ようやく涼しくなりましたが、暑かったですねぇ。
グラフは1990年から2003年までの広島市の10月の日平均気温を示しています。赤い線は今年です。
グラフを見ると、5日から10日までは24年間で最も高温ですね。
でも、CO2のせいじゃないですよ。
アメリカのワイオミング州とサウスダコタ州では猛吹雪です。
地球もいろいろ、気候もさまざまです。
渡辺正先生の著著を引用し、都市化の定義がなされていない、と批判しました。
ところが、よく読み返してみると、先生はきちんと定義されています。
私の見落としでした。お詫びします。先生、すみませんでした。
先生よると、都市化には四つの要因があるようです。
激しい昇温は都市化が起こす。そのおもな要因には次の四つがある。
・エネルギーの集中消費(電気もガスも最後には熱になる)
・車の増加(走行中の乗用車一台は、三〇~四〇kWの強力ヒーターと同じ)
・高層ビルの増加(通風が弱まって起きる「日だまり効果」)
・植物の減少(まわりを冷やす蒸散作用の低下)
たとえば車はどれほど効くか。
いま東京都には車が約四四〇万台ある。
うち二%が昼間の都心(山手線が囲む面積の1.5倍=100平方km)を走ると考え、
車の発熱量と空気の熱容量(比熱)を使って計算してみると、厚み数百mの空気層が軽く1~3℃は上がる。
統計数字が残る一九六六年時点で東京都の車は一二〇万台だったため、当時から四倍近くに増えている(ちなみに全国の台数は一五倍増)。
こうしたことから、図3.4に見える昇温の三分の一ないし半分(以上?)は、車だけで起きた可能性が高い。<中略>
都市化はどこまでも進みはしない。
図3.4を見ると、二〇世紀末から現在までの一五年間ほど気温が頭打ちになった感がある。
ひょっとしたら、そのレベル(16.5~17℃)で上下動を繰り返すだけかもしれない。
うーん、そうなんですかね。先生は自信満々ですけど。
車の発熱量と空気の熱容量(比熱)を使って計算してみると、厚み数百mの空気層が軽く1~3℃は上がる、と言われてもねぇ。空気は移動するし…。
先生は、20世紀末に東京の都市化が頭打ちになった、と述べておられます。本当にそうでしょうか。
そこで、1900年~2012年の期間について、東京の年平均気温と埼玉県熊谷市の年平均気温を比べて見ました。その結果が図1です。
確かに東京の気温は右肩上がりに上昇していますね。でも20世紀の後半になると熊谷の気温も上昇し、1960年以降については上昇勾配がよく似ています。
分かりやすくするために、1960年で東京と熊谷の気温が一致するように、東京の気温を下方に平行移動してみました。それが図2です。
なーんだ、ずいぶん前から重なっていますよ。パッと見では、1930年頃から重なっています。
1930年と言えば昭和5年です。この頃は東京の車の台数は少なかったはず。
先生、車の影響ではないのではないでしょうか。