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平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

広島市の気温(1)

2012-04-30 21:29:55 | 地球温暖化


18881年から2011年までの広島市の年平均気温をグラフにしてみました。
1881年からの100年間は、数年周期と数10年周期の変動が見られるものの、ほぼ一定の値で推移しています。
ところが、1980年代の後半に急激なジャンプがあり、それからあとは高止まりしています。
1980年代の後半に一体何が起きたのでしょう。

参考URL
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php(気象庁|過去の気象データ検索)

いまさら地球温暖化(2)

2012-03-26 16:21:44 | 地球温暖化


http://sankei.jp.msn.com/world/news/120323/erp12032320010014-n1.htm
世界気象機関(WMO)は23日、2001~10年までの10年間の世界平均気温が1961~90年の平均より0・46度高い14・46度と推定され、1850年以来「最も高温な10年間」だったと発表した。
うち9年間の年平均気温は過去10番以内に入っており、地球温暖化が深刻になっていることが裏付けられた。11年も南米ペルー沖の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」が続いていたにもかかわらず11番目の暑さ。WMOは温暖化対策が「待ったなし」の状態だと警告、国際社会の協調を訴えた。
平均気温の上昇は特に1971年以降が顕著。1881年から2010年まで10年ごとの平均気温は平均0・06度上昇しているのに対し、1971年以降の10年ごとの平均気温は平均0・166度も上昇。過去最も高温だった年は2010年で、05年が2位となっている。(共同)


2001~2010年は1850年以来「最も高温な10年間」だった、ということですが、こんなことは当たり前田の何とやらです。世界平均気温は、19世紀半ばから右肩上がりに高くなっているので、最近の10年間の平均気温が過去最高になるのは当然です。読者を煽ることが目的とは言え、こんなつまらないことを記事にしてはいけません。
図は気象庁HPからコピペしたものです。図をみると、地球はCO2が急増する(1940代)遥か以前から、ほぼ直線的に温暖化しているのがわかります。直線的な変動の上に数十年単位の変動が乗っています。紛うことのない自然現象のグラフです。直線的に見えるのは周期が非常に長いからですが、その長さは前回のピークが中世温暖期であると仮定すると概ね千年です。千年周期ですから、100年~150年区間を取り出すと直線状に見えるのです。気候変動は長いタイムスパンで評価しなければ本質を見失ってしまいます。直近40年の観測データから気候変動の原因を同定するのは不可能です。

いまさら地球温暖化(1)

2012-03-02 16:57:36 | 地球温暖化
30年以上前に買ったブルーバックスからの引用です。

1978年から79年にかけての日本の冬は、各地とも異常な暖冬で、水源地付近の積雪量は、例外になく少なかった。ところが、アメリカやヨーロッパでは、同じ時期に非常な暖冬に見舞われたところが多く、日本とは正反対の状況を呈した。一体全体、地球は暖かくなりつつあるのか、それとも、寒くなりつつあるのか。これについては近年、いろいろと論議がたたかわされているが、地球全体、とくに北半球全体としては、どうやら寒くなりつつあるのに、東京、ニューヨーク、ロンドンなどの世界の大都市では、必ずしも寒くなっておらず、一昔前に比べると、むしろ、かなり暖かくなっているようである。
ところで、これから21世紀に向けて、地球の気温がどのように変化していくのかについて、ほぼ同じ時期に、まったく相反する二つの見解が出されたことがあった。
1969年10月21日、ブリュッセルで開かれていたNATO(北太平洋条約機構)議員会議の最終日にあたって、当時、ニクソン米大統領の都市問題担当顧問で、アメリカ都市問題会議事務局長をつとめていたダニエル・モイニハンは、年とともに深刻化しつつある都市公害などによる環境悪化が人類死滅の危機を招きつつあることを報告した。その際、石油や石炭などの化石燃料の使用量が現状のままで増え続けていくとすると、大気中の炭酸ガスの量は西暦2000年までに25%も増え、そのために気温は摂氏4度ほど上昇して、両極の氷の一部が融解して、海面が3メートル上昇するだろうという計算があることを紹介した。そして、このような破局的危機を防止するためにも、いまこそ全世界の人間は有効な手段を急いで講じるべきだと警鐘を乱打したのであった。
日本の著名な地球化学者である三宅泰雄博士(当時は東京教育大学教授)も、モイニハンよりは少し遅れて、基本的にはモイニハンと同一の見解を発表した。すなわち、同博士によると、西暦2000年までに、10-20パーセント程度の炭酸ガスの増加が見込まれ、そのために気温が0.5-1度くらい上昇するのではないかという推定が成り立つが、気温上昇のために両極の氷がかりに10パーセントほど融解したとすると、海面は7メートル近く上昇するという計算になり、したがって、もし、そんなことになると、海岸近くにある東京、ニューヨークやロンドンなどの世界の大都市の多くは、いずれも水没してしまうだろうとされている。


