先日閉店前に病気、しかもかなり重病、いや末期の骨董病らしき
中国人がドアをあけた。この病気にかかると、一生治ることはないが、
病人たちは、特に重病の患者さんはにこやかに幸せそうにニコニコしながら
病気と上手につきあっているのが特徴だ。
たどたどしい日本語で「ショールームの中の蕎麦猪口は売り物ですか?」という。
「いやあれは、売り物ではない」と答えたけど、「どの時代のもの?」と
聞くので、なんでも鑑定団の中島先生のように「いい仕事をしていた江戸時代の伊万里ですね」
と答えた。ら、「どうしてわかるの?」というので、「器がそういっている」と返事をした。
お店の中をじろじろ見まわし、「骨董屋さんみたいですね」というので、「ここは純喫茶です」と。
「この白いカップは誰の器ですか?」と眼を輝かせながらのたまうので、「クボタダヒロという匠の先生がつくりました」
時計が19時をまわってきたので、そろそろ帰ってもらおうかと思ってきたけど、相手のエンジンがかかってきて、
久保さんの黄瀬戸の珈琲ドリッパーやら、たまたまカウンターに置いてあった古瀬戸の「筆洗」、どら鉢などを、恋人を
見つめるような眼で眺めている。「このお店の中のもの みーんないいね」と大きな声でいうので、「ぜーんぶ買うなら
3000万円で売ってあげる」と冗談でいったら、笑っていた。こんど現金でもってきたらどうしよう。こんなバカバカしい
異文化コミュニケーションに一時間も要していた。ひょっとしたら、病気が移ったか・・・
今日は日曜日なので16時に閉店。18時から鈴木昭男さんのアナラポスのライブ。
もうすでに満席になってしまったけど、なんか新しい1ページが始まりそうなそんな予感がする。
19日は「書の会」 20日が「声ヨガ」
来週の22日、23日は「難波研組さん」たちの演奏会&朗読劇。
30日が「松庵さんのボサノバライブ」 ぼくが作詞したもの曲になったらしい。楽しみだ。
30日が