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毎日の暮らしの中にある大好きなもの、こと、出合(会)いなどについての気まま日記

多崎つくる

2013-05-19 10:12:03 | 読書

あの社会現象とまでなった「1Q84」以来の村上春樹新作と聞けば、熱烈な村上ファンでなくとも興味がかきたてられる。
しかもタイトルが、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」
内容について一切知らされてなかったので、自分の中では福島原発事故が関係しているのではないかと思っていた。

読み始めたときから感じていたものは、京大で講演をした話の中の「新しい試み」というものだろうか。
灰田の存在、灰田の語る祖父が体験した緑川とのエピソード、ここが一番印象的だ。
緑川による倫理観は、あの地下鉄サリン事件を起こしたエリート達がなぜ狂信的犯罪者に変貌したのかということを思い起こす。
抽象的な生物で表現されるものが不可思議ではあるけれど現実的なものとして表現されているので、マニアではない私としてはいつもより入り込みやすかったのだが、同じくマニアでないY氏は「おもしろいけど、1Q84のほうが面白かった」

さて、熱烈村上ファンの評価は?

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 村上 春樹