長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

ほぼブラジルを石臼で挽く

2010-02-17 07:36:24 | Weblog
昨日もひがな石臼が、話の対象だった。
台湾の出張から帰ってきたばかりのMさんが
さっそく、「お願いします」と、石臼で
ほぼブラジルをひく。全国のカフェめぐりをライフワーク
にしている彼も、石臼珈琲は初体験だ。

午前中は、味噌つくりを手伝いにきてくれたまいかさんも
、石臼で、ほぼブラジルをひいた。
いよいよ彼女も押上駅近くの、古色蒼然とした、踊りの師匠が
住んでいた家と縁がつき、来月そこに引越しをして、新しい
ことを始める。
ときどき、「お茶会のような朝ごはん」でもやったらどうか、
という話になった。
土鍋でご飯を炊き、自家製の味噌で味噌汁をつくり、干物の
焼いたのと、お漬物・・・で充分だ。
冬なら煎り番茶かなんかが、たっぷりめの志野の湯のみに
でも入れてでてくると、幸せな1日のスタートになるに違いない。
そして、締めは、「石臼珈琲」。
看板も、表札もない「隠れ家のような朝カフェ・・・」
押上が、またますますおもしろくなってくる。
林太郎くんとこから徒歩1分。
特別メニューに、「ピアニストの出前」というのは如何?

今日は「かっぽれ」。
昨日の「書」も、未来の文人墨客たちが談論風発の至福の
時を過ごした。



石臼の感じがつかめてきた。

2010-02-16 06:44:00 | Weblog
昨日は、朝から、いろいろなスピードとやり方で、
石臼をまわしてみた。うまくいえないけど、豆のつぶれる
感触がだいぶ右手まで伝わってくるような感じだ。
少し「ほぼぶらじる」の焙煎とブレンドも変え、水も変え、
落とし方も変えて、なんどもやってみたら、「!」(ビンゴ)
みたいなコーヒーができた。まだまだ使いこなす、という次元まで
いっていないけど、かなり新しい領域に到達しそうな気配がする。
パンドラの箱ではないが、「粒々皆辛苦」の中に、いろいろな希望
の光がある。

これが完成したら、「珈琲道」の家元になって、弟子も取らず、
かの売茶翁のように、石臼と茶道具を積んで、全国を放浪の旅に
でようかしらん、みたいな気持ちがわいてきた。

昨日は「ダメチュウ」こと「ダメから始める中国語」だった。
今日は中国に書の修行にいった貞本さんの「書をしよう会」
お花やお茶の世界では、「書」は不可欠なものだ。
このあたりの、バランスや感覚をつかんできたら、人生は
5倍くらいおもしろくなってくる。

明日は「かっぽれ」

HANAO君

2010-02-15 07:05:53 | Weblog
今、本屋に並んでいるHANAKOに、天真庵が紹介されている。
表紙はモノクロで、なんとなく男性誌みたいな感じがする。
沿線沿別に、いろいろなお店が紹介されている。
確か2年くらい前にも紹介され、その時は、いわゆる「はなこ族」
といわれる女性たちが、あまた来店されたように思う。
昨日は、開店前から人が並び、しばらく満席で、お店にはいれなかった
人もたくさんいたけど、「HANAKO族」というよりも「HANAOさん」
もかなり見受けられた。そうえいば、うちの「タイムドイメイン」に毎月
やってくる君も、HANAKOを愛読しているらしく、ユニセックスな時代には、
男も女もないのかも知れない。

いっしょに紹介されたSPICE CAFEは、スリランカにカレーの修行に
いっているので、今月いっぱいは休みだ。
十間橋通りにある「和菓子 ながしま」は、豆大福が紹介されていた。
ながしまさんからは、毎週ごもくごはんをいただいていて、それが週末の
エネルギーになる。くさもちも、当たり前のようにうまくていい。
のれんに「ながしま」とシンプルに表示されているのがいい。最初にこの町に
来た時、こののれんが、この町に一番似合っていると思った。
最近、うちとながしまさんの中間に中華屋さんができた。「一品香」
という。日本語はあまり通じないけど、その看板が、なんとなく
中華という「香」がする。

