長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

水仙をいけた

2009-11-29 06:54:45 | Weblog
昨日は水仙をいけた。
寸胴に水を入れる。
そして、青竹を削る。昔近くの鳥や(焼き鳥やではない)
が、鳥かごをつくっていたように、青い竹を幅5ミリ、厚さ3ミリ
くらいに削る。それを井形にして、くばりのように花をそこに
いけるのだ。この作業が、凛としていて、気持ちがいい。
ハサミの歯と、手の動きと、心を精妙にしないとなかなかうまくいかない。

次に水仙の中で、花ぶりのいい、葉にくせのないものを選ぶ。
そして、はかまを指で、もぐもぐともみほぐし、最初に花のさいてる茎、
次に左の葉2枚、次に右の葉二枚をとる。
そして、眞になる花を寸胴の1.3倍くらいの高さにし、
次に左の花を袴の前にあわせていれ(下のほうを斜めに切っていれやすくする)
、次に右も同じようにする。そこまでは、まあ簡単。最後に眞をいれるのであるが、これはすでに入っている4枚をつかんで、うまく、ずずっといれる。
童貞の人がはじめていたす、より、100倍以上難しい技である。
水仙をいけるときは、傍らにタオルをおく。手に水気があると、
水仙の白い粉がぬれて流れてしまい、「ねぎ」みたいになる。
でも、入れる部分は、人といたすと同様、ぬれていなくてはならない。

それから、準備しておいた、竹を井形にする。次に同じ要領で、
もうひとつ、水仙のつぼみをみつけ、同じ手順で、つくる。
ここは、葉の長さを互い違いにするのが、黄金律だ。
そして、後の部分を斜めにけずり、少し前に倒れるようにする。
仕上げに、葉の「くせ」を、いかしながら、整えると、
なんともいえない可憐で妖艶な水仙が、すーと、きまっている。

来年の「初煎会」の時は、この水仙をいけて、玉露を入れて
みたいと思う。
コーヒーと蕎麦も、それぞれ奥が深いけど、お茶とお花に
なると、一生では足りないくらい、奥が深い。