前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

前参議院議員大久保勉の主張や活動を伝えるBLOGです。

欧州危機を考える。

2012年06月09日 | Weblog
 スペイン銀行救済にユーロ圏17カ国が10兆円の支援をすることが表明されました。欧州危機が、ギリシャ等の欧州小国への援助から、EU4位の大国スペインの銀行救済へと次のステップに入ってきました。欧州危機は、ギリシャ等の財政危機が、欧州銀行危機に波及し、さらに欧州銀行危機が貸し渋り等により欧州域内全体の実体経済にまで悪影響を及ぼす悪循環に入って来ました。また実体経済の悪化が、地価下落、中小企業倒産の増加により、更に欧州域内の銀行経営を直撃し、同時に税収不足、失業増加、銀行救済が域内の国家財政を直撃するという複合型の危機に陥っています。
 例えて言えば、米国リーマンショックも欧州危機も、90年代の日本と同様にバブル崩壊による経済、財政、金融危機ですが、リーマンショックが心臓発作であるとすれば、欧州危機は、がん細胞の転移にも似た様相を呈して来ました。前者がFEDによる超金融緩和(心臓マッサージ)で金融(血液)の循環を正常化することにより当面の危機を回避する処方箋が有効であったのに対して、後者はがん細胞の転移(信用不安の欧州域内の連鎖)をいかに止めるかにかかっています。その意味で今回の欧州各国のスペイン銀行への資本注入援助は適切な処理と思えます。一方で、日本はバブル崩壊後失われた10年を経験しましたが、この経験から米国も欧州も経済が本調子に戻るためには、少なくとも10年以上かかると覚悟を決めてかかった方がいいのかも知れません。もしかしたらバブル崩壊から10年経っても日本同様に長期低迷は続き、BRICs等の新興国の地位が更に高くなっているという事態に直面するかもしれません。
 欧州危機の深刻化を避ける方法は、私はドイツとECBの財政負担能力にかかっていると思います。共通通貨ユーロを導入した以上、財政的にも負担を共有する意思が必要です。ギリシャの危機を夕張市の財政破綻に、スペイン銀行危機を北海道拓殖銀行の破たん処理と北海道経済への支援に置き換えれば、理解しやすいと思います。ギリシャをユーロ圏に残すためには、中央政府(ドイツ等)からの財政援助と財政再建団体(国)として自治の制限を受け入れることが必要です。また不良債権問題で預金流出が止まらないスペインの銀行に対して、ユーロ域内での共通の預金保険機構を作り、預金者を保護する形で銀行の破たん処理を行うと同時に、スペインやイタリアのみならずフランス、ドイツ等の正常な銀行も含めて予防的な資本注入を行い、域内銀行の信用不安と貸し渋りを防止することが必要です。これらの財政的負担に対して、中央政府や中央銀行の役割をするドイツ(場合によってはフランスも)とECBが、本気で取り組むことが必要です。
 最大の問題は、ユーロ危機によるユーロ安の恩恵を得ているドイツの輸出企業を中心とした産業界とドイツ国民が、ギリシャやスペインのために税金を投入することを良しとするかです。また援助されるギリシャ国民や他の南欧国民が社会保障の削減と増税や医療の自己負担増等の緊縮策を受け入れるかです。どちらも難しいとすれば、欧州共通通貨ユーロの危機は本質的に回避できないということでしょう。その意味で、ユーロ圏の混乱は長期化し、幾つかの国のユーロ圏から離脱が現実のものとなるかもしれません。
 最後になりますが、欧州危機により、欧州各国の国家主権・財政がばらばらで通貨のみが共通であるという制度欠陥が露呈しました。欧州危機は、財政、金融、実態経済への相互への悪循環が欧州域内に広がって行くことを指摘しましたが、さらに世界経済にも深刻な影響を与える可能性が否定できないことです。これからも注意深く見守って行きたいと思います。
 

 

公務員の新3階建て年金議論、地元行事等

2012年06月08日 | Weblog
 朝一番の会議は、公務員年金・新3階建てに関する議論を行いました。現在被用者年金の一元化法案が国会の審議にかかっておりますが、その法律が施行された場合国会公務員、地方公務員等の職域加算分(いわゆる3階建てのサラリーマンの企業年金部分)をどのようにするか白熱した議論を続けています。消費税の引き上げを国民にお願いするに当たり、官民の格差を是正すべきという思想が根幹にあります。一方、年金制度は公務員の老後の人生設計にも大きく影響するため、情緒的な議論で制度が激変することも躊躇すべきであります。現在民間と公務員の退職金、3階部分の年金の現在価値の合計を比べた場合、約400万円公務員が多いという人事院の調査がありますが、この400万円の格差を解消することを確認しました。この一本線があるので、後は一括の退職金として支給するか、それとも退職金の一部を減らし、厚生年金の上乗せとして3階建てを充実するかといった制度設計の詳細の議論となってきました。この議論を始めて3ヶ月が経ちますが、やっとゴールが見えてきたような気がします。
 午後は、帰福して、九州北部税理士会福岡支部懇親会と北九州市で行われた「いずみひでお」福岡県議会議員のパーティに来賓として出席しました。北九州では、来年早々北九州市議会選挙があるため、多くの市議会議員も参加して有権者にアピールをしていました。国会議員の場合、毎週地元と国会を往復しますが、週末の地元行事の比重も大きく、特に地方自治体選挙、総選挙等と選挙が近づくにつれてその応援もあり、地元の比重が高まります。一方で、円高デフレ株価対策、社会保障・消費税法案審議等必要な政策議論は待ってくれませんので忙しさが増します。 

