前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

前参議院議員大久保勉の主張や活動を伝えるBLOGです。

円高、電力問題、空洞化を考える。

2011年07月30日 | Weblog
 定例の福岡電力総連定期大会後の懇親会に出席し、挨拶を行いました。衆議院、参議院、県議会議員など多数出席し、電力総連組合員代表の皆さんと意見交換を行いました。福島第一原発事故後、電力の安定供給に関する国民的な関心の高まりがあります。 私も最近、安永安左エ門伝記、原子力発電の歴史、その他の電力史などの本を読み漁っています。戦前60年間は中小電力会社乱立による自由競争、戦中10年間は統制経済下の日本発送電と9配電体制、戦後60年間は、①民営化、②9地域分割、③発送配電一体化、④地域独占と総括原価方式、による現在の体制が構築されました。3.11の東日本大震災は、電力やエネルギー政策のあり方を考えさせる充分な契機となりました。エネルギー政策は、国の産業政策の基本であり、国民生活にも大いに影響します。これらの問題を確りと国会で審議して行きたいと思います。
 最近あるメガバンクのアジア担当役員と話をしていたら、電力不足や大幅な値上げに対する危機管理として中小企業約2000社がアジアへの工場移転のための融資を打診しているとのことです。融資の打診ということは、相当計画が煮詰まっているということです。今週末の為替市場では、更に1ドル76円台まで円高が更新しています。日本の産業と雇用の空洞化が気になります。
 少子高齢化、グローバル化、財政赤字に加えて、今年は原子力発電の安全性を巡る問題、電力不足や円高による産業・雇用空洞化の加速が加わりました。一つ一つ重要な問題な課題でありますが、相互に連動して問題解決を複雑化させています。これらの問題を解決することが、3・11大震災後の日本の将来像を描くことです。
 

復興検討小委員会・財務金融部門合同会議

2011年07月29日 | Weblog
 今週ほとんど毎日行われてきた復興検討小委員会・財務金融部門合同会議が、午後行われました。民主党復興指針の最終合意を得るための会議です。最大の論点は、復興財源のあり方です。10兆円を基幹税増税で賄うか、税金の無駄遣いの見直しや特別会計改革で財源を捻出するか、激しいやり取りがありました。最終的には、政府案から相当後退して、かなり曖昧な決着となりました。
 私は、小委員会の役員として議論に参加しましたが、復興における負担の相方に政府と民主党議員の間に大きな隔たりがあることを改めて痛感させられました。丁寧な議論を行えば行うほど、両者に埋めがたい対立があることが浮き彫りになります。おそらくこの議論は、次の民主党代表選で議論されることになるでしょう。一方で、ギリシャの債務問題がスペイン、イタリアに飛び火している欧州、リーマンショック後の経済低迷が財政問題となり与野党対立を激化している米国と世界は財政問題が益々火種になりつつあります。右肩上がりの成長が望めなくなった先進国において、社会保障や行政サービスの対価としての税の負担をどのようにして決めていくかは政治の最大の課題です。この問題を先延ばしすればするほど、大きな財政問題として国民経済全体に多大な負担を強いることになりかねません。決められないのが民主主義のコストとならないよう政治家の良識として取り組んで行きたいと思います。

香港財界訪日団との交流会

2011年07月27日 | Weblog
 香港財界(Hong Kong-Japan Business Co-operation Committee)の東日本大震災復興支援のための訪日団と国会議員団との朝食会に出席しました。桜井財務副大臣や増子参議院議員など被災東北3県出身の国会議員による被災地の復興の状況の説明と香港財界に期待する内容を含んだ挨拶がありました。香港財界側からは、日本の農産物や水産物に対する風評被害が深刻な実態が説明され、日本国政府のより一層の努力を期待する旨の発言がありました。今回の使節団は、関西、東京、仙台、九州などを訪問して、日中間の貿易、金融、観光などの分野でより一層関係強化を図ろうとするものです。
 今年は、辛亥革命100周年にあたります。中国では国父として称えられている孫文を梅屋庄吉や宮崎滔天など九州出身者を中心として多くの日本人が物心両面から支えていました。日本全国には、孫文の残した足跡とともに梅屋庄吉や宮崎滔天等縁の多くの観光資源があります。GDP世界第二の経済大国となり、個人ベースでも豊かになりつつある中国人の今後増大する観光需要に対して、確りと日本を売り込んでいくことが必要だと考えます。震災以降放射能などの風評被害を早急に解消して、安全で美味しい日本食のブランドを再強化することも焦眉の課題です。

