<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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出張の朝。
私は浅草にある某ホテルで目を覚ました。

「ハラ減ったな.....。」

私の場合、モーニングコールも、目覚まし時計も必要なく、朝は爽やかに空腹感で目がさめることが多い。
ジリリリリリリっと時計が鳴る代わりに「くう~~~」と腹がなるのだ。
幸いにも、ホテルでは朝食が用意されており、午前7時から好きなときに好きなだけ朝食を楽しめるブレックファースト・バイキングが待っている。
私はボサボサのアタマにユニットバスの蛇口を捻って手に水をすくい、ペチャペチャペチャとトニックの代わりにアタマにふりかけ髪を整える。
ズボンを履き、シャツを着て、スリッパから革靴に履き替えると部屋のキーを持って廊下へ出た。

廊下は部屋の中と違って冷たい空気に包まれ、エレベータ付近からは1階のレストランの食事の香りが漂いだしてくる。
廊下の両端は非常用階段になっていて全面ガラスの扉がついている。
その東の扉から朝の日差しが差し込んできて廊下のカーペットを照らしている。

「晴れかな....」

夕方雨が振って、慌てて駅前のコンビニで傘を買ってホテルに入ると、翌朝雨が上がって快晴のことが少なくなく、何のために傘を買ったのか悔やまれることが多いが、今日はそういう朝なのであった。
今日は都内をあっちこっち歩きまわらなければならないので天候が気にかかるが、この様子では快晴かな。
と思って朝の陽射し黄金色に差し込むドアの方に歩み寄ると、なんと、あのスカイツリーが目の前にそびえ立ち、その丁度向こうから太陽が登っていく景色が目に飛び込んできたのだった。

「すごい!シャッターチャンスや!」

と慌てて部屋に取って返し、鞄からデジカメを取り出すと一目散に非常扉に向かって走ったのであった。
この時、危うく部屋のキーを室内に残すところで、部屋に戻れないというシュチュエーションに陥るところなのであった。

この時撮影したのが上の写真。

私はスカイツリーはとりわけ特別な建築物という感じがせず、東京なら東京タワー、大阪なら通天閣か太陽の塔というのが大都市を代表する「タワー」なのではないかと今も思っている。
スカイツリーは完成前に地上350mの下の方の展望台まで上がる機会を得て、実際に上がってみたのだが、天候が曇りであったことも手伝ってあまり感動を覚えず、

「これやったら、台北の台北21やシカゴのシアーズタワーのほうがええわ」

と思ったものであった。
台北21では近くの松山空港を離着陸する飛行機が目線より下に見えたのが感動的で、シアーズタワーでは碁盤の目になったシカゴの街の美しさに魅了されたのであった。
スカイツリーは錦糸町のビル群が間近に見えることに若干驚きを感じたものの、浅草の浅草寺や上野公園などがあまりに小さく見えすぎて感動もそこそこなのであった。

ところが、この朝のスカイツリーの壮大なこと。

スカイツリーは登るものではなく、見るものであると理解した朝なのであった。
従って4500円も支払って登り必要は無い、とTDLとスカイツリーに行きたがっている娘に言い聞かせる私なのであった。
なおTDLについては「あればUSJと一緒のアメリカがやっている遊園地で同じ。運営している映画会社が違うだけや」と言っては顰蹙を買っているところである。

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