長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

秋葉のカフェは続く  今日は16時閉店。

2012-11-23 08:21:57 | Weblog
昨日の「おてがみ」の千秋楽が終わり、片付けをして、
「分福」を飲みながら、考えていると、「この3日間は、コンサートと
いうよりも、インスタレーションやな」ということを悟った。
演出家の難波研さんが、「おてがみ」というシナリオに音楽を作曲し、
朗読がすすむにつれ、お客さんといっしょに、時間や空間の異次元体験を
楽しむ蕎麦会もいっしょの空間に内包される。3日間、秋葉のカフェみたいだった。

天真庵のはじまりは、秋葉原。昭和59年に創業した。九州ジャンガララーメン
と同じころ、おなじ土地で生まれた。
外神田という地名。事務所の下は喫茶店だった。さほど特徴的な喫茶店では
なかったが、マスターがオカマだった。珈琲をサイフォンで入れてくれるのだけれど、
豆をかき回す竹べらをもつ右手の小指がいつもたっていた。
モーニングは、食パンにバターがついて、ハムエッグとサラダ。ハムエッグの卵が
半熟だったのはうれしかった。

近くに古い喫茶店もあった。確か「伊万里」という名前。一階はカウンター
になっていて、今はなき古伊万里みたいな素敵なおばあちゃんが珈琲を入れてくれた。
地下には、そのおばあちゃんの旦那が趣味で集めた古伊万里の蕎麦猪口や、
皿などの雑器が所せましと並んでいて、奥には、3畳ほどのこあがりがあって、
ぼくは空いている時間帯をねらって、そこにあがって、古伊万里の蕎麦猪口で
供される珈琲を飲みながら本を読むのが好きだった。でも現実には、
創業期の資金繰りなんかに悩みながら、あの街のパソコンショップの人たちと
打ち合わせに使う場所だったような気もする。今は昔だ。

「おてがみ」を見た若者たちが、同じように30年くらいして、
古色蒼然とした空間で、いっしょに不思議体験したころをいい思い出として
残してくれていたりしたら、うれしい気がする。今はなき古信楽の狸みたいな
庵主を思い出しながら・・・

今日も「音組」コンサートをやるので、16時で閉店。
◎23日(金=祭日) 音組 演奏会

演奏:星野 彩乃(ピアノ)・難波 研(ピアノ)・細井 唯(チェロ)・須永 真純(クラリネット)

19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲 付き)


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