走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

涙と泣くということ

2012年02月07日 22時23分57秒 | おもしろい
 今、ちょっとしたマイブームとして、NHKの連続ドラマ「カーネーション」を一週間まとめどりして週末に観るというのがある。

 内容は、ファッションデザイナー「コシノ三姉妹」の母親がモデルとなっており、大阪の岸和田が舞台となっている。
 時代背景は、戦前・戦中・戦後と近代日本の中で日本人が最も苦しい生活を強いられた時代である。

 このドラマに夢中になったのは、苦しい社会背景の中にありながら明るい未来を信じ、一心不乱に突き進む女性経営者の話であり、サクセス・ストーリーだからだろうか。
 だが特別な人間ではなく、そこらへんにいっぱいいてはる「おばちゃん」の物語なのである。
 社会の矛盾を「なんでやの!」とうそぶきながら、日々を一生懸命生きてはる愛すべき「おばちゃん」なのである。

 秀逸なのは主人公・糸子を演じる尾野真千子さんの演技力である。

 特に凄いと思ったのが、料亭を営んでいた親友が倒産し夜逃げをした結果、その身を滅ぼし、それを見つけて更生させ仲のよい美容院で働かせる。親友の背負った借金の保証人にもなる。
 その親友を好いた人物が現れ、結婚までにいたるシリーズがあった。
 その週は主人公の糸子が一番よく泣いた週である。

 そして、尾野さんは迫真の演技をみせる。
 まず、目を潤ませながらも涙を流さないで泣くという演技。
 一筋の涙が流れるという演技。
 涙と鼻水で顔がくしゃくしゃになっても風体なんか気にせずに泣きじゃくるという演技。
 泣くという演技だけでもこんなにあり、それをそのシーンによって使い分けられる演技力に魅了される。

 その一方で、ボケと突っ込みの掛け合いを見事に演じてもいる。
 そしてなによりも子どもの頃身の回りにたくさんいたおばちゃんたちが、その主人公の脇を固めている。

 人のエエ、何よりもおっちょこちょいで、涙もろく、人のことを我がことのように喜ぶ愛すべきおばちゃんたち。
 よくよく考えたら、この国はずっと女性により支えられ、女性により未来を切り拓いてもらっていたような気がする。

 でも、こんなおばちゃんたちも少なくなった。

 超人口減少社会に突入したわが国は、年金など社会保障制度の将来を考えるとモチベーションが下がる一方である。
 いまこそ、女性の社会進出や機会均等、子育て支援や教育費の軽減など、女性に力点をおいた政策に取り組むことこそが、この国を救済する急務な課題だとつくづく思う。
 

 


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