長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

マリオネットのコンサート

2010-02-06 07:18:36 | Weblog
天真庵が池袋にあったころから、年に一度
マリオネットがやってきて、コンサートをやってくれる。
今回は、元気とワカが、写真だけで参加した。ワカの席には、
備前の徳利と斑唐津のぐいのみ、そして昨日は、お客さんが花を
手向けてくれた。ワカの写真は、近所の経師やのおっちゃんが
昨年の「墨田ぶらり下町音楽祭」の時の写真を、伸ばしてもってきて
いただいた。ちょっとした「こころ」のふれあいに、弱く
なった涙腺がゆるむ。

マリオネットは、ポルトガルギターの湯浅さんと、マンドリンの
吉田さんのデュオだ。ポルトガルには、ファドという女性がかなわなっかた
恋の話、好きだった男が海で死んだ話などを、情感豊かに歌ったものだが、
そのファドに、かかせない楽器だ。大航海時代に世界の海にでていった男
たちの賛歌でもある。ワカも大好きだったので、昨日は残念だったけど、
カウンターの端っこで、いつものように、満足な顔して、酒を飲んでいるような
気がした。拍手のたびに、元気も吼えながら、走りまわっている気がした。

開演前にN響のやまねさんが、珈琲を飲みにきて、「吉若さんのブログを
ぜんぶ読みました。」という話をした。ぼくも彼のブログ「恭福庵」
を全部読んでみた。やまねさんも時々天真庵でコンサートをやってくれる。
近々、ワカを追悼する演奏会をやってくれるらしい。言葉に表現できないくらい
感激した。ワカの意志で「密葬」になり、弟さんに最後に、「木曜日以外になったら
野村には連絡しないように」との遺言があったらしい。こんな仕事をしていると、
仕方のない話ではあるが、また、そんなこと以上に素敵なこともまたある。
生きている人同士、夫婦、友だち、家族でも、言葉では通じないことが多々ある。
ましては、旅立っていった人とは、自分も天国にいかないと、会えないものだと
思っていたが、最近は、音楽家たちと交流を深めていると、ちゃんと、音楽や
芸術を通して、話あえるものだという気がしてきた。

今日は座布団をつくる日。
「居場所」とか「出番」を探して放流している人が多い。
なあに、手作りの陽だまりでほかほかになった座布団に、どっか
と座ってみよう。そこが「居場所」になるし、「出番」を待つ天守閣
みたいな場所になる。

明日は「エリカ庵」
居場所や出番を待つには、体も心も健康でなければ。