今日は「ダメから始める中国語」だ。
帯状疱疹にかかった先生が一ヶ月ぶりに復帰。

明日は「書の会」
先月は、貞本先生たちと、書の人たちと、池袋の中華屋さんで新年会をした。
そこのお店も日本語が通じないけど、本格的な中華のお店だ。

明後日は「かっぽれ」
この季節に「浴衣」を着るのは、さむいけど、あいかたも
老体に鞭打ってがんばっているので、はげみになる。
こちらもいろいろガタがくる年ではあるけど。

寒い週末

2010-02-14 07:01:52 | Weblog
昨日は朝から雪がふって、とても寒かった。
石油ストーブふたつと、エアコンを使っても
寒いので、火鉢の炭を1日焚いて暖をとった。
寒くなってくると、炭の暖かさが一番暖かく感じる。
北国の人たちが、囲炉裏に炭をおこし、そこに
人が集まってくるのがよくわかる。
土間に囲炉裏があり、そこに自在と鉄鍋があり、
ほうとうとか、けんちん汁とか、すいとんとかを、
食べるようなお店が近くにあれば、寒い日はありがたい。
青竹に酒を入れて、灰の中に入れ、熱燗をつける・・
なんて、野趣満天で、至福の時間を味わうことができる。
簡素なものの中にこそ、「ほんもの」がある。

明日は「ダメから始める中国語」
明後日は「書をしよう会」
明々後日は「かっぽれ」
寒いけど、寒稽古みたいに気合の入った稽古が続く。

石臼の台

2010-02-13 06:52:12 | Weblog
さっそく石臼の台をつくって、試運転。
台といっても、企画品など、どこにもない。
昔の家では、黄粉や蕎麦を挽くときは、ござなんかを
敷いてやった。珈琲の石臼は、径が小さいので、
東北の骨董やで見つけた朴の丸い折敷の真ん中に、
石臼の底に彫った3センチの四角の溝をいれる板を打ちつけ、
折敷の台には、檜の丸太をうちつける。そして、折敷の端っこに
3cm弱の丸い穴をあけ、そこからドリッパーに挽いたコーヒー豆を
落す、という使用にした。

さっそく近くのSPICE CAFEのお父さんの仕事場にお邪魔して、
上のようなものを作りたい、という話をした。ドアか何かを作っている
途中だったけど、この石臼作戦に興味を示してくれて、さっそく、いろいろな
使いなれた道具を駆使して、あっという間に、石臼の土台ができあがった。

最初に臼を挽いたのは、升たかさん。彼は陶芸の修行に韓国の有名な
陶芸家のところで修行をしたことがあり、臼などの使い方には慣れたものだ。
自分で挽いたほぼブラジルを、おいしそうに飲んでいた。
近所のお菓子やさんの主人に続き、滋賀からわざわざやってきてくれた人たち、
その友だちの台湾の人たちも、楽しそうに、石臼を挽いた。
昔はどこの家でも、石臼を挽く、というのは日常で、そちらかというと、子ども
には荷の重い作業だったけど、今は珍しいので、かえって新鮮でみんな楽しそうに
やっていた。これは、けっこうおもしろいかもしれない。

そのうち、テーブルごとに、石臼をおいて、そこで銘々が、豆をひいて、
コーヒーを自分でたてて飲む、なんていう、まさに本来の「セルフカフェ」
もおもしろいかもしれない。二階では、銘々が煎茶や玉露を入れて、
お茶を楽しむ・・・・そんな人たちが集まってくると、ほんとうに日本も
明るくなると思う。いや~、楽しくてウキウキするなあ!

