人間関係ほど、この世で難しいものはない。
職場での人間関係、学校での人間関係、趣味仲間の人間関係、そしてママ友の人間関係と、本当にたくさんの人間関係に囲まれて私たちは生きている。
中にはそんな煩わしい人間関係を嫌って仙人のような隠遁(いんとん)生活を送っている御仁もおられるかもしれない。
なぜ人間関係が難しいのかというと、誰でも「好かれる人」と「嫌われる人」が絶対にいるということではなかろうか。
この「嫌われる」というのが問題なのである。
ではどうすれば嫌われないようにできるか?
そんなことは不可能だと割り切った方がいい。
つまり、居直るべきである。
相性というのは大事なことで、「この世には相性の合わない人がいるんだ」と割り切ることである。
この「割り切る」というのが、あとの生き方をずいぶんと楽なものにする。
「好かれる人」とは、実は自分の個性や生き方も含めて寛容なやさしさを示してくれる人を言うのである。
人はそれぞれ個性を持っていて、生まれた時からのものと生まれた後からのものと、その二つによって形成される。
その個性が、自分では自然であっても第三者から見ればずいぶんと不自然なものがある。
この不自然さを許してくれる人が、いわゆる「好いてくれる人」なのである。
ただ、最初はそうであっても途中からそうでなくなるケースもある。
その原因はさまざまあるけれど、大概はコミュニケーション不足からくる勘違い等ではなかろうか。
そういう意味では、自分のことを「好いてくれている人」に対しては、心から感謝しなければならない。
自分が少しでも豊かな人生を送ろうとするならば、人間関係は良好な方がいい。
そのためには、まず、嫌われた人のことはとりあえず諦める。
そして、好いてくれている人たちに心から感謝し、できるかぎり自分の個性を寛容に受け止めていただけるかどうか早めに許しを請うことかもしれない。