二人の科学者が西暦2000年における世界平均気温と海面の平均高さを予測しています。二人とも大外れです。地球の平均気温は4℃も上昇していないし、東京も水没していません。彼らの失敗は30年後を予測したことです。検証可能な近未来を予測してしまったので、嘘がばれてしまったのです。
江守正多氏らは、その点は実に巧妙で、絶対にばれることのない100年後を予測しています。100年後に生きている者はいないので、外れても誰からも文句は言われない。そして、温暖化脅威を煽り続ければ一生飯が食える、というわけです。楽な人生ですが、彼らはそれで満足なのでしょうか。

【参考文献】
生越忠:日曜日の地球科学-実は危険な日本列島-、ブルーバックス、講談社、1979

温暖化の主因は太陽だ

2011-01-11 19:41:52 | 地球温暖化
地球を暖めているのは太陽だ。太陽の機嫌がよければ暖かくなるし、不機嫌になれば寒冷化する。当たり前のようだが、太陽活動の変動が気候にどのように影響するかよくわかっていなかった。桜井邦朋氏は「過去150年ほどさかのぼって太陽が放射する電磁エネルギーの毎秒当り総量の変動を調べてみると、高々0.2%の増加が認められるに過ぎない」と述べている(文献1)。この程度の変動では、19世紀半ばから継続している地球温暖化を説明することは出来ない。だから江守正多氏らのシミュレーションには、太陽の活動の影響はほとんど考慮されていない。

最近、太陽こそが地球の気候変動を支配しているという主張が、太陽研究者から発せられるようになってきた。それと相反するように、あれほどおしゃべりだった江守氏らは大人しくなり勇ましい発言が少なくなった。

太陽研究者によれば、地球温暖化はスベンスマルク効果によって説明できるという。気候に影響を及ぼしているのは電磁エネルギーの変動ではなく、太陽活動の変動と宇宙線の関係らしい。スベンスマルク効果については、宮原ひろ子氏のプレゼン資料が分かりやすい(文献2)。

太陽研究者の登場は心強い。数値シミュレーション術(占星術のようなもの)を操って国民をだまし、暴利を貪ってきたインチキ占い師集団は徐々に駆逐され、そのうち消えてなくなるだろう。たいへん喜ばしいことだ。

江守正多氏は、4年前につぎのように述べている(文献3)。

引用ここから

もしかしたら、みなさんは、「科学的」とよばれる認識がこんなにも修正されることに驚いたかもしれない。科学は客観性を武器に世界のすべての真理を決めてくれるものではなかったのだろうか。いや、むしろ科学は、それが客観性を重んじるがゆえに、常に暫定的な真理しか導けない。それが科学の宿命なのである。
特に温暖化の科学の場合、いまだに残された課題は多い。たとえば、温暖化にともなう雲の変化、エアロゾルの役割、植物中や土壌中の炭素の変化、南極の氷の溶ける仕組みなどについて、まだまだこれから研究が進み、それによって我々の理解はその都度修正され、より優れたものになるだろう。
その過程で、「温暖化の理解はすべて間違いでした。これからはみなさん安心して二酸化炭素を出していいですよ」ということになる可能性が完全にゼロとはいえない。万が一そうなったとしたら、私を含めて専門家はつるし上げを食らうかもしれないが、人類にとってはどんなに安堵すべきことだろうか。

