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予算委員会総括質疑、アベノミクスのコストが顕在化する時

2016年01月22日 | Weblog

 19日に予算委員会で質問に立ちました。新年からの株式の大幅下落とその背景にある中国景気や原油相場に関して質問を行いました。

 安倍政権が日本株の上昇はアベノミクスの成果と公言しているが、それなら株価の下落に対して政府が無策であればアベノミクスは失敗かということを安倍総理に問い、どのような政策が打てるか議論をしました。今回の質問の準備で分かったは、公的年金(GPIF、国家公務員・地方公務員・私学の三共済)およびゆうちょ銀行、かんぽ生命、日銀の国内株式保有合計は、平成24年12月末の23.5兆円から、平成27年9月末50.1兆円と26.6兆円も増えています。公的部門による株式購入で日本株が買い上げられたことが良く分かる数値です。ちなみにGPIFと日銀は、それぞれ15.3兆円と7.1兆円増えています。50.1兆円とは東証の時価総額の一割に上ります。

 アベノミクスの中心的地位を占めた日本銀行の量的・質的金融緩和も限界が来ていることも議論しました。2015年末時点で、日銀は、282兆円の長期国債を保有しています。これは、対名目GDPの56%、国債発行残高の33%です。これだけでも大きい数字です。しかし物価が2%に達するまで少なくとも80兆円の国債を買い続けるとこの数字は、財政ファイナンスとも取られかねないようなところまで膨れあがります。黒田総裁に、毎年80兆円国債を買い続けたら2016年度末、2020年度末の数字はどのようになるかを質問しても一切答えられないことは、その数字がいかに大きくなるかの裏返しです。私の見込みでは、2020年度末まで同政策を続けたら、国債発行金額の65%を日銀が保有すると思われます。果たしてこのことが可能かということです。国債発行額の半分以上を日銀がもつことは異常で、国の借金を日銀がファイナンスをしている(財政ファイナンス)という批判を免れません。またこの政策を続けると出口戦略が大変難しくなり、日銀が80兆円の国債購入を止めた瞬間から国債が暴落して、その結果日銀や銀行のバランスシートが毀損するリスクが増大します。そのために、日銀は、早い段階で①2%インフレターゲットを断念するか、②量的金融緩和からマイナス金利政策に政策を変更しかないと思います。

 中国経済が低迷し、原油等の資源価格が下落するとき、アベノミクスは大きな試練を迎えると思います。これまで日本株や景気を押し上げてきた政策をこれ以上続けることができなるなると、これまで無理して公的セクターが買い増した株式や多量の国債が大きなリスク要因になっています。

 今回の質問は、マスコミでも多く報道されました。

朝日新聞日経新聞WSJBLOGOS

 


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