...「医工連携」で研究や収益力強化(読売8/8)
要約
国立東京工業大学・国立東京医科歯科大学が、統合に向けた協議を開始。
運営法人傘下に2大学を置く方式か、単一の新大学となるかは今後の検討事項。
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結構すごいかもしれない。これが第一印象だ。
記事によると、国立大への運営費交付金ベースでは東工大が218億円(11位)、医科歯科大が138億円(22位)、統合すると、北大、筑波大並みになる。
学生数は東工大は約1万人、医科歯科大が約3千人。
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やや古い資料(「国立大学の再編・統合の現状と今後の取り組み」,平成15年3月・文部科学省高等教育局)で確認すると、国立大学の統合は以下のように進んだ。
(1)平成14年10月に統合の大学(2組4大学)
平成15年(’03年)4月学生受入
山梨大と山梨医科大→山梨大
筑波大と図書館情報大→筑波大
(2)平成15年10月に統合の大学 (10組20大学)
平成16年(’04年)4月学生受入
東京商船大と東京水産大→東京海洋大
福井大と福井医科大→福井大
神戸大と神戸商船大→神戸大
島根大と島根医科大→島根大
香川大と香川医科大→香川大
高知大と高知医科大→高知大
九州大と九州芸術工科大→九州大
佐賀大と佐賀医科大→佐賀大
大分大と大分医科大→大分大
宮崎大と宮崎医科大→宮崎大
(3)平成16年度以降の統合を目途に協議を進めていた大学
富山大、富山医科薬科大と高岡短期大→富山大
(1)が’03年度から、(2)が’04年度から、(3)が'05年度から学生受入である。
ほとんどの場合、国立の総合大学が、同一県内の医科大学等と統合するケースである。
新大学の名称は都道府県名等を名乗る大学に寄せている。統合された新大学で、新名称は「東京海洋大学」のみである。
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この資料の後、国立大学法人の設置する国立大学の統合は以下のようになる。
国立大学法人の統合・新大学設置
大阪大と大阪外国語大→大阪大(’07年10月統合,'08年学生受入)
国立大学法人の統合・既存大学は存続
大学の設置・運営の組織のみの統合は以下の3例である。
国立大学法人東海国立大学機構が発足(’20年)
国立大学法人名古屋大学と国立大学岐阜大学が法人統合。設置する名古屋大と岐阜大は存続。
北海道国立大学法人機構発足(’22年)
国立大学法人小樽商科大学、国立大学法人帯広畜産大学、国立大学法人北見工業大学が法人統合。設置する小樽商大、帯広畜産大、北見工業大は存続。
国立大学法人奈良国立大学機構が発足(’22年)
国立大学法人奈良教育大学、国立大学法人奈良女子大学が法人統合。設置する奈良教育大、奈良女子大は存続。
企業などで見る〇〇ホールディングスに、個別事業会社がぶら下がる形式に近い。これらはアンブレラ方式と言う。何となくだが、東工大と東京医科歯科大の統合は、この形になるような気がする。