参議院復興特別委員会質問準備

2011年07月22日 | Weblog
 来週の火曜日、参議院復興特別委員会で40分質問することが今日突然決まりました。そのため大慌てで、質問の準備に取り掛かりました。野党提出議員立法である債権買取機構法案に関連して、二重ローン問題、私的整理ガイドライン、政府の二重ローン買取機構と野党案との対比等が主な論点になりそうです。また福島県においては、福島原発の損害賠償を早期に行うとともに、抜本的な復興対策を練ることが、二重ローン問題の解決でもあります。
 また預金保険機構と類似点も多い原発賠償支援機構法の論点を財政金融の観点から議論することも重要だと考えています。特に①賠償支援機構及び被支援原子力事業者の財務内容の定時国会報告の必要性(例えば預金保険機構では破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告を求めている)、②東京電力支援と株式、電力債及び金融システムに与える影響、③福島原発事故を起因した放射能汚染物質、土壌等を原発敷地内等への返還の有無、などの質問を行いたいと思います。この点に関しては、継続して別の機会にも質問をして行き、法律成立後の原発賠償機構の一刻も早い運用開始に向けて取り組んで行きたいと思います。

復興検討小委員会

2011年07月21日 | Weblog
 民主党復興検討小委員会役員会が行われ、政府より①復興基本方針骨子案について復興対策本部からヒアリング、②部門要望及び被災地関係議員要望の取扱いについて、協議を行いました。7月中には、党の基本方針を取りまとめる必要性がありますので、同小委員会総会、同小委員会役員会は、今週からほとんど連日行われております。この基本方針は、第三次補正予算やそれに続く来年度の本予算に反映されることになります。そのため東日本大震災の被災地における一刻も早い復興を願って、取り組んで行く必要があります。


口の中の安心、安全

2011年07月20日 | Weblog
 民主党歯科医療議員連盟歯科技工士小委員会、歯科技工士連盟と厚生労働省との意見交換会を行いました。小委員会からは、藤田幸久参議院議員、福嶋健一郎衆議院議員と小委員長の私が、また歯科技工士連盟からは、古橋博美会長が、厚生労働省からは、歯科保健課の小椋正之課長補佐、林直治専門官、竹内義真専門官が、出席をしました。
 約1時間の意見交換会でありましたが、①歯科技工所の構造設備基準及び歯科技工所における歯科補てつ物等の作成等及び品質管理指針の省令化、②歯科技工指示書記載事項の追記、③歯科技工所の識別に関する要望、④歯科技工委託の定義の法令整備、⑤歯科技工士国家試験統一試験の指定試験機関の指定に関して、緊密な意見交換を行うことができました。これらの項目で、法律改正が必要なもの、省令改正で対応可能なもの、それより対応が迅速にできるものを峻別し、解決できるものから順次解決するとの大方針の下、2週間後にフォローアップの意見交換会を行うことを確認して会議を終わりました。
 食の安心、安全には国民的な関心がある一方、口の中に埋め込まれる歯科補てつ物に有害物質が含まれていないか、また国家資格を持つ技工士が適切な環境で歯科補てつ物を作っているのか、制度的に充分な担保がないことが問題であると痛感しています。少なくとも歯科補てつ物のトレーサビリティの確保は早急に構築する必要があります。海外から粗悪な補てつ物が輸入されて口の中に埋め込まれても、患者さんは知る由がないというようでは、とても安心、安全な歯科医療とは言えないと思います。

