントロールするから安定する。
　（私、お互いよくなるように望む。）
　
　Ｅ社さんとの会食
　香港メーカーに尋ねたら大丈夫と。それより日本のインフルエンザは大丈夫か。

　ウイグルの方の人権が少しでも守られるようにとの思いを持って話題しているのですが、あまり話はかみ合いません。

　
　
　平和な香港のレストランで、アワビや石斑魚、高級な中華料理をおいしくいただきながらでもあえて、話がかみ合わなくてもあえて、その場にふさわしくない話題でもあえて、話題にすることで何らか良い方向に向かう希望がほとんどなくてもあえて、こういう話を今後も話題にしようと思います。

　さらに言えば、例えば今回はウイグルの方々にとって騒動の相手となった中国の労働者の方よりも私の方が本当はより敵対する位置にいるかもしれないのですが。つまりは中国やウイグルの方々の私より低い賃金や悪い労働環境に支えられた彼ら両者の労働から産まれた利益で、こんなにおいしい料理を食べさせてもらっていて、彼らのどちらにとっても、まずは対抗すべき場所に私がいるのでしょうが。実は彼らはお互いに憎み合う者同士ではなくそれこそ手を携えて私に対するのが理にかなっているのでしょうが、それでもあえてと思うのです。