toty日記

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いいダニ、悪いダニ

2016-02-03 22:07:07 | 日常のあれこれ
K会の定例講演会。舅のお供で出かける。

約1時間の講演。回によっては、眠くなることもあるが
今回は、面白くてメモしながら聴いたので、ウトウトなし。


青木淳一さん、我が国のダニ研究の一人者。
というか、ダニ研究者は少ないそうだ。
しきりに、和やかな300人ほどのダニ学会に誘っていらした。

さて、ダニにもいろいろあって、
「ダニ」というと、形容詞としては余り芳しくないものとされるが、
いいダニもあるのだそうだ。

チーズに生きたダニを振りかけて、ミモレットという美味しいチーズができあがる。
ヨーロッパでは、その生きたダニを売っているそうだ。

ほかに、古糊(経師屋さんが使う高級糊)を作るときに
ダニとアオカビの下に、透明ないいのりができるそうだ。


ダニは8本足、触覚がない、ほとんどは目もなく、
頭胸腹で1つの丸い形(昆虫は3つに分かれている)。
昆虫ではなく、クモやサソリの親戚。(ノミ、シラミは昆虫)

地球上のダニの種類は6万種。
そのうち、人間専門の寄生ダニは、2種のみ
 1.ヒゼンダニ(疥癬)
 2.ニキビダニ(蛆虫型で毛穴に住む、人間の6割が持つが気づかないし脂を食べてくれる)

家の中のダニ、昔はイエダニ、今はコナダニ、チリダニ(刺さないが喘息の原因になる)
食品にわくコナダニは生きたまま食べても何の害もない(味はおちる)

 昭和30年のダニ検出率
 みそ 100% (昔乾物屋の店先に桶に山形に盛って売っていたもの、
          周りにべったりとダニだったそうだ)
 にぼし 85%
 さとう 65%
 チーズ 54%
 パン粉 45%
 きな粉 40%
 らくがん30%
 小麦粉 20%

 現在では密封パックで、すべて0%
 だが、開封するとすぐ食物に入り込む

 ほとんどの保管方法で入り込む。
 ゴムのパッキンがついた密閉容器のみ入らない。
 輪ゴムでくるくると巻いた程度では、しっかりと入り込む。

 小さすぎてみえにくく、ダニノイローゼになる人もある。
 が、そんなに害はない。

 見たければ、黒い下敷きに粉をおくと、動き出すのがダニ。
 (↑こんな説明を受け、やってみたくなるかどうかは、その人にかかってると感じた)

畳は新しいほど、ダニがわきやすい。
畳にわいたコナダニを捕食してくれるのが、ツメダニ。これが人もさす

ツツガムシはダニの一種。ツツガムシ病は高熱、全身に赤い発疹が特徴。
かつては風土病とされて3割死去。今は効く薬がある。

マダニは、SFTS(血小板がなくなる病気)を媒介する。

昔の日本家屋は風通しがよく、空気が動くのが嫌いなダニは住みにくかった。
アルミサッシの普及で密閉された最近の家屋は、ダニが大発生しやすい。

ダニは3億年前から生きていた
ダニはどこにでもいる(唯一、火山の噴火口にはいない―高熱のため)
ダニは水の中にもいる(オンセンダニ)

今回の講師の青木さんの研究対象は、ササラダニ
ササラダニは、身体の表面に簓(竹の先を細く裂いた、昔たわし代わりに使ったもの)状の
毛が生えている。

ササラダニは落ち葉をかみ砕いて、良い土壌を作り上げるのに役立っている。
ササラダニは、森の中を一歩歩くと、靴の大きさの面積に、3000匹みつかる。

だから、一歩で3000匹、もう一歩で3000匹となる。
それほど小さくて多い。

最少で0.1mm、最大で2.5cm
大多数は、0.5~1.2mmに含まれる

ササラダニは、森の遺骸を食べる。
キノコ専門のダニ、植物の種類ごとにダニの種類が違う

ということは、分別ごみを出すときのように
それぞれのダニに担当する生物がある

限りなく種類がみつかる。この多様性が重要。

餌を食べて、身体の三分の一ほどの量の楕円形の糞をする。
ミミズが土を豊かにするように、ダニも土壌を豊かにする。

ダニの数によって、土壌が豊かかどうかが判断できる。
青木氏は日本の2900地点をA群(神社の周りや自然林)
B群(二次林)~E群(デパートの屋上)に区分して、調査を重ねた。

A群には弱いダニも生存できるが、E群では強いダニしか生きられない。

木の下の落ち葉を掃き集めてどけてしまうと、固まった痩せた土になってしまう。

ササラダニで環境診断ができる。ササラダニの種類がが多いところほど
よい自然が保たれている証拠。

明治神宮を100人ほどの様々な分野の研究者が調査した際、
青木氏は土壌調査を担当されたそうだが、ダニの数は40年前にくらべると
10分の1に減っていたそうだ。

ダニには、オス・メスの区別がある。メスだけで増える場合もある。
ダニは空中を飛ばされて移動する。

ご興味持たれた方は、日本ダニ学会というのがあるので、ご参加を!

以上。


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