走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

師匠を乗り越える弟子

2010年08月21日 23時48分28秒 | ちょっといい話
 今日の夕方、NHKで現在大ヒット中のスタジオジブリのアニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」の製作の舞台裏を追ったドキュメンタリー「ジブリ 創作のヒミツ~宮崎駿と新人監督の400日~」が再放送されていた。

 この作品では、37歳の新人・米林宏昌監督が大抜てきされ、宮崎は脚本のみの参加となった。
その背景には宮崎がこれまで「新たな“才能”を育ててこれなかった」という強い危機感があったからだという。
ジブリ作品では、これまで何度も若手の監督が起用されてきたが、宮崎はその強いこだわりから作品作りに介入し、最後には乗っ取ってしまうことも多かった。
 そこで、この作品では、宮崎は作品作りに介入しないという強固な姿勢を決め、これまで宮崎の下でアニメーターとして活躍してきた米林監督に監督業を一任。
一方、宮崎の手助けなしで映画を作りきることを任された米林監督は、圧倒的な重圧を感じながら作品作りに挑んだ。
 そんな、師弟の心の葛藤を400日にわたって密着する作品だった。

 また、スタジオでは、CGを駆使し、“絵に命を吹き込む”といわれるジブリ映画の創作のこだわりや秘密を検証する。ナビゲーターは広末涼子が務めていた。

 この400日間の師弟間の無言のラリーは凄いものがあった。
特に、米林宏昌監督の心の葛藤が凄まじかった。
仲間も最初から好意的とはいえない。
無言の「あんたで大丈夫なの?」的なプレッシャーを受けながら、孤独とも言うべきトップの心理状態をカメラは追う。
すべての最終決定をしなければならない極限の状態。
時間との戦い。
しかし、妥協できないこだわり。
それを貫き通さなければならないトップとしてのエゴのようなもの。
凄まじかった。

 そして、それをじっと無言のまま見守り続けた宮崎駿の凄さ。

 宮崎駿は、恐らく完璧なストーリーを渡さなかったと思う。
師匠・宮崎駿の企画にあえて手を入れさすためのあいまいな部分を残したような気がする。
先輩や師匠と思っている人の文章に筆を入れることの「迷い」を勇気を振り絞って入れたときの心の葛藤。
でもそれをやらなければ、その先輩や師匠を乗り越えることはできない。
痛いくらいわかる。

 そして、最後の試写会で宮崎駿は一筋の涙を流す。


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