走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

日本語の美しさ

2008年02月25日 22時29分10秒 | その他
★★☆ 叙情的な美しさとは?

 童謡を聴いていて、最近、日本語の美しさを感じます。
 非常にわかりやすい歌詞なのに、なぜか心打たれ、ノスタルジック(郷愁にふけること)な気分になります。
 例えば、次の童謡はみんな知っています。


 シャボン玉

            野口雨情 作詞

  シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ
  屋根まで飛んで こはれて消えた
 
  シャボン玉消えた 飛ばずに消えた
  生まれてすぐに こはれて消えた
 
  風々吹くな シャボン玉飛ばそ


 雨情・晋平コンビによる代表作の一つです。
 歌詞にあるように、シャボン玉を膨らませ、飛ばすという一連のイメージを子どもたち自身が共有しやすいように作られており、この点だけにおいても作詞家作曲家二人の、深い才能を感じることができます。
 しかし、この詩には悲しい物語があります。
雨情は明治41年3月に先妻(高塩ひろ)との間に長女をもうけました。
しかし長女はわずか7日で亡くなってしまったそうです。
彼の詞は、この悲しい事実がきっかけとなった、とも言われており、確かにその視線で「シャボン玉」を詠めば、雨情の一連の作品群を流れる「失われゆくもの」「失われてしまったもの」に対する情感が、この作品にも色濃く反映されていることがわかります。

 そして、このことを頭に入れて、もう一度、歌詞を詠んでみてください。


  シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ
  屋根まで飛んで こはれて消えた
 
  シャボン玉消えた 飛ばずに消えた
  生まれてすぐに こはれて消えた
 
  風々吹くな シャボン玉飛ばそ


 どうです?切なく、悲しいイメージに聴こえてきませんか?
 文字は一切変えていませんが、その裏の物語をイメージすると全く異なる詩に聴こえませんか。

 これをイメージできるのは日本人としての美しい心を持っているからなのです。

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