引用ここまで

100年間は騙しきれると高を括っていた嘘が、意外に早くバレそうである。つるし上げを食らう日もそう遠くないだろう。自業自得とはいえ気の毒なことである。

【参考文献】
1.桜井邦朋:移り気な太陽-太陽活動と地球環境との関わり-,恒星社厚生閣,2010.11.15
2.宮原ひろ子:中世の温暖期と近世の小氷期における太陽活動と気候変動
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/~hmiya/Miyahara090414.pdf
3.NHK「気候大異変」取材班+江守正多[編著]:気候大異変-地球シミュレータの警告-,NHK出版,2006.11.30

地球温暖化-CO2主因説を疑う(19)

2010-09-27 21:47:20 | 地球温暖化
太陽研究者の意見を紹介します。

柴田一成:「太陽の科学」NHKブックス、2010.1、から引用***

本章の最後に、地球温暖化について考えていきたいと思います。温暖化の原因は二酸化炭素が原因であると本当にいい切ってよいのでしょうか?
少なくとも地球の長い歴史をひもとくと、黒点の多かった時代と地球の温暖化とは関連することが明らかです。
一方、最近100年間くらいの地球の平均気温と二酸化炭素の変動をみると、確かに二酸化炭素気温の変動が重なる部分もあるけれど、最近は少しずれています。
ですから慎重な人は、温暖化と二酸化炭素の関係性には否定的です。
気象学者も自信をもって主張しているわけではなく、あくまで「可能性が高い」といっているだけです。
私は最近、「温暖化の原因は太陽である可能性もあるかもしれない。
少なくとも二酸化炭素と決めつけるのは危険」と考えています。

二〇〇八年に「地球惑星科学連合にという地球科学の大きな学会が開かれ、そこで地球温暖化の真相についてのセッションがありました。
「地球温暖化の原因は二酸化炭素」ということは政治的には決まっているが、はたして本当だろうか、という観点からさまざまな分野の科学者が集まって議論しました。
このセッションに出るまでは、「温暖化太陽原因説」の可能性を人前で議論するのは、政治や世論と衝突するので相当勇気のいることでした。
ところが、セッションに出てみると多くの地球科学者、物理学者、天文学者たちが、二酸化炭素以外の可能性を大胆に論じているのです。
その中で太陽の可能性も論じられていましたし、それ以外の地球環境のさまざまな要因-海流、火山なども論じられていました。
もちろん二酸化炭素説がただちに否定されるとか、二酸化炭素削滅に反対するとかそういうことではありません。
二酸化炭素と気温の関係いかんにかかわらず、炭素資源の節約やクリーンエネルギーの開発は大事なことです。
しかし、「温暖化二酸化炭素説」が確立しているかのような議論がまん延する世の中の状況を、われわれ科学者はだまって見ていていいのか、というのが大方の議論でした。
私もこの議論に全面的に同意します。

というのも、地球が寒冷化すると相当大変なことになります。
凍結した領域では人は生存できなくなりますし、エネルギーが足りなくなります
(暖房用のエネルギー、食科を作るためのエネルギー、そしてもちろん、文明を維持するためのエネルギーも足りなくなります)。
しかし、いまの黒点の状況をみていると、近々地球は寒冷化する恐れがあると予想されます。

ここまで***

地球温暖化-CO2主因説を疑う(18)

2010-09-13 18:45:41 | 地球温暖化
このシリーズ、少し飽きてきました。

http://wattsupwiththat.com/2010/08/22/picking-carbonated-cherries-in-1975/#more-23774
① 1910~1940年の気温上昇と1975年~2000年の気温上昇はほぼ同じ(0.5℃)
② 1910~1940年のCO2増加は10ppm、1975年~2000年のCO2増加は50ppm
③ 1940~1980年のCO2増加は30ppm、しかし気温は上昇していない
④ 1998年以降CO2は増え続けている(30ppm増)、しかし気温は上昇していない