きらきらたちばな商店街の入り口では、「わぶ庵」が完成しようとしている。
また楽しみが増えた。界隈が、少しづつにぎやかな春をむかえようとしている。

珈琲の石臼がやってきた。

2010-02-12 07:11:00 | Weblog
昨日は、茨城の真壁という石の町にいってきた。
ちょうど、「ひな祭り」をやっていた。
昔は、城下町で、豪商たちもいて、蔵や土壁が
いまでも残っていて、それを保存しながら、それぞれの
家のお宝のひな祭りを、一ヶ月くらいお披露目するようになったらしい。
昨年は期間中に10万人くらいの人がきたということだ。

迎賓館の建物も、真壁の石をつかって立てた。昔は、庭石や灯篭
や、沓脱石、蹲など、家のいまわりには、石がいっぱいあった。
石の工房の入り口に、こけむした蹲がひとつあった。
曹洞宗の人たちが座禅をするときに使う座布団にどこか似ていた
ので、それもいただくことにした。
昨日の夜、それを天真庵の玄関のところに置いた。まさに「庵」
というのにふさわしい感じになった。
今日から石臼を試運転。「石臼珈琲」がメニューにのるのは、
来月くらいからにする予定。

伝授の会

2010-02-11 08:45:57 | Weblog
昨日は伝授の会の二回目。
未来の蕎麦打ち名人さんたちが、颯爽とやってきた。
二回目になると、蕎麦打ちの段取りの意味がわかって
くるので、教える立場としても、少し気分的に楽になってきた。
蕎麦を打つ楽しさも、だいぶわかってきた感じだ。
蕎麦と同じように、長く継続可能なスタイルを生活の中に
取り入れていったもらいたい。

夜は「ワカを忍ぶ会」
IT業界の「ネット21」の副理事長だった林さんや、辻川さん、田村さん、川口さん
たちが、集まって在りし日のワカを忍んだ。
不肖・野村が理事長を務めたこの会の勉強会・無門塾の講師をワカが一番たくさんやってくれた。
大道無門・・・学問の大道には、門はいらない。学びたいという気持ちが
あれば、どこからでも入っていける、という禅の言葉から始まった勉強会だ。
最後の無門塾は、押上に舞台をうつした天真庵で、ワカが「東京スカイツリーに
よって変るデジタル世界」というようなタイトルだった。

昨日は、田呂丸くんがジャンベを演奏してくれた。竹内さんが、立花を生けてくれたら、
天真庵が凛とした空気になった。そこで、N響のやまねさんが、クラリネットを
演奏してくれた。ワカとよく話していたエリック・ドルフィーの
「プレス・ザ・チャイルド」だ。またワカが、カウンターの端っこの席に
黙って微笑みながら、座っているような気がした。

今日は、定休日。
石臼が完成したので、とりにいってくる。
「HANAKO」に、SPICE・CAFEといっしょに紹介
されたけど、ふたつのお店は本日はやっておりません。あしからず。


ワカがやってきた。

2010-02-10 07:20:30 | Weblog
昨日の夕方に、突然ワカがやってきた。
この写真と瓜二つなので、一瞬声を失った。
「いろいろお世話になりました。今日骨に
なって、天国にいきました」とのこと。
熊本からやってきた弟さんだ。火葬場に
いった後に、散髪屋にいって、髪を剃って
「今日からワカになります」と、出家僧みたいなふうたいで
やってきた。ワカの最後の日の話などを、「鴨の郷遊び」を
飲みながら聞いた。鴨の郷遊びは、ワカの故郷・熊本の人吉の酒。ワカのボス、キクジーも、いっしょに飲みながら、なんども涙した。
昨年末、最後に店に来た時、置き忘れていったビタミンカラーのマフラー
を、弟君が首にまいてみた。あうんの呼吸で、新旧のワカの魂が共鳴したかの
ような気がした。

