9月5日から15日まで、日本の政府開発援助の実態調査のためエチオピア、ウガンダ、ケニアの東アフリカ3か国を訪問しました。最初の訪問国のエチオピアでは、アフリカ連合(AU)本部したり、シデ国務大臣との意見交換をしました。またJICAが進める品質向上(カイゼン)プロジェクトのMARU社を訪問して日本の品質改善運動がしっかりエチオピア企業に浸透していることを確認しました。
2番目の訪問国であるウガンダでは、オケロ外務国務大臣やキワヌカ財務大臣とODAによるインフラ建設等に関して意見交換をしたり、ナイル川最上流にあるブジャガリ送電線網やナイル架橋建設地などを視察しました。アフリカ各国は、道路、橋のインフラがぜい弱であるとともに、電力が不足して頻繁に停電が見舞われております。これらの東アフリカの国々が自律的な発展をしていくためのはどうしてもインフラや電源開発が必要です。資本蓄積が大幅に不足しているアフリカの国々にとって先進国からの経済援助が不可欠になっています。東アフリカの国々で目についたのは、中国の開発援助です。中国とアフリカの歴史的な結びつきをまざまざと感じる多数の大型援助や大型開発プロジェクトが、東アフリカにはありました。日本の場合、財政問題によるODA予算の低減もあり、量から質への政府開発援助を目指すことが重要です。青年海外協力隊による教育、社会保障、上下水道、農業、その他分野での援助、技術移転は、高く評価されております。またあしながウガンダなどの日本のNGO活動など草の根援助の重要性も落とすべきではありません。
最後の訪問地であるケニアでも、外務省や財務省などの政府要人と政府開発援助に関して議論をしました。また世界銀行ケニア事務所を訪問して、意見交換をしました。さらに東アフリカのゲートウェイーであるモンバサ港を視察しました。モンバサ港湾施設建設や道路・架橋建設等には、日本の数多くのODAが供与され、現地から高い評価を受けています。またケニアでは、大地溝帯が走り豊富な地熱資源があります。日本の技術と資金提供によりオルカリア地熱発電所が稼働していました。将来的には、地熱発電は、ケニアの主要電源の一つになるとのことでした。
東アフリカ視察を終えて、政府開発援助分野での日本の貢献や課題を知ることができました。これらの点は、後日報告書をまとめて、参議院ODA特別委員会で議論をする予定です。東アフリカ三カ国は、今後急速に発展することが期待されます。それぞれ克服すべき課題があるものの、若い労働力、資源、経済発展に対する政府の強いコミットメント等により持続的かつ高い成長が期待されます。そのときは、日本と日本企業にとり有望な資源確保国や日本製品の市場となることが期待されます。