分かりやすいですね。

グリーン政治に立ち枯れの時

2010-08-05 22:55:08 | 地球温暖化
ニューズウィーク日本版、2010年8月4日号、から引用

ここから---

わずか3年前、地球温暖化という話題は政治の世界を席巻していた。
アル・ゴア元米副大統領の温暖化対策活動を追った映画『不都合な真実』がアメリカで公開されたのは06年。ニューヨークやマイアミが約6メートルに沈む予言をして、見た人を驚かせ、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。
その後の1年間で、現役の政治指導者たちが続々と温暖化対策の舞台に登場してきた。
07年上半期にEU(欧州連合)議長国を務めたドイツのアンゲラ・メンケル首相は、20年までにEUの温室効果ガス排出量を90年比で20%削減すると宣言。同年8月にはグリーンランドを訪問して氷河融解の危機を訴えた。イギリスのトニー・ブレア首相(当時)は、気候変動はファシズムに並ぶ大きな災いだと述べ、温室効果ガスを50年までに60%削減すると表明した。
07年12月には、世界初の「クリーンな首脳」が誕生した。オーストラリアのケビン・ラッド首相だ。温暖化対策を公約に掲げて総選挙で勝利したラッドは、「現代最大の政治的・経済的・道徳的な挑戦」を始める構えだった。
だが今や世界のほぼすべての国で、温暖化対策は政治問題として威光を失っている。

<中略>

メリケルは最新の予算削減案でグリーンテクノロジー開発に対する助成額を大幅に縮小した。アメリカのバラク・オバマ大統領も温室効果ガス排出量取引制度の導入への熱意を失っているようだ。
環境重視の政治の流れを逆転させた最も衝撃的なきっかけは、ラッドが6月、自身の環境政策によって破滅した初の首脳になったことかもしれない。有権者の間で温暖化対策への支持が低下するなか、野党の攻撃を受けて公約を撤回したラッドは、最終的に与党・労働党の圧力によって首相の座から引きずり下ろされた。温暖化対策が突然、選挙で勝てる争点から政治家の命取りになる問題に一変したのはなぜか。
背景には各国の政治状況がある。ラッドは、温暖化対策をめぐる世論の変化と労働党の内紛の犠牲者と言える。医療保険制度改革の実現にこぎ着けたオバマには、新たに論議を呼ぶ法案を成立させるだけの人気や影響力が残っていない。金融機関と域内の財政破綻国家の救済に追われるEUでは、膨大な予算を要する温暖化対策は贅沢だという主張が勢いを得ている。

<中略>

温暖化対策はもはや白か黒かでは語れない。徹底的かつ早期の二酸化炭素(CO2)排出削減を訴える人々の主張ほど、簡単に割り切れる問題でもなくなっている。
07年当時、遠い未来の壮大な削減目標を語るのは容易で受けがよくて、カネも掛からなかった。だがいざ目標が設定されると、各国は削減目標達成のため経済の仕組みを根本的に変えるという、懐の痛む難題に取り組むことになった。
ラッドが「失脚した環境派首脳第1号」になったのは、理想の実現に伴う厳しい現実に見舞われた最初の指導者だったからだと、ドイツのシンクタンク「SWP」の研究員で気候変動政策に詳しいオリバー・ゲデンは指摘する。
オーストラリアは世界最大の石炭産出国であるだけでなく、人口1人当たりエネルギー消費量も世界のトップクラス。温暖化対策を進めれば、人々の生活は計り知れない変化を強いられる。
市民や政府がコストと便益をめぐる選択に直面するなか、トップダウンで国際社会の削減目標を設定する在り方は厳しい目にさらされる一方だ。グリーン政策は、再生可能エネルギーへの助成金や、嫌われ者の大手エネルギー企業たたきを意味する限り支持される。だが、自動車利用を減らすなど生活への変化を迫られるとなれば、たちまち壁にぶち当たりかねない。