今日は「伝授の会」。蕎麦・コーヒー・煎茶を学ぶ日。
最近半径3mくらいしか興味がない人が多い、とよくきく。
自分のことしか興味がなく、ひとさまのこと、世のなかのこと、
おかげさんなこと・・・などが見えない。
蕎麦の実の一粒一粒は、大地の恵みであり、つくりての愛情がこもった
ものだ。コーヒーの一粒一粒も、貧しき国の人たちが、熱い赤道直下の
園でひがな育て、収穫したものだ。お茶は、仏教や禅といっしょに、
大陸からこの国へ伝えた先達の「命がけの文化」である。
大事にしていきたいとつくづく思う。

蕎麦打ちや、蕎麦好き、珈琲もうんちくたれや、オタクみたいなものが
あまたいるけど、「伝授の会」の基本は、のうがきいう前に、まず
体を動かす、だ。夜は有志が集まって、「ワカのお別れ会」をする。
感謝。




小倉駅のうどん

2010-02-09 07:13:35 | Weblog
ワカが生前に、ノートをくれた。
再生紙でできたノートだ。
「エーチャンのレシピをまとめておくといいよ」
とのことだった。いつも思いつきで、料理をつくって
きたけど、時々は、ノートに書き綴っていた。
昨日、そのノートの表紙に「粒々皆辛苦の帳」と書いて
レシピを少しまとめてみた。
その中に、「小倉駅5番ホームのうどん」というのがある。
北九州予備校時代に、よく食べたうどん。5番ホームというのは
定かではないけど、その立ち食いうどん、の素うどんがうまかった。
やはり出汁は、アゴをつかっているに違いない。今は高級になったので
どうなったかわからないけど、あご、つまり飛び魚を使った出汁は
「アゴ」が落ちるくらいうまい。小倉と博多の途中に「折尾」
という駅がある。鉄道が開通したとき、その駅につくと、駅員さんが
「オリオー、オリオー」と叫ぶので、乗客がみな降りた、という逸話が
残っている。高倉健さんが通った東筑高校は折尾にある。
折尾駅の名物が「かしわめし」だ。
話をもどすと、小倉駅の5番ホームの素うどんの中にも、かしわが
入っている(いた,)、ただし、そぼろ。
そのそぼろがいい。
そぼろは、水と酒の中に、かしわのみんちをいれ、箸でほぐしながら、
火をつける。途中、醤油と砂糖とちょっとの味噌なんかをいれ、
3分くらい箸でまぜるとできあがる。うちは、「とりそば」の時
につくる「甘めの九州の醤油のにきり醤油」を使う。
それを、うどんの中にいれると、くせになるくらい、うまい。
万能ねぎをぶっかけ、一味をたっぷり入れて食すと、一滴の汁も
残らないのが不思議でない。

小倉駅のうどんを折尾のかしわ飯といっしょに食うと、なお美味い。
博多は、いろいろうまいところがあるが、なんといってもY鮨だ。
先日、博多からお花のお稽古をしている原田一門と話をしていると、
「Y鮨」の話題になった。うちにくる音楽家や陶芸家、花やお茶
の関係の人たちが、なんか関所か駅みたいに、当たり前のように
通過するすし屋だ。博多には、何百というすし屋やおいしい魚を
食べさせるお店があるのに、まるで人口が300人くらいの漁村
に一軒しかない魚屋、みたいに、そのすし屋にいきあたる。
無駄のない縁、というのは、ほんとうに不思議なものだ。

今日は「英語で蕎麦会」
明日は営業は休み。蕎麦打ち、お茶、コーヒーの技を伝授する日。

チムギー珈琲

2010-02-08 07:14:33 | Weblog
まだメニューには、書いてないけど
「チムギー珈琲」が好評だ。
フレンチローストだけどノンカフェインだし、
妊婦さんとか、どうしてもコーヒーが苦手
の人でも大丈夫。ミルクコーヒーにしても、
アイスコーヒーにしてもおいしい。
「ホボブラジル」をいずれ超える人気に
なるかもしらない。
世のなかには、少量しかとれないけど、すごい
ものがまだまだある。
「黒豆茶」も、かなり人気になってきた。

明日は「英語で蕎麦会」
明後日は「伝授の日」
蕎麦・お茶・コーヒーを伝授する日。