ビットコイン等の検討状況に関する質問主意書、道路交通法及び道路交通に関する条約における「運転者」の定義に関する質問主意書の政府からの答弁が帰ってきました。どちらもあいまいな回答に終始しておりますが、一部前向きにな答弁があったので報告します。
まずビットコインに関する質問主意書は、2年前に最初の質問を行ったビットコインに対する政府の検討状況をフォローアップするためのものです。ビットコインの法的位置づけ、主務官庁、ブロックチェーン技術などのフィンテックへの取り組み状況を確認しました。この質問主意書に関連して、日経新聞も「仮想通貨を貨幣認定、金融庁」との記事を一面に掲載しています。この2年間、金融庁の幹部と議論してきましたが、森長官、池田局長等金融庁の幹部は、これまでの霞ヶ関の常識やカルチャーでは取り組みが難しかった分野に相当積極的に対応していると評価できます。金融やIT分野での競争は、決して民間企業や技術者だけの競争ではなく、その国の金融当局がどのくらいフィンテックのような技術革新を取り込もうとしているかも大きく影響します。
道路交通法における「運転者」の定義に関する質問主意書は、米国運輸局がグーグルの自動運転人工知能を運転者と認定したという報道に対して、日本国政府の対応を確かめるものです。日本国内にもロボットタクシー特区が認定されて本格的な自動車の自動運転時代の幕開けようとしています。人間の運転手を補助する自律運転(レベル3)から、人間の運転手がいないロボット(人工知能)の完全自動運転(レベル4)への世界的な競争が行われようとしています。グーグル、あるいはトヨタや日産、テスラが技術的にレベル4の完全自動運転を実現したとしても、一般道路で運行するには法的整備が必要です。米国においては、運転者の定義を柔軟に変えて、例えロボット(人工知能)であっても運転者とすることができると解釈しようとしています。しかし日本の場合、今回の質問主意書の回答は、運転者は自然人を想定しているということでした。米国政府に比べて、頭が固く、役所はイノベーションにあまり優しくないというのが私の感想です。この問題は、今後予算委員会で議論して、政治解決の道を探っていきたいと思います。