長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

英語で蕎麦会

2010-02-24 07:42:02 | Weblog
旧正月があけて、今年初めての「英語で蕎麦会」だった。
岩本先生は、昨年近所の長屋に北区から引っ越してきた。
独身なので、家財道具がほとんどなく、いつでもホームレスになれる
くらい身軽で、簡素だ。(これに限る)
何もないがらんとした部屋に、一枚絵が飾ってある。南條先生の
描いた「寒山拾得」だ。初めて天真庵にきて、その絵に、とりつかれた
ようになって、その絵を、月賦で買われた。けっして安い買物では
なかったと思うけど、「あるとき払い」「催促、利息なし」みたいな
条件で彼の手元に渡った。そして昨年末の支払で、借金がなくなったらしい。
少し無理したけど、気にいったものが、身のまわりにある生活というのは、
何ものにも変えがたい。

借金が終わったお祝いに、久保さんの「宝瓶」(ほうひん)をひとつ
さしあげた。それで毎日、玉露をいれて、長屋生活を満喫しているらしい。
英語で蕎麦会は、池袋時代は、岡倉天心の「茶の本」を勉強していた時期がある。
今のオバマ大統領の反体制派の運動も「茶会運動」と呼ばれているらしい。
日常茶飯なことだけど、「今日一日を、楽しい日」にするために、一杯の
お茶を静かにいただく、というのは、けっこうなことだ。

政治も経済も、どこみても生きづまり、ささくれだった人間関係や
腐りかけたリーダーシップに、溜息しかでないような毎日だが、
今日という自分の人生、そしてその始まりを、どういう「思い」
で過ごすか、というのは、これまでにまして、大事なことだと思う。

「喫茶去」(きっさこ)・・・「まあ、お茶でもめしあがれ」という禅の
教えの真髄が、こんな時代だからこそ、五臓六腑に染みわたる。

今日明日は連休。金曜日はねんどの会。
これから、群馬の山の中の温泉にいってくる。天真庵の
玄関に飾ってあるステンドグラスのモデルになった文人たちに
愛された不思議な温泉。