追記 2020.09.21
6年前の記事に追記しました。
柴田一成
ミニ氷河期の前駆現象として、雨量が多くなるといわれています。
今年揚子江流域が水浸しだったのはミニ氷河期の前兆かもしれません。
ただし、温暖化理論がそうであるように寒冷化理論も仮説です。
これからどちらが正しいかだんだんわかってくるでしょう。
でも、人類に及ぼす影響は温暖化よりも寒冷化のほうがはるかに深刻です。
記 2014.09.22
柴田一成:太陽の科学、NHKブックス、2010年1月、より引用
本章の最後に、地球の温暖化について考えていきたいと思います。
温暖化の原因は二酸化炭素であるといい切って本当によいのでしょうか?
少なくとも地球の長い歴史をひもとくと、黒点の多かった時代と地球の温暖化とは関連することが明らかです。
一方、最近一〇〇年間くらいの地球の平均気温と二酸化炭素の変動をみると、確かに二酸化炭素と気温の変動が重なる部分もあるけれども、最近は少しずれています。
ですから慎重な人は、温暖化と二酸化炭素の関係性には否定的です。
気象学者も自信をもって主張しているわけではなく、あくまで「可能性が高い」といっているだけです。
私は最近、「温暖化の原因は太陽である可能性もあるかもしれない。
少なくとも二酸化炭素と決めつけるのは危険」と考えています。
二〇〇八年に「地球惑星科学連合にという地球科学の大きな学会が開かれ、そこで地球温暖化の真相についてのセッションがありました。
「地球温暖化の原因は二酸化炭素」ということは政治的には決まっているが、はたして本当だろうか、という観点からさまざまな分野の科学者が集まって議論しました。
このセッションに出るまでは、「温暖化太陽原因説」の可能性を人前で議論するのは、政治や世論と衝突するので相当勇気のいることでした。
ところが、セッションに出てみると多くの地球科学者、物理学者、天文学者たちが、二酸化炭素以外の可能性を大胆に論じているのです。
その中で太陽の可能性も論じられていましたし、それ以外の地球環境のさまざまな要因-海流、火山なども論じられていました。
もちろん二酸化炭素説がただちに否定されるとか、二酸化炭素削滅に反対するとかそういうことではありません。
二酸化炭素と気温の関係いかんにかかわらず、炭素資源の節約やクリーンエネルギーの開発は大事なことです。
しかし、「温暖化二酸化炭素説」が確立しているかのような議論がまん延する世の中の状況を、われわれ科学者はだまって見ていていいのか、というのが大方の議論でした。
私もこの議論に全面的に同意します。
というのも、地球が寒冷化すると相当大変なことになります。
凍結した領域では人は生存できなくなりますし、エネルギーが足りなくなります
(暖房用のエネルギー、食科を作るためのエネルギー、そしてもちろん、文明を維持するためのエネルギーも足りなくなります)。
しかし、いまの黒点の状況をみていると、近々地球は寒冷化する恐れがあると予想されます。
本来ならば、二〇〇八年に新しい周期に入り、黒点がわっと増えてしかるべきだったのが、全然出てきていません。
これほど少ない期問が続くことは、最近八〇年間近くなかったのです(一九三三年くらいまでさかのぼると、いまと同じくらい少ないこともありました)。
引用終り
4~5年前までは、学者がCO2温暖化説はおかしいというとトンデモ学者の烙印を押されていました。
槌田敦さんや東工大の丸山茂徳教授などごく少数の勇気ある学者を除いた多くの学者は、烙印を押されるのが怖いので、
「王様の耳はロバの耳」の寓話のように、土に穴を掘って「CO2温暖化説はおかしい」とこっそりつぶやいていたのです。
でも、最近になって柴田氏をはじめとする太陽研究者が堂々とCO2温暖化説に疑問を投げかけるようになりました。
封印は解けたのです。本当のことを言ってもよくなったのです。
良い時代になりましたね。CO2温暖化は政治の世界だけの問題になってしまいました。