<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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関西の観光地は普段、どこもかしこも人人人で一杯だ。
関東で言えば鎌倉といったところだろうか。

たとえば奈良県明日香村。
まほろばの国を求めて、観光写真に見るようないかにも「日本の歴史の始まり」という雰囲気を堪能するために出かけたりすると、どこもかしこも人人人。
甘樫丘はもちろん、石舞台、岡寺、飛鳥寺、亀石、猿石、酒船石、高松塚古墳などなど。
レンタサイクルや観光バスが縦横無尽に走り回り、「まほろば」どころの気分ではないのが実情だ。
正直言ってがっかりする。

これが京都となると規模が違う。

年間観光客は4500万人。
JR京都駅を下車した時点で人人人。
バスの乗り場は言うに及ばず、観光案内所、地下鉄烏丸線、地下街ポルタ、どこもかしこもどこから見ても観光客な人たちであふれている。
さらに明日香村と異なるのは、世界各地からの外国人観光客。
こちらも団体旅行の韓国、中国の観光客に、バックパッカーの白人観光客など様々だ。

駅前でこれだから繁華街の四条河原町界隈は言うに及ばず。
三十三間堂に、清水寺、平安神宮に東山に嵐山。
どこもかしこも人人人。
「京のみやび」なんて楽しむ余韻はほとんどない。

新型インフルエンザ騒動で京都を訪れる観光客が激減しているのだという。
なかでも修学旅行生の京都旅行取りやめが2000校。
ホンマかいな。
こういう学校はどういう教育をしているのか知らないが、きっと新型インフルエンザよりも強烈な季節性インフルエンザなんかのときは旅行を実行し、日ごろの教育では「病気にかかった人に対する差別はいけません。」なんてことを言っているに違いない。
教条主義の無責任もいいところだ。

で、一方において地元関西のものにとって、自分たちが安近短な京都観光を楽しむのに一番目障りなのが、この修学旅行生の塊。
意味もなく騒ぎ回ってはあちらこちらで雰囲気をぶち壊す。
日本の文化の最大の特徴は「閑静なこと」だと私は思っているのだが、件の塊は閑静とは正反対。
新京極の商店街は言うに及ばず、祇園、三年坂、嵐山の竹林と、ワーキャーワーキャーと叫んでいる。

ということで、京都観光するなら、今。
ホテルや飲食店、観光土産の小売店の皆さんには気の毒だけど、「静かな京都」を楽しむのなら今しかない。

但し、外国人観光客にはこの新型インフルエンザ騒動はバカに見えるだけで関係ない(ニューヨークタイムズ紙談日本はパラノイアだ from 産経新聞)なので、雰囲気ぶち壊しの声デカ中国人観光客には我慢が必要だ。

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