公的年金の運用のあり方議論

2012年06月07日 | Weblog
 財務金融部門・年金積立金(GPIF)のあり方検証WT合同会議を開き、植田和男東京大学経済学部教授と山崎養世成長戦略総合研究所理事長からヒアリングを行いました。両氏は、長妻厚労大臣と原口総務大臣時代に行われたGPIFの運用に関する有識者会議のメンバーでもありました。
 GPIFの運用のメルクマールを賃金上昇率にするのか、それとも4.1%等と絶対的な目標とするのか、運用の専門性をどのようにして担保するのか、運用委員会・理事会等のガバナンスのあり方など、多くの点で議論がなされました。また年金の受託者責任を明確にするために、日本版エリサ法を制定すべきという議論もでました。
 このWTの事務局長を私が勤めていますが、これから数回ヒアリングを行い、かつ議員間で議論をして取りまとめを行いたく考えております。世界最大の運用機関であるGPIFの運用は、マンモスタンカーの運航と同様で急激な路線の変更は難しく、また国民、特に年金受給者に対する受託者責任の大きさを考えると、慎重な議論が必要であると痛感しております。

円高、株価対策

2012年06月06日 | Weblog
 週明け欧州危機の進行と米国景気後退観測等により、日本の株式も大きく下げ、TOPIXは昭和58年来の安値を付けた。一方円高も輸出企業等にとり深刻なレベルまで進みつつありました。
 ギリシャ情勢は、6月17日の再選挙まで状況の見極めは難しく、またその後の混乱は長引くと思われます。さらにスペインとイタリアの銀行では、預金流出が顕著になってきており、ギリシャ以上のインパクトを世界の金融資本市場に与える可能性があります。このようなことを背景に、党内に円高デフレ対策に加えて、株価、金融対策を行うことが必要であるとの認識に達しました。直島元経済産業大臣が座長で私が事務局長を務めている円高デフレ対策特別チームでこれらの対策を検討して、早急に取りまとめをすることが決まりました。今後は、欧州情勢が日本経済、特に為替、株式市場に与える影響を見ながら、必要な時に適切に対策を練って行きたいと思います。

福岡天神での朝立ち

2012年06月04日 | Weblog
 今日は、天神交差点での朝の街頭演説から地元活動を始めました。支援企業、団体等の訪問の後、夕方には上京予定です。
 朝立ちは、月に2回程度月曜日の朝に博多駅、天神、西鉄薬院駅等で行っていますが、その時々の民主党に対する有権者の反応が分かり大変有益です。今日は、野田政権の改造人事の発表が行われましたが、街角の反応は厳しい意見も反対に民主党に対する激励もそれほど目立ちませんでした。政治への無関心が一番厳しい評価であると肝に念じて、マイクを持ちました。

日本栄養士連盟福岡県支部総会

2012年06月03日 | Weblog
 日本栄養士連盟福岡県支部総会が、ナースプラザ福岡で開催され、同連盟の役員約150名の前で来賓の挨拶をさせていただきました。尾籠同連盟会長の後に時間をいただき、社会保障と税等の国会の動向に加えて、栄養士法改正への動きや管理栄養士の病棟業務、保健所等への適性配置など業界の政治的な課題を述べさせていただきました。
 予防医療や国民生活習慣病予防などの観点が、医療行政の重要な課題の一つであります。地域の医療現場に従事されている方々の声を吸い上げ、厚生労働省等と課題の克服を行っていきたいと思います。最近年金、医療関連の仕事をする機会が増えて来ましたが、現場の声をしっかり聞き、制度、政策を議論していくことの重要性を痛感しています。更に長期的な制度の維持と改善の観点から、財源問題や日本の人口動態、高齢化などを見据えた議論も心がけたいと思います。

ポレポレ感謝の集い

2012年06月02日 | Weblog
 社会福祉法人拓くのポレポレ設立10周年記念行事に出席しました。ポレポレは、久留米市安武町を中心に久留米市内に数か所の障害者支援事業を行う社会福祉法人です。3000人規模のポレポレ祭りを主催するなど地元コミュニティーとの交流も盛んです。記念行事には、久留米市長、議長を始め、地元の国会議員、地方議員、行政、福祉、教育関係等の地元の著名人も多く出席していました。その後、福岡教職員組合定期大会が同じ久留米市のホテルで開催されていたので、直行しました。

 

社会保険労務士会等

2012年06月01日 | Weblog
 午前中は、国会で仕事をして、午後地元に戻りました。博多駅近くの会場で社会保険労務士会・政治連盟の定期大会後のパーティに来賓として出席させていただきました。中小企業等の人事・労務、保険、年金等の専門家集団である社会保険労務士の仕事は、民主党の一丁目一番地の政策ともいえる雇用、年金、社会保障の政策と共通する面も多とします。法律や制度を作ることも重要ですが、その政策、制度を確りと中小企業の現場で貫徹することが不可欠です。そのため今後とも密接な意見交換を続けていきたいと思います。