goo

カサブランカ


監督 マイケル・カーティス
出演 ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン

 うう、かっこええなボギー。きれいだなバーグマン。この映画のレビューはこれだけいえば充分ではあるが、主演男優と女優の魅力だけでみせる映画ではない。映像、テーマ、脚本、客が映画を観る時に要求するいろんな要素を高いレベルで創っている映画だ。基本的にはラブロマンスだが、背景にナチスドイツと戦う自由フランスを支援する当時のアメリカの心情を吐露した映画ともいえる。
 第2次世界大戦のころ。アフリカはモロッコのカサブランカ。フランス領だが、当時のフランスの政権はナチスの傀儡政権。だからカサブランカもフランス領といいつつもナチスドイツの息がかかっている。
このカサブランカはナチスドイツの迫害を逃れてアメリカへ向かう人たちの集結地。こんなカサブランカで酒場を経営しているのがアメリカ人のリック。リックの酒場「カフェ・アメリカン」には夜な夜なナチスドイツと戦うレジスタンスたちがやってくる。
「カフェ・アメリカン」に美しい女性がやってきた。その女性イルザはリックとワケ有。昔、パリで二人の間になにかあったらしい。イルザの夫はチェコスロバキア人レジスタンスのラズロ。リック、イルザ、ラズロ、この3人のドラマが北アフリカの都市カサブランカで展開する。
この映画セリフが魅力である。登場人物どうしの会話がたいへんに面白い。名セリフの宝庫である。小生の一番のお気に入りがこれ。
「きのうの夜はどこにいたの」
「そんな昔のことは覚えていない」
「今晩会える?」
「そんな遠い将来のことは判らない」
 そして、この映画で一番有名な名セリフがこれだろう。
「君の瞳に乾杯」
 いま、バーで彼女にこんなことをいうと、プッと彼女の口から水割りが吹き出してあんたの顔にかかるだけだが、ハンフリー・ボガートがイングリッド・バーグマンにいうと様になっていた。かっこいいのである。
 宮崎駿の「紅の豚」のキャッチコピーが「カッコイイとは、こういうことさ」だが、このキャッチ、この映画にこそふさわしい。コピーライターの糸井重里この「カサブランカ」を観てて思いついたのではないか。
「君の瞳に乾杯」
 
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )