長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

一滴の会

2009-11-28 06:15:45 | Weblog
今日は月に1度のお花のお稽古。
原田先生が山口から颯爽とやってくる日だ。
会の名前を「一滴(ひとしずく)の会」という。

禅の言葉に「粒々皆辛苦」という言葉がある。
米の一粒一粒、豆の一粒一粒が、お百姓さんや大地や自然が
つくってくれた大事な命なのだから、感謝しながらいただく、
みたいな意味だと思う。

天竜寺に昔、適水というお坊さんがいた。
雲水のころに、老師が顔を洗った水を「庭にまいておきなさい」
といわれ、庭にまいていたら、「ちゃんと水の一滴一滴を大事に
しなさい。どうぜまくなら木々のあるところにまきなさい」
といわれ、悟り、その名前をつけた、みたいなことを、本で
読んだことがある。山岡鉄舟の師にあたる人だ。

ちょっと古い料理屋なんかにいくと、男便所に、朝顔といって、
磁器でできた便器なんかがおいてあった。
浅草の骨董屋に、足利銀行の本店でつかわれていた朝顔が
ある。値段がおりあわなくて、なかなか「買った」といえない
のだが、いずれどうにかしたいと思っている。
そんな朝顔がおいてある便所には、よくこんな張り紙がしてあった。

急げども 心落ち着け 手を添えて 外に漏らすな 松茸の露.

日本人の「洒落」を感じさせるいい言葉だ。

一粒一粒にも「気」をいれる。歩く1歩1歩を大事にする。
松茸の最後の一滴にまで気をつける。
日常とはそんなことの繰り返し。

月曜日は「順受の会」。
来年の教科書が昨日届いた。
論語をただ勉強するだけだと、それだけなんだが、
「気」をこめて勉強すると、それぞれの人生のまさかの「ある時」
にきっと生きてくる。来年あたりは、お国も会社も個人も
、「まさかの坂」を迎えるのではなかろうか。
坂の上の雲を悠々と眺められるのは、日ごろから「肝」を鍛える
素養が必要ではなかろうか。
年末のテレビドラマは「坂の上の雲」らしい。

皇国の興廃この一戦にあり 閣員いっそう奮励努力せよ

という時代がまたやってきた。