「天真庵」のHPは熊本の友達がアップしてくれている。
地震があったり、阿蘇が噴火したり、いろいろ災難続きの中で、一生懸命
にやってくれている。今朝メールを見たら「珈琲ドリポットをアップしました」とあった。
「ああ、懐かしい」と思った。第一弾は、あっという間に嫁いでいった。今ごろどこかの
家で、おいしい珈琲時間を醸し出しているに違いない。
昨日は「卒啄珈琲塾」と「無茶しぃの会」だった。午前中の勉強会が終わり、買い物を
していたら、銀座の骨董屋から電話。「引っ越し先がきまった」とのこと。87歳になるので、
骨董屋の緞帳は下げ、都内のマンションで余生を過ごすらしい。
「本を整理していたら、煎茶の本がでてきたので、よかったらとりにきませんか?」というので、
すぐに銀座に直行した。以前から読みたかった本をいただいた。「近世奇人伝」とかいう、
昔大流行した本がある。その中に、売茶翁とか、池大雅とかその奥さまの玉蘭さんなどが書かれて
いる。いわゆる煎茶趣味のあった「気骨のある文人」の書を中心に、銀座で半世紀以上も「たつき」を
なりたたした主人もまた「気骨のある人」だ。一階が家で、二階がお店。今年圧迫骨折をした主人は
階段をのぼるのもおぼつかなくなってきたので、今回の引っ越しを決断したらしい。
初めてめて仏壇のある部屋に通され、いつもは二階で入れてくれたように、煎茶を丁寧にいれてくれた。
お茶受けは、京都の尾張屋の「そば饅頭」。仕事がらしょっちゅう上洛する主人は、京都の菓子を
かかしたことがない。「京都の加茂川べりにいって、立命館の寮歌を歌ってみてください。きっと
気持ちがいいですよ」とときどきいってくれた。老後の楽しみにしている。
帰りに、玄関横の本棚にある「田能村竹田」の本をとりだし、「これももっていって」といっていただき、
握手をして押上にもどり、煎茶のお弟子様たちと、星野村の極上の玉露をいただく。
ひょうたんの花器に投げ入れた「白花さくらたで」が、秋の夜の茶会をのぞいているようだった。感謝。
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