企業会計WT会合

2011年07月19日 | Weblog
 民主党企業会計WTの会合が行われました。金融庁から公認会計士制度に関する懇談会中間報告書についてヒアリングを行いました。また公認会計士試験合格者の需給ミスマッチの原因について企業側と会計大学院協会及びTAC株式会社からヒアリングを行いました。平成15年の制度改正により、多くの試験には合格しても実務研修ができない待機合格者が発生しており、この問題を政治的に解決する必要性を痛感しているところです。このWTでは、公認会計士制度改正のためのとりまとめを行い、日本の企業会計制度の発展の一助になればと考えております。

GPIF(公的年金)のヒアリング

2011年07月14日 | Weblog
 財政金融部門会議で、大塚厚生労働副大臣以下厚生労働省、GPIFの幹部をお呼びして年金積立金管理運用独立法人(GPIF)に対するヒアリングを行いました。あらかじめ18項目の質問事項を厚労省側に投げていたので、その回答を受けて、それに対する質問を財政金融部門所属国会議員が意見を述べたり、質問することを行いました。
 GPIFの運用の目標設定が曖昧であったり、民間運用機関に対する運用委託が競争性と透明性を欠くこと、理事長や理事が厚労省や日銀の天下り先になっていることなどに対する批判がでました。また今年の3月末で確定した約3兆円に上る年金福祉事業団旧勘定の損失の無責任さが問題になりました。3兆円の損失が、結局厚生年金一般勘定に移され、会社とサラリーマンの折半負担となることに対して、大変遺憾に思います。
 今後厚生労働部門と調整し、厚生労働・財政金融両部門の合同で、GPIFのあり方を議論していくことになりそうです。社会保障の財源をまかなうために、消費税の引き上げの議論が政府・民主党で行われています。安定的な社会保障制度、特に年金制度を構築するためには、消費税引き上げは止むを得ないと考えています。しかしその前提として120兆円に上る公的年金の運用に政治が無関心で、いわばGPIFの前身である年金福祉事業団と年金積立金管理運用機構、そしてGPIFが財投から借入してその資金を運用したいわば財テクで3兆円の損失を出したことをもうやむやにすることは決して許されるべきではありません。例えば、本来これらの運用の失敗の責任を問われるべき年金局長の経験者の一人は、年金局長を辞めた後、GPIFの前身や同様の年金関連団体に20年間天下りして、理事や顧問として少なくとも年俸と退職金の合計で約3億5千万円の所得を得ていることが資料請求で明らかになっています。年金局長経験者の天下り所得で3億5千万円ですが、当然厚生労働省事務次官など上位のポストでは、さらに高額になることは常識でしょう。このような公的年金を食い物にしている実態は現在も進行中であります。(これらに関連する事柄は、次の参議院決算委員会で質問する予定です。)
 最後になりますが、GPIFと同じ資産規模である日本銀行は、国会に半期報告を行い、年二回衆参財務金融委員会に総裁が出席して答弁を行うことが法律で義務付けられています。同様なことをGPIFに義務付けして、GPIFの運用やガバナンスをチェックしない限り公的年金に対する国民の信頼感は回復しないと主張します。
 

久留米大学での講義

2011年07月13日 | Weblog
 久留米大学経済学の金融論の講座で講義しました。京大本山ゼミの後輩である伊豆教授の取り計らいで二重ローン問題を講義しました。質疑応答の時間では、東日本震災に絡んだ金融問題、社会保障と税の問題、原子力発電を巡る諸問題を議論しました。