<中略>

グリーン政策は07年以降、別の意味でも本来の意図を外れて、利権政治の餌食となってきた。例えば、バイオ燃料推進政策は、農業補助金を確保するための名目にすぎなくなった。
年間200億ドルの補助金は地権者の懐を潤すだけで、温室効果ガスの削減にはほとんどつながらない。ある程度の削減につながっているのはブラジル産サトウキビを使ったバイオエタノールだけで、アメリカ産トウモロコシのエタノールとヨーロッパのバイオディーゼル燃料は大した効果がない。
ドイツの太陽光発電に対する補助金制度は、おそらく世界一無駄な温暖化対策だろう。鳴り物入りで導入されたこの制度は、国民に最大1250億ドルのコストを負わせながら、国内のエネルギー需要の0.25%しか生み出さない。
メリケル率いるキリスト教民主同盟(CDU)のある有力議員は、「ちっぽけな効果を挙げるために莫大な予算を吸い取る、われわれ自身が作り出したモンスター」に対して、党内でも議会でも不安が高まっていると語る。

ここまで---

ヒマなので、世界平均気温のデータ解析をしてみた

2010-04-05 16:42:38 | 地球温暖化
ヒマだ。いつもなら技術士掲示板に何か書込んで、魔法使いさんに遊んでもらうのだが、きょうは書く気がしない。ヒマにまかせて、世界平均気温のデータ解析をしてみた(添付画像)。

図1は、1891年~2009年の世界平均気温である。
図2は、図1からトレンドを除去したものである。
図3は、図2のパワースペクトルである。

図3には、4つのピークがある。
4つのピークの周期は、3.6年、4.9年、9.1年、19.7年である。
3.6年と4.9年は、エルニ-ニョ/ラニーニャだろう。
9.1年と19.7年は何だろうか。

宮原ひろ子氏の論文「太陽活動と宇宙線,そして気候変動」によると、9.1年=黒点の変動周期、19.7年=宇宙線の変動周期、と読み取れるのであるが、勝手な解釈だろうか。

引用ここから***
年輪の成長率の増減などを指標として復元された気温のデータから,マウンダー極小期や中世の活発期における太陽と気候の関係性を見てみると,宇宙線がもつ22 年周期の変動成分,さらには伸び縮みする太陽周期が,気候変動の複雑なパターンを生み出している可能性があることがわかってくる.マウンダー極小期で太陽の11 年周期が14年周期に伸びていたのは前述のとおりだが,炭素14 の分析によると中世の活発期では9 年という短い周期に変化していた.この太陽活動の周期の伸縮にともなって,気候変動の周期性も~14 年や~9 年に伸び縮みしている.気候変動にはもともと10 年程度の周期性があるとされてきたが,そのリズムはやはり太陽活動の影響を受けているようだ.興味深いのは,宇宙線がもつ“22 年” 周期のシグナルが,11 年周期の伸び縮みにともなって伸縮し,マウンダー極小期では,28 年周期として,中世の活発期では18 年周期として気温の変動にあらわれている点である(5).数十年スケールの気候変動の起源はいまだ理解されていないが,太陽磁場の変動を理解することが解明への鍵になりそうだ.
ここまで***

参考URL:
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/list/an_wld.html(気象庁:世界の年平均気温平年差(℃))
http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html(気象庁:エルニ-ニョ/ラニーニャとは)
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/~hmiya/Kagaku200912.pdf(宮原ひろこ|東京大学宇宙線研究所:太陽活動と宇宙線,そして気候変動)

地球温暖化-CO2主因説を疑う(17)

2010-02-25 23:18:55 | 地球温暖化

 

昨日の続きです。
IPCC2007の日本版(気候変動2007:統合報告書、政策決定者向け要約)の7ページにつぎのような訳文がありました。

引用ここから***

SRES排出シナリオの範囲では、今後20年間に、10年当たり約0.2℃の割合で気温が上昇すると予測される。
たとえ、全ての温室効果ガス及びエーロゾルの濃度が2000年の水準で一定に保たれたとしても、10年当たり0.1℃のさらなる昇温が予想されるであろう。
その後の気温予測は、個別の排出シナリオに依存性が増すようになる。{3.2}

