goo

とつぜんコラム №174 地球はひとつ

 戦争が絶えない。人類が発祥してから、ただいま現在まで地球上で銃声が響かなかった日があっただろうか。飽きずに戦争しているということは、平和だからではないだろうか。平和だから戦争なんてことやっているわけだ。
 地球上に生息する人類にとって、災害、伝染病、などそれなりの危機は存在するが、いまのところ、人類は平安であるといっていいだろう。全人類が絶滅するような危機は、まだ訪れていない。だから、のほほんと、のんきに戦争や内戦テロなんかやっているわけだ。
 これがもし、人類が短時間で絶滅するような事態になれば、世界から戦争はなくなるであろう。船がまさに沈没しようとしているのに、船上でケンカしているバカはいないだろう。
 こういうことを考えると、人類もふくめて地球上に生息するすべての生命は、運命共同体なのだ。地球はひとつなのだ。そのことをしっかりと認識する必要がある。
 世界には国境がある。この地球は国ごとに分割され、国ごとに管理運営されているわけだ。地球はひとつということを考えると、国ごと管理運営というのは実に不合理である。1国で自己完結する。こんな鎖国みたいな国はこの21世紀にはないだろう。厳格なイスラム国の中には異教徒の入国を制限している国もあるが、江戸時代の徳川日本のような、大幅に文物の流通を規制しているわけではないだろう。
 いま、日本やアメリカと決して良好な関係とはいえない中国にしても、政治のうえでは対立しても、こと経済ということに関しては、運命を同じくしている。中国経済が風邪をひけば、たちまち日本やアメリカ、いや世界にその風邪は伝染していくのである。経済に関しては中国と日本は運命共同体であるといえる。
 TPPが大筋合意に到った。国内産業、特に農業、酪農への影響が心配されている。外国から安価な農産物や乳製品が日本に入ってくるので、国内のかような産業が痛手をこうむるというわけだ。このことは理解はできる。国内の農業が衰退するのは由々しき問題である。小生は国の礎たる産業は第1次産業であると考える。いくら工業商業といった2次産業3次産業が発展しても、1次産業は貧弱では国としては脆弱である。
 だから、小生は、日本人として、いまのところTPPには大賛成とはいいかねる。しかし、これはある意味、近い将来、日本人としてのわがままとのそしりを受けてもやむをえないだろう。
 いまのところではなく、日本人ではなく、近い将来、地球人として考えると、TPP的な志向でやっていく必要があるだろう。農業の得意な国は農業を、工業の盛んな国は工業を、国際的な分業化を進めなくてはならないだろう。
 人類は70億にも増え、文明も大変に発達した。この今の人類の人口と文明と支えるには、地球1個では限界ではないだろうか。もう1個地球が必要であると考える。
 全地球的な生産管理が必要だ。企業が合併する時、原料調達、人事計画、商品流通、資本管理、さまざまな要因を考えて、バラバラで存在するより、ひとつにまとまった方が合理的だろう。このことは国単位にも当てはまるのではないだろうか。
コメント ( 12 ) | Trackback ( 0 )