ストレスシナリオ研究会

2011年07月11日 | Weblog
 ストレスシナリオ研究会に講師として出席しました。原子力発電所再開問題ですっかり有名になったストレステストという言葉ですが、金融工学などの金融界ではおなじみの言葉です。ストレスシナリオ研究会には、金融界や官界で活躍されている識者の私的な勉強会で、日本の財政、金融等のストレスシナリオを分析し、その対策を練ろうというものです。その意味では日本の財政や金融システムのストレステストです。
 今日の研究会では、原発賠償機構法案と金融証券市場への影響、公的年金の積立金運用と日本の財政に与える影響などを講演しました。日本の財政、金融システム等との関連で傾聴に値する意見、質問等がでて、活発な議論が行われました。やはり専門家との意見交換はためになります。
 金融工学の世界でテールリスクという言葉がよく使われます。発生する確率は相当低いものの、発生した場合にはポートフォリオや金融システム等に重大な影響をもたらすリスクという定義です。リーマンショック、大津波、福島原発事故などテールリスクの最たるものでしょう。今欧州では、ギリシャ債務危機がポルトガル、イタリア等にも伝播し、金融大津波が欧州大陸に全体に押し寄せそうな状況です。国家財政・金融システムにおけるストレステストを行い、テールリスクに備えることも決して無駄なことではないと思います。

明善同窓会関東支部総会

2011年07月09日 | Weblog
 母校の同総会関東支部総会に出席しました。関東在住の百数十名の同窓生が集まり、高校生時代をそれぞれ振り返りました。来賓として、久留米大付設、久留米高校、南筑高校、三潴高校等の久留米市内の他の高校の同総会代表が主席されました。
 今日関東では梅雨明けで、真夏の太陽が照り付け、暑い一日となりました。

債権買取機構

2011年07月08日 | Weblog
 二重ローンに関する民主、自民、公明の三党実務者協議が行われました。東日本大震災の被災者の支援と地域の復興のために、金融支援をすることは最重要課題の一つです。7月15日に提出が予定されている第二次補正予算の目玉政策の一つでもある二重ローン問題を三党で確り議論して、合意点も積み上げていくことが今回の会議の目的です。
 今日の主要議題は、私的整理ガイドラインと債権買取機構でした。前者は、三党間で議論した成果を踏まえ今月半ばにも政府より私的整理ガイドラインの詳細が発表される見通しです。後者は、自公と民主の間の溝は埋まらず、今後三党協議の議題から外れることを確認し、今後参議院復興特別委員会等で議論されることになります。

地元勉強会

2011年07月04日 | Weblog
 今日は、朝と昼に久留米市と福岡市でそれぞれ情報交換勉強会を開催しました。国政報告や震災対応補正予算、原発問題などが主なテーマでした。東日本大震災に対する政府の復興策やエネルギー問題に対する対応など、多くの注文がつきました。両会場合計で、約100名の勉強会参加者に感謝をするとともに、地元の熱心な声を確り受け止めて、国会活動に活かしたいと思います。

連合福岡との協議会

2011年07月02日 | Weblog
 第二回連合福岡・民主党福岡県連協議会が福岡市内のホテルで開催されました。高島連合会長を始め副会長、事務局長等連合福岡の幹部と野田民主党福岡県連代表以下県連所属衆議院、参議院等が一同に会しました。連合より、連合の制度要望の説明と民主党政権に対する意見や質問があり、民主党県連の国会議員から説明がありました。
 主な意見として、政権交代が実現したが、そのことにより雇用情勢や職場環境は改善したのか、また社会保障や社会の絆はより強固になったのかということでした。また民主党への注文として、一致結束して東日本大震災の復旧・復興に当たるべきなのに、党内の抗争が目に余るという批判でした。更には、民主党政権でどのような社会保障改革や成長戦略、震災復旧・復興策が進んでいるのか末端の組合員には見えなく、国会議員の方からの情報発信の努力が必要であるとの至極当たり前の指摘がありました。
 この一年間、参議院選挙、統一自治体選挙がありましたが、政権与党として政権に対する様々な批判と評価を背負っての選挙でした。今の民主党では応援できないという組合員の意見に真摯に耳を傾け、一致団結して政権運営に当たって行くことの必要性を改めて感じた一日でした。その意味では、非常に有意義な協議会となりました。

 厳しい指摘に、一つ一つ説明している民主党福岡県連所属議員団。