前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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日独の共通点

2006年10月17日 | Weblog
(写真は、ベルリンの壁の跡) 

 第15回日独フォーラムがベルリンにおいて開催されました。日独両大使を始め、両国の議員、外務省首脳、経済界代表、学会代表など、日独から総勢30名弱が参加して、活発な議論を行いました。
 会議に参加して、改めて日独は類似点が多く、また両国が共同して共通の難問に取り組むべきであると痛感しました。少子高齢化、社会保障費の増大、財政赤字の拡大、若年層の高失業率と教育制度の疲弊など、多くの共通点があります。日本にとり、人口減少社会が現実のものになってきました。移民政策や出生率引き上げのための子供政策など独の政策は大変参考になります。現在独には、人口の約1割が移民です。治安の悪化や移民の雇用や社会保障への影響も指摘されました。しかし年金制度や老人医療の破綻を回避するためには、移民の労働力も不可避です。今後日本が本格的な移民政策を作成する上でも十分参考になりました。
 グローバル化とIT化による痛みの面が話題になりました。独は、経済社会のアングロサクソン化に対して抵抗があります。特に旧東独を抱えている手前、競争や市場経済による格差の拡大には、日本以上に大きな抵抗があります。このことからも17年を経た独においても東西独の統合負担は現在も続いているということを痛感しました。韓国と北朝鮮の統合するとすれば、そのコストは独の数倍になるという指摘もありました。このことが、韓国や中国の対北への政策に影響しているという指摘は説得的でもありました。
 人口動態の変化による社会の停滞を打ち破るために、イノベーションによる労働生産性の向上が必要なことは全員の一致項目です。研究開発投資を促進し、大学・研究所の競争力向上などが日独両国の課題です。
 戦後の敗戦から蘇生した世界2位と3位の両経済大国が一致して、国際政治や経済等の分野で協力していくことは非常に重要であるという認識を新たにした会議でもありました。


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