長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

ワカがやってきた。

2010-02-10 07:20:30 | Weblog
昨日の夕方に、突然ワカがやってきた。
この写真と瓜二つなので、一瞬声を失った。
「いろいろお世話になりました。今日骨に
なって、天国にいきました」とのこと。
熊本からやってきた弟さんだ。火葬場に
いった後に、散髪屋にいって、髪を剃って
「今日からワカになります」と、出家僧みたいなふうたいで
やってきた。ワカの最後の日の話などを、「鴨の郷遊び」を
飲みながら聞いた。鴨の郷遊びは、ワカの故郷・熊本の人吉の酒。ワカのボス、キクジーも、いっしょに飲みながら、なんども涙した。
昨年末、最後に店に来た時、置き忘れていったビタミンカラーのマフラー
を、弟君が首にまいてみた。あうんの呼吸で、新旧のワカの魂が共鳴したかの
ような気がした。

今日は「伝授の会」。蕎麦・コーヒー・煎茶を学ぶ日。
最近半径3mくらいしか興味がない人が多い、とよくきく。
自分のことしか興味がなく、ひとさまのこと、世のなかのこと、
おかげさんなこと・・・などが見えない。
蕎麦の実の一粒一粒は、大地の恵みであり、つくりての愛情がこもった
ものだ。コーヒーの一粒一粒も、貧しき国の人たちが、熱い赤道直下の
園でひがな育て、収穫したものだ。お茶は、仏教や禅といっしょに、
大陸からこの国へ伝えた先達の「命がけの文化」である。
大事にしていきたいとつくづく思う。

蕎麦打ちや、蕎麦好き、珈琲もうんちくたれや、オタクみたいなものが
あまたいるけど、「伝授の会」の基本は、のうがきいう前に、まず
体を動かす、だ。夜は有志が集まって、「ワカのお別れ会」をする。
感謝。