ここまで***

問題の箇所はつぎです。

たとえ、全ての温室効果ガス及びエーロゾルの濃度が2000年の水準で一定に保たれたとしても、10年当たり0.1℃のさらなる昇温が予想されるであろう。

この文は2通りの解釈ができると思います。
①温室効果ガス等が2000年の水準で一定であれば、気温上昇率は0.1℃/10年になる。
②温室効果ガス等が2000年の水準で一定であれば、つぎの10年間の気温上昇は0.1℃である。

素直に読めば①の解釈が正しいように思われますが、前後の文脈のつながりが分かりにくいので、②のようにも読み取れます。

あまり良い翻訳じゃないですね。
原文を調べてみましょう。

For the next two decades a warming of about 0.2°C per decade is projected for a range of SRES emissions scenarios.
Even if the concentrations of all GHGs and aerosols had been kept constant at year 2000 levels,a further warming of about 0.1°C per decade would be expected.
Afterwards, temperature projections increasingly depend on specific emissions scenarios. {3.2}

ありゃ、原文を読んでもよく分かりません。もともと原文が分かりにくかったのですね。
センテンスの順序を入れ替えて、このようにしたらどうでしょう。

For the next two decades a warming of about 0.2°C per decade is projected for a range of SRES emissions scenarios.
Afterwards, temperature projections increasingly depend on specific emissions scenarios.
Even if the concentrations of all GHGs and aerosols had been kept constant at year 2000 levels,a further warming of about 0.1°C per decade would be expected.{3.2}

和訳はこうなります。

SRES排出シナリオの範囲では、今後20年間に、10年当たり約0.2℃の割合で気温が上昇すると予測される。
その後の気温予測は、個別の排出シナリオに依存性が増すようになる。
たとえ、全ての温室効果ガス及びエーロゾルの濃度が2000年の水準で一定に保たれたとしても、10年当たり0.1℃のさらなる昇温が予想されるであろう。{3.2}

これだとよく分かります。つまりこういうことです。
①どの排出シナリオを選んでも、今後20年間は約0.2℃/10年の気温上昇になる。20年以降はそれぞれの排出シナリオの特性に従う。
②2000年の水準で一定に保たれたとしても、0.1℃/10年(=1.0℃/100年)の気温上昇が予想される。

①は、グラフに示されている気温上昇特性とよくあっています。
②は、縦軸の目盛りが一桁違います。1.0℃/100年でなければならないのに、0.1℃/100年になっています。

このように見ていくと、やっぱりIPCCは、グラフ表示を間違えているのではないでしょうか。
皆さんはどう思います?

参考URL
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/syr_spm.pdf(気候変動2007:統合報告書、政策決定者向け要約)
http://www.ipcc.ch/publications_and_data/ar4/syr/en/spms3.html(IPCC Fourth Assessment Report:Climate Change 2007)


地球温暖化-CO2主因説を疑う(16)

2010-02-24 21:16:42 | 地球温暖化

図は6種類の排出シナリオに対する世界平均気温の上昇量の予測を示したものです。

この図にはおかしな点があります。黄色の線を見てください。この線はCO2の濃度が2000年時のまま変わらないとした場合の予測です。
2000年までの100年間の世界平均気温の上昇率は概ね0.7℃/100年ですが、2000年以降CO2濃度が増えないと仮定すれば、
上昇率が急激に減少して0.1℃/100年~0.2℃/100年になるというのです。

これは考えにくいです。例えて言えば、時速70kmで走行していた車が急減速し、時速10km~20kmになるようなものです。
急ブレーキをかけて車に逆向きの力を作用させなければ、このようなことは起きません。地球の気温についても同じことが言えます。
強い外的強制力によって地球を冷やさない限り不可能だと思います。

そもそも、上昇率0.1℃/100年は小さすぎる気がします。0.1℃/100年など実質的には変化なしです。ほとんど誤差の範囲です。

このグラフ、どこか間違っているのではないでしょうか。

参考URL
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/GWP/Vol7/pdf/1-2.pdf(地球温暖化予測情報 第7巻)
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/an_wld.htm(世界の年平均気温の平年差の経年変